旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

ライン川に本当に橋が架かる!

2010-08-01 17:05:59 | 

 

 ベルリン発共同通信によれば、ユネスコがライン川の架橋を承認したようだ。私は09年6月1日付のこのブログで「ライン下りの名所ローレライ渓谷に橋・・・?」と題して、この動きに触れた。
 そこには、ライン下りの中でも中心部であるマインツ・コブレンツ間は「ロマンティック・ライン」と呼ばれ、90キロに及ぶがその間に一本の橋もないこと、一昨年その地を訪れライン下りをやりながら、その景観保持の精神に頭の下がる思いがして感動したこと、従って、「ここまで経済発展より環境保護を優先してきたのだから、今更それを曲げることはないではないか」と書いた。当時ユネスコは、もし橋を架けたら世界遺産認定を取り消すと表明していたようであるから、私は「偉大なドイツ人は、経済発展と世界遺産のどちらの道を選ぶだろうか?」と問いかけてきた。

  
  城塞や美しい街々が連なる両岸を結ぶのは船だけ・・・

 ところが、さすがに偉大と言うべきか、ドイツ人は双方を追及してきたようだ。地元人たちの「不便の解消」と言う要求をバックに、ユネスコに架橋の承認を求めてきたようだ。「7月30日までにユネスコはそれを認めた」と前記共同通信は報じている。

 橋も架けようによっては一つの景観となるだろうし、できるだけローレライの岩の近くを避けて景観維持に努めるとも言っているようだから、まあ何とかなるのであろうが、19世紀から20世紀という資本主義最盛期にあっても架橋を退けてきた国が、今や環境問題などの方がずっと重視される時代になって橋をかけることになったことが、どうしても腑に落ちない。

 もちろん、前回も書いたように、「よそ者に何が分かる。俺たちは毎日ここに住んでいるのだ!」と言われれば、黙って引き下がるしかないが。

  
          ローレライの岩


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