政府がユネスコの無形文化遺産に提案した「和食 日本人の伝統的な食文化」が、事前審査で認められることになったと報じられている。
その内容としては、「四季や地理的多様性による新鮮な山海の幸」、「自然の美しさを表した盛り付け」、「正月や田植えなどとの密接な関係」が強調されているという。(23日付日経新聞38面)
これはうれしいニュースである。食と関係する無形文化遺産としては、「フランスの美食術、スペインやイタリアなどの地中海料理、メキシコの伝統料理、トルコのケシケキ(麦がゆ)の伝統がすでに登録されている」(同上)というので、日本の和食も、いよいよ世界のトップレベルの食として評価されたことになる。
和食が、日本の四季の移ろいや自然の多様性につれ、また正月や田植えなどの行事にかかわり、様々に作られ盛り付けられる点が評価されたことがうれしい。
実は日本酒も、純米酒のウェイトが高まるにつれ、味も品種も多様化してきて、その飲み方も含めて今ほど花咲いた時期はない。四季折々の多様な料理とあいまって、多様な日本酒が様々に飲まれる時代が来ると思う。
食中酒としての日本酒は、和食と切ってもきれない関係にある。世界文化遺産に引けを取らない日本酒として、ますます磨きをかけねばなるまい。