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いま石垣市議会と沖縄県議会で「官製談合」を巡る、二件の疑惑が審議されている。
県議会の場合、自民党等与党が官製談合疑惑の張本人・玉城デニー知事を100条委員会に召喚の可決要請を上程したが、デニー知事を擁護する与党多数で否決された。
このまま官製談合疑惑を有耶無耶にできないので、筆者ら計4人の県民が原告となってデニー知事を相手に「デニーりま官製談合訴訟」を提訴したのは周知の通りである。
似たような疑惑でありながら石垣市が沖縄県議会と異なるのは、与党である砥板芳行市議が、中山市長を市議会で厳しく追及した点である。
結局、新庁舎の契約変更は同意され、同庁舎の引き渡しは可決されたが、同時に100条委員会の実施も可決された。
■窮地に立つ中山市政
当時者の中山義隆石垣市長は「適正に業務をしてきた自負がある。ただ調査には協力する」などと100条委に協力すると発言しているが、「文書偽造や印紙税の脱税等」の疑惑も浮上しており、法的強制力のある百条委の追及で窮地に立たされること必至である。
新庁舎、引き渡されない可能性 石垣市議会 契約変更再び不同意 供用開始スケジュール影響か
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石垣市議会(平良秀之議長)の臨時会が27日開かれ、建設中の新庁舎の工事請負契約金額を49億9730万円から59億3299万円に増額する契約変更を18日の臨時会に続き、賛成少数で再び不同意とした。新庁舎の工期は今月末に迫っているが、完成しても市が引き渡しを受けられない異例の事態になる可能性が高まった。
新庁舎建設工事は8月末で終了するが、市は工期を延長し、9月議会に契約変更を再々提案する方向で検討する。
建物の引き渡しを受ければ、9月に新庁舎への引っ越しを開始し、11月に供用開始する予定だった。中山義隆市長は議会閉会後の取材に「議会の理解が得られなかったのは残念」とした上で「供用開始のスケジュールに影響が出ないよう業者と調整したい」と述べた。
この日、市議会では総務財政委員会(砥板芳行委員長)が午前10時過ぎから契約変更を審議した。
市は総事業費を約108億円と説明している。野党の宮良操氏は、議会に詳細な説明がないまま清算段階で事業費が高騰したと指摘、「市民からすると、議会のチェック機能は働いていたのかということになる。不同意にして、定例会で十分に議論すべきだ」と述べた。
長浜信夫氏は「これだけの大型事業は石垣市で初めて。議会も慎重に向き合わなくてはならない」と再審議を求め、与党の石垣亨氏も「議会軽視が市のトップや幹部の認識にチラチラ見えている」と批判した。
市契約管財課の野崎雅治課長は「意見を受け止め、今後改善に努めたい」と応じた。
一方、与党の米盛初恵氏は「契約金額はもう確定しているので、これ以上同意を引き延ばしても意味がない。債務不履行になると損害賠償で市が余計な費用を支払うことになる」と危惧した。
採決では3対4の賛成少数で不同意とした。野党のほか、与党から石垣亨氏が反対に回った。
本会議での採決は午後5時過ぎに行われ、野党8人のほか、与党から石垣亨氏、仲間均氏が契約変更に反対した。中立会派未来の箕底洋一氏は欠席。賛成9、反対10になった。
採決に先立ち、宮良氏が反対討論し「説明が不十分だ」などと改めて市の姿勢を疑問視。与党の我喜屋隆次氏は「(新庁舎が)政争の具にされていないか」、長山家康氏は「法的問題がないなら賛成すべきだ」と主張した。
契約金額の変更は設計変更、当初の工期延長に伴う諸経費の増額、島外作業員の渡航費清算などが原因。18日の臨時会では、市の説明が不十分として不同意になっていた。
新庁舎建設で百条委 石垣市議会 野党提案、賛成多数 契約変更議案は同意
石垣市議会(平良秀之議長)の最終本会議が21日開かれ、新庁舎建設工事請負契約に関し、地方自治法百条に基づく調査特別委員会設置を賛成多数で可決した。今議会では新庁舎建設の在り方を巡り与野党から批判が続出しており、特別委の設置には与党からも賛成者が出た。建設工事請負契約金額を約9億円3千万円増の59億3299万円に変更する議案には、賛成多数で同意した 特別委設置は野党の花谷史郎氏が提案し、採決では野党8人、中立会派未来の2人、与党の砥板芳行氏の11人が賛成し、砥板氏を除く与党の9人が反対した。
砥板氏は「今後、市が大きな事業を行う上で課題を残しており、このようなことがないよう、もう少し調査する必要がある」と述べた。
地方自治法百条に基づく特別委には強力な調査権が付与される。与野党の委員8人で構成し、委員長に花谷氏、副委員長に与党の友寄永三氏が選任された。
新庁舎工事請負契約金額を変更する議案の採決では、与党と中立会派未来の12人が賛成、野党8人が反対した。
反対討論した野党の内原英聡氏は、新庁舎屋根の赤瓦が愛知県産になったことに触れ「(県内の)生産者への敬意が感じられず、市民を愚弄している。会計監査院の監査対象になることも考えられるが、監査に耐えられるのか」と批判。
野党の花谷史郎氏は、市が契約変更の仮契約書と位置付けている変更協議書に収入印紙が貼られておらず、有効な契約書とは認められないと主張した。「文書偽造や印紙税の脱税、不正工事となりかねない」と述べ、事業者と新たに契約を結ぶか、事業者からの損害賠償請求を待って建設費の増額分を支払うべきだとした。
与党の仲間均氏は「新庁舎建設事業は検証する必要があるが、これ以上、契約変更を延滞することは市の公共性、信頼性を著しく損なう。苦渋の選択で賛成する」と述べた。 新庁舎建設工事請負契約金額は、設計の一部変更や島外作業員の渡航費計上などに伴い当初契約より増額された。このため市は契約金額を変更する議案を8月の臨時議会に提案したが2度否決され、今回が3回目の提案だった。 市議会はこの日、市提案のその他の議案をすべて可決し、閉会した。