【東京】沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松氏は14日、自民党の総裁選候補者に対し、名護市辺野古の新基地建設を巡る本島南部地域からの土砂採取計画への対応を問う公開質問状を近く提出する考えを示した。国会内での集会で明らかにした。(26面に関連)

 具志堅氏は糸満市の遺骨収集後の現場から持ってきたという土砂を前に「遺骨収集を完全に終わらせることは無理だ」と主張。収容しきれない小さな骨が残っているとし「遺骨収集した場所は、戦没者に対する慰霊と平和を考える場所になってほしい」と訴えた。

 具志堅氏や宗教団体は、戦没者の遺骨が含まれる可能性のある土砂を基地建設に使うことを批判。「戦没者の尊厳が損なわれようとしている」などとして計画の撤回を迫った。

 防衛省担当者は「土砂の調達先は工事の実施段階で決まり、現時点で確定していない」と説明。「遺骨の問題は大変重要との認識を持っており、調達先はしっかり検討していきたい」と述べるにとどめた。

 複数の宗教団体が連名で呼び掛けた計画撤回を求める共同声明も政府に提出。13日現在で約3万3千人が賛同した。

(写図説明)土砂に混じった遺骨について説明する具志堅隆松氏=14日、国会内