このところ毎年夏は、ホテル・オオクラの「秘蔵の名品アートコレクション」を見て、同館の「ベル・エポック」で食事をとることを続けてきたが、今年は、各社秘蔵の名品展でなく平山郁夫展となったので、上野の西洋美術館の「カポディモンテ美術館展」を見て、赤坂の割烹・蕎麦処「たけがみ」で食事をすることになった。別に平山郁夫を嫌ったわけではさらさらないので念のため。
「カポディモンテ武術館展」は、想像以上に重厚で見ごたえのあるものであった。そもそもこの美術館は、ルネサンスからバロックまでのイタリアを代表する貴族の一つファルネーゼ家の収集と、それを相続したブルボン家のカルロ7世が、ナポリ王として自ら統治したナポリのバロック収集品を併せて展示した美術館。
公開後はイタリア有数の美術館として注目され、ナポリを訪れた文化人たち(例えばゲーテなど)は、競ってこの館を訪ねたとリーフレットに書かれてある。行くまではそれほど期待していなかったが、質の重厚さに圧倒された。
中でも、パルミジャニーノの『貴婦人の肖像』、ティツィアーノの『マグダラのマリア』、グイド・レーニの『アタランテとヒッポメネス』が印象に残った。
赤坂の「たけがみ」も想像以上に良かった。ワイフが見つけた店だが、前は料亭であった店を乃木坂の日本料理屋「神谷」が居ぬきで受け継いだ店らしく、上品で、落ち着きがあり、静かで、料理も美味しかった。
昼食3千円のコース、数品の料理からデザートまでを、たっぷり2時間かけて楽しんだ。酒は、岐阜の山田商店(玉柏)に造らせた『神谷』(本醸造)と、新潟市の宝山酒造の造る『たけがみ』(純米吟醸)が目玉。
私は『たけがみ』を飲んだ。ラベルを見ると「こしひかり100%使用、精米歩合50%」とある。こしひかり100%とは、麹米もこしひかりと言うこと? そこは不明であるが、ややコクの乏しさを感じたが立派な純米吟醸であった。