酒の肴となると、刺身をはじめとする魚介類から季節の野菜、山菜類、はては鍋物に至るまで多岐にわたるが、通常は手短にある好物で済ます。
昨夜も、『奥の松特別純米酒』を傾けながら、前に並べた三つの皿を次々とつついていた。見ると右から、チーズ、冷奴(豆腐)、納豆と並んでいる。いずれも私の好物だ。冷蔵庫を開けるとこのいずれかは入っているので、酒の肴に困ることはなく、しかも酒(日本酒)とのマッチングは最高だ。
しばらく飲んでいてハッと気が付いた。これらはみな同じものではないか? 豆腐とチーズは、片や植物性(大豆)、片や動物性(牛乳)の違いでたんぱく質のかたまりと聞いている。納豆に至っては発酵食品とはいえ豆腐の原料たる大豆の原型だ。みな同じものではないか?
発酵食品と言えば飲んでる酒はコメの発酵物だ。晩酌を終えてお義理に少量の米メシを口にしたが、これは今まで飲んでいた日本酒の原型だ。何が何だか分からなくなってきた。
このことを妻に尋ねると、「何を馬鹿なことを言っているの。豆腐とチーズは植物性、動物性で立派に別物よ。納豆は野菜、豆腐はたんぱく食品。別物よ。それよりも私の作ったサラダと、豚肉と野菜の煮物をもっと食べなさい」と一蹴された。
見ると「野菜サラダ」と「煮物」が添えられあり、ほんの一箸つけただけで大量に残されている。その罪悪感に苛まれて、何も反論しなかったが、そのあと風呂の中でも寝床についても、「俺は同じものばかり食っているのではないか、これで生きて行けるのか?」という思いが消えず、どうもすっきりしなかった。
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