不穏な情勢は内外の政治情勢だけではない。経済も大荒れと言っていいだろう。
先ずは株の暴落……。年初来昨日までで、6日連続下落である。下落幅も1814円、2万円を伺うどころか、17,218円と1万7千円を割りそうな状態だ。6年連続の下落というのは、戦後1949年に東京証券取引所が再開して以来はじめての出来事だという。今日は500円近くの反騰を見せているようだが、年初早々この有様では、日本経済も戦後最悪の状態を迎えつつあるのではないか?
政府筋は、日本経済はファンダメンタル面で悪くない、中国や原油安など外的要因によるものだと言っているが、いずれも早くからわかっていることであり、そのような外的要因で6日間も堪え得ない状態が続くとすれば、日本経済もかなり問題点を内包していると言えよう。
中国バブルの崩壊はいよいよ迫ってきたように思える。本格的な崩壊を迎えた際は、世界経済はどのような影響を受けて、どの程度の規模の世界不況を招くのだろうか? 本年以降世界が抱える最大の爆弾ではないか?
それにしても日本の株価を2万円まで持っていった中味には、極めて不安なものが多い。アベノミクスなるものに呼応して、黒田日銀の異次元緩和によるじゃぶじゃぶ資金提供がその最たるものだ。国債を日銀が買い込むという禁じ手破りをはじめ、国民の最後の頼りであるはずの年金資金までつぎ込んでの株つり上げだ。
それらに目をつけて、世界のファンドが禿鷹のように利ザヤを狙って日本株に目をつけているのだろうが、それらのファンドは危ないと思えば一斉に手を引くので、そのような要素による株高など実に不安定だ。ミニバブルと言われるゆえんだ。先の見えない日銀の出口戦略や、つぎ込まれた年金資金のことなどを思うと、先行きは不安だらけだ。
安倍は、長期的なことなど考えもしないで突き進むのであろうが、日銀総裁なる者がそれに悪乗りするなどは言語道断で、日本はどうなっているのだろうかと思う。年初の日本は不穏どころではないのではないか?
気がつけば庭の紅梅は咲き誇っていた(1月12日撮影)