旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

今年も終わる … 底光りしてきた日本の文化(特に科学・技術)

2015-12-26 11:06:47 | 文化(音楽、絵画、映画)

 

 政治や経済では最悪の年であったと書いたが、文化の面では底光りするような力を見せてきたのではないか。特に科学・技術面では、過去の蓄積がようやく花開いてきたような感じを受けている。

 はやぶさ2号の打ち上げには、1号の活躍があっただけに大いに期待しているが、驚いたのはあかつきという金星探査機だ。5年前に打ち上げられ軌道に乗ることに失敗して忘れられた存在であったが、事実、既に耐用年数を過ぎているというのに、5年を経て改めて金星の軌道に乗ることに成功した。
 報道などによれば、この5年間、執拗に成功の道を追い求め1万回に及ぶ実験を繰り返しながら、別の目的で積んでいた補助エンジンを活用して成功したというのだから、その技術力もさることながら執念深さに驚く。技術力、根性ともどもノーベル賞ものではないか?
 ノーベル賞といえば、はやぶさ、あかつきが夢を追う宇宙の彼方から降ってくるニュートリノと、こちらは正反対に身近な土壌、ゴルフ場の土の中から採取した微生物にノーベル賞が光を与えてくれた。一方は宇宙の謎を解き明かし、一方は何億人という人々の命を救った。両先生(大村智、梶田隆章両氏)の素敵な人柄ともども、いくら称えても称えきれない。
 宇宙技術とともに日本人宇宙飛行士もたくさん生まれている。みんな立派な方々だ。近年のノーベル賞受賞者の急激な増加ともども、戦後一貫して地道に努力を積み重ねてきた成果が、今花開いてきたのあろう。 これらの分野では、日本はいよいよ地力を発揮していく時代を迎えたといえよう。

 身近なところでは、娘が主宰するオペラ創作集団ミャゴラトーリが、今年は四つのオペラを公演した。「小劇場演劇的オペラ」と「日本語セリフでつなぐ原語公演」という新しいジャンルを追求しつつ頑張っている。75歳になるワイフが属する合唱団「レジーナ11」は、4年ぶりの演奏会を開いた。30年の歴史を持つ合唱団だ。いずれも、継続することの意義を感じている。
 すべて来年もそれぞれの道を追求していくことだろう。

        
          三陸海岸北山崎の日の出(2010年9月10日撮影)


投票ボタン

blogram投票ボタン