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<沖縄集団自決>防衛研が「命令なし」の見解 公開資料に [ 01月13日 02時34分 ] 毎日新聞
防衛省の防衛研究所(東京都目黒区)が、第二次大戦時の沖縄・集団自決に関する資料に「集団自決は戦隊長命令でなかったことが証明されている」とする見解を付けていたことが分かった。資料は図書館で一般公開されており、専門家は「自決命令については事実が確定しておらず、読む者に予断を与える」と強く反発。同研究所は「不適切だった。削除したい」としているが、国の機関が一方的な見解を示していたことは、波紋を広げそうだ。
見解が付けられていたのは「集団自決の渡嘉敷(とかしき)戦(現地参戦者手記)」と「座間味(ざまみ)住民の集団自決(同)」。資料では、渡嘉敷島では海上挺進(ていしん)隊第3戦隊長だった故赤松嘉次さん、座間味島では同第1戦隊長だった梅沢裕さんが「集団自決を命令した」と書かれている。
見解はこれを強く否定し「『日本軍側の旧悪を暴く』という風潮の中で事実とは全く異なるものが、あたかも真実であるがごとく書かれたものである」と指摘。さらに「宮城晴海著『母の遺したもの』(高文研2000・12)等から赤松大尉、梅沢大尉の自決に関する命令が出されていないことが証明されている」(原文のまま、正しくは「宮城晴美」)とし、「防衛研究所戦史部」と書かれている。作成日の記載はない。
同研究所図書館史料室の広瀬琢磨室長は「記載からみて、00年12月以降に添付されたと思われるが、経緯、日付とも不明」としたうえで「研究所戦史部は、資料保存のための価値判断が業務。事実関係の評価は不適切であり、削除したい。今後、資料のチェック体制も強化したい」と話している。
同研究所は、安全保障、戦史に関する調査研究などを実施する機関。図書館では開架式で誰でも利用でき、戦史関連資料約15万冊を一般公開している。【三木幸治】
◇政治的意図感じる
▽沖縄戦に詳しい林博史・関東学院大教授(戦争論、平和学)の話 戦隊長が自決命令を出したかどうかは、住民の証言が分かれており、事実は確定していない。国の機関が一般公開している資料に一方的な見解を添付するのは異常で、大きな問題だ。政治的意図すら感じる。
◇慎重さに欠ける
▽現代史家の秦郁彦さん(日本近現代史)の話 「戦隊長が命令を出していない」という内容は正しいと思うが、一般公開する資料に添付するには表現が強く、防衛研は慎重さに欠ける。また、記述者の名前も書くべきだった。削除されれば問題はないと思う。
◇国の機関としての業務を大きく逸脱
防衛省の防衛研究所が、第二次大戦下の沖縄・集団自決に関する資料に「戦隊長命令ではなかった」とする見解を付けて図書館で一般公開していた行為は、国の機関としての業務を大きく逸脱したものだ。史実が確定していない段階で一方的な意見を押しつけた形であり、防衛研は猛省を迫られるだろう。
米軍は1945年3月下旬、慶良間(けらま)列島に上陸。沖縄県の資料などによると、渡嘉敷(とかしき)島で329人、座間味(ざまみ)島で171人の住民が集団自決をした。
沖縄女性史家の宮城晴美さんは著書「母の遺したもの」で、母親が座間味島で「村の助役が集団自決を申し出るのを目撃した」とする証言を載せた。防衛研はこれを「見解」の根拠の一つとしているが、事実かどうかにはなお議論がある。
05年8月に座間味島の戦隊長、梅沢裕さんらが「自決を命令したと書かれ名誉を傷つけられた」として、岩波書店と「沖縄ノート」の著者、大江健三郎さんを提訴。一方、06年度の教科書検定で、文部科学省が「集団自決は旧日本軍の強制」との記述を削除するよう検定意見を付けたことに批判が高まり、昨年12月に「軍が集団自決へ関与した」との記述を認めた経緯もある。
こうした中で「見解」を付けた防衛研の問題としては(1)「命令」について新たな証拠も提示せず、偏った意見を付けた(2)資料を幅広く提供する公共の図書館で解釈を押しつけた(3)見解を添付した後に資料のチェックをしていなかった――などが挙げられる。
防衛研はこれまで、旧日本軍に関する戦史資料を幅広く集め、図書館で公開してきた。利用者に予断を持たせないという当たり前の視点を、今一度確認する必要がある。【三木幸治】
◇
防衛研といえば歴史の中でも戦史に特定した資料を集め戦史を研究する専門機関。
見解を書いた研究者も戦史の専門家であり、趣味で自分の意見を書いたのではなかろう。
学者の仮面を被ったどこかの大学の政治アジテーターよりも沖縄戦に関しては専門家だと思うのだが、
毎日新聞が「国の機関が一方的な見解を示していたことは、波紋を広げそうだ」と「一方的見解」と断定し、大騒ぎすることがおかしい。
>秦郁彦さん(日本近現代史)の話 「戦隊長が命令を出していない」という内容は正しいと思うが、一般公開する資料に添付するには表現が強く、防衛研は慎重さに欠ける
毎日記者の大騒ぎに乗せられたのか、「軍命なし派」の秦氏も可笑しなことを仰る。
「戦隊長が命令を出していない」という内容は正しいと思う」のなら、公開して当然ではないのか。
「軍命あり派」の学者達が意義を唱えて大騒ぎするのは「想定内」だとしても、次の林国学院大学教授の話には思わず、
「語るに落ちたぞ!」と呟いてしまった。
>林博史・関東学院大教授(戦争論、平和学)の話 戦隊長が自決命令を出したかどうかは、住民の証言が分かれており、事実は確定していない。
百歩譲って、上記林教授の意見を認めたとしても、
「事実は確定していない」、
そうなんでしょう?
だったら、教科書には事実が確定している「集団自決が起きたこと」は記載しても、事実が確定していない「軍命、或いは軍の強制の有無」には避けて記述するのが理にかなうのでは・・・。
どう考えたって、防衛研の資料には「事実が確定していないこと」は記述できなくて、
その一方教科書には「事実が確定していないこと」を記述せよと主張するのは、ダブルススタンダードでしょう。
「強制あり派」の理論的リーダーともいえる林教授が、
「語るに落ちてしまった」のは、戦史研究の専門家集団に自分の意見が真っ向から否定されて、すっかり動揺してしまったのでしょう。
一旦全国紙の記事になったからには、
林教授も、今更削除なんてしないで、むしろ「公開討論」のたたき台にするよう要求して欲しい。
*
これは毎日の特ダネだったのか、
琉球新報は今朝の朝刊で1面トップと、社会面で大きくフォロー記事を掲載している。
例によって大見出しを紹介する。(沖縄の新聞は更新が遅く、まだアップされていない)
一面トップ
防衛研「命令なし」
「集団自決」資料に見解添付
防衛省の機関 「不適切」と削除
研究者「特定解釈に政治的意図」
社会面
「極めて一方的だ」
「集団自決」研究者から批判の声
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