旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

更け行く秋

2008-11-15 17:40:56 | 

 

  11月も半ばを過ぎた。めっきり寒くなったと思ったら、暦の上では冬のただ中に差しかかっているのだ。
 24節気も、あと残す節気は三つしかない。今月22日の小雪、127日の大雪、それと21日の冬至である。正に冬そのものの節気が続き、年が明ければ小寒、大寒を経て立春に向かう。クリスマスとかお正月とか言っていれば、瞬く間に春を迎えるであろう。

 今年の締めくくりに、リビングルームの模様替えをやった。これまで十数年使ってきた特大の食器棚を処分して、瀟洒(しょうしゃ)で小柄なもの(従来の3分の1)に代え、買い替えを検討しているプラズマテレビなどを考慮して、テレビの位置も変えた。まあ、たいしたこともないが、それなりに気分は変わる。
 私も働き盛り、子供も育ち盛りの時代は人の出入りも激しく、10人を超える客が夜を徹して飲むことなどが多かったが、今や、ほとんど客を呼ぶこともなくなって、大型食器戸棚はその歴史的使命を終えたのだ。それと同時に、その中に入っていた膨大な量の食器を処分した。
 その食器の中には、当然のことながら私の酒器もある。今回の処分で、100個以上のぐい飲みや銚子類を処分した。もちろん、未だ何百という酒器が残っているが・・・。
 一つひとつ手にとって、保存するものと処分するものに振り分ける・・・、値段の多寡や格好の好悪に関係なく、すべての酒器に思い出が宿る。処分する方に振り分けたぐい飲みを、もう一度取り出して唇に当ててみたりしながら、思い切って捨てていく。
 人生は、こうして終わりに近づいていくのか・・・、などと思いながら。

 整理している酒器の中から、懐かしい「お燗器」を見つけ出し、久しぶりにその器を使い燗酒を飲む。窓外に目をやると、小さい庭をおおうはなみずきの紅葉が、今日もきれいでした。
                      

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