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「対話と圧力」・・・対北朝鮮政策に何度この言葉が使われてきたことか。
「相手の嫌がることはしない」という脳テンキな首相は論外としても「対話と圧力」ほど北朝鮮に不向きな政策はない。
何しろ自国民を飢えさせながら核実験には莫大な金を使う国だ。
「戦争と平和」が必ずしも外交の対極ではなく、圧倒的優勢な武力により戦争を和平(pacify)した状態を平和というなら、平和も戦争も同じ外交政策の線上にあるとも定義できる。
「衣の下の鎧」とは日本では否定的な意味で使用されるが、
外交交渉では「対話」も衣の下に隠した「圧力」なしにはその有効性を発揮できない。 つまり程度の差こそあれ、圧力をなくした対話は、実りのない「外交辞令」の応酬に終わってしまう。
「対話と圧力」も相手によって各々の比率を変えねば効果はない。
現在の北朝鮮には「対話と圧力」ではなく「圧力と制裁」しかない。
この期に及んで「対話が足りない」とか「制裁しても効果がない」として圧力や制裁に躊躇する人は、こう言うのだろうか。
「そっちが核実験するなら、こっちは対話するぞ!」とか。(笑)
⇒【北朝鮮情勢】 「北とまともに交渉できるのか」被爆・拉致関係者が非難 (5月25日 14:38)
麻生首相発言要旨=北核実験
麻生太郎首相が25日、北朝鮮の核実験を受け、記者団に語った内容の要旨は次の通り。
-受け止めは。
北朝鮮が核実験を実施したと発表した。核不拡散体制に対する重大な挑戦だ。国連安全保障理事会決議に明確に違反している。断じて容認できない。国際社会が一致して対応しなければならない大事な局面だ。
先ほど、李明博韓国大統領とも電話で会談した。今後、日米韓で緊密に連絡して毅然(きぜん)と対応しなければならない。
-安保理緊急会合で追加制裁の決議を求めるか。
今回の核実験は、この前行われた安保理決議への明確な違反だ。従って決議を求めていくのは当然だ。
-日本独自の制裁は。
核実験を実施したときちんと確認した上で、どのように対応していくか検討していく。
-わが国の安全に重大な影響を与える周辺事態に認定するか。
今の状況は、極めて地域の緊張感を高める事態だと思っているが、直ちに周辺事態法を適用すべきものとは考えていない。
-核実験を国際社会はなぜ止められないか。
わたしが答えられる限界を超えている。(2009/05/25-18:09)
◇
最終的に自国を護るのは自国であり、他国任せには出来ない。
となると「非核三原則」なるお題目が屁のツッパリにもならないことが分かる。
「持ち込まず」と叫んでみたとて、相手が撃ち込んでくる核の脅威には屁のツッパリの役目も果たせないというのだ。
同盟国と協調するの当然だが、米国は、北朝鮮が米国や中国、ロシアのように長距離ミサイルに搭載可能な核兵器を生産するまでには、依然「何年もかかる」と予想している。
従って北の核は現下の危機とは捉えていないし、日本ほどの深刻さはない。
ヨーロッパ諸国にとっては所詮は対岸の火事であり、中東紛争の方が自分の庭で起きた火事の脅威を感じている。
同じアナの狢の中国とロシアが安保理制裁決議に賛成するかどうか、そしてどのような種類の制裁決議をするのか・・・注目の的である。
対話を信じる「プロ市民」の方々も、怒っているようだが拳を天に突き上げて怒るだけでは核は止められない。
さて、国連が全会一致で北への制裁決議をしたとしよう。
それでも北が強行したらどうなる?
制裁しても陰で中国とロシアが援助する、いつものパターンになれば制裁決議もただの紙切れ。
結果的には北の核実験強行が国連第一主義のインチキ性が暴露したことになる。
その意味では将軍様が、戦勝国だけの会員制クラブ・国連の本質を炙り出した、という皮肉な結果にならぬよう祈るしかない。
テレビコメンテーターたちが北朝鮮の核実験に対し口を揃えて「絶対許せない!」と叫んでいるが、それでも実験強行したらどうするつもりだろう。
麻生首相がここで断固たる制裁を実行すれば、支持率は上がる!
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関連記事:
短距離ミサイルも発射か 北朝鮮、舞水端里から (5月25日 14:41)
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