ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

イランで拉致

2007-10-14 08:06:32 | 時事(海外)

イランを旅行中の大学生が誘拐された。

彼はネパールでボランティアの後、インド、パキスタンを通り
イランに入り、バム遺跡に至る手前で誘拐されたらしい。
おそらく彼はこのままイランを旅行してトルコへ抜けるつもりで
あったのであろう。

彼の誘拐されたこの地は、1979年にソビエトのアフガニスタン侵攻以後、
事実上アフガニスタンが通れなくなってからの、アジア横断の最も
メジャーなルートとなっている。そのため昔から数多くの旅行者が
西から東、東から西へと、この地を通過している。

今年の7月か8月には、この地でベルギー人が誘拐され、最近はずいぶんと
物騒になったようである。このところ旅をしていないので、詳しいことは
わからないが、私がこの辺りを旅した90年代半ばは、この辺が物騒だとの
話は聞いたことがなかった。その後も90年代後半なってイランから少し
入ったパキスタン側で核実験が行われ、このルートを通ると「軽く被曝する」
などと冗談を聞いたくらいである。

この大学生を誘拐したのは、この辺りを拠点とする麻薬密売組織だそうで、
すでに捕まっている組織の、お偉いさんの息子の釈放が解放の条件だという。

日本でのイラン人へのイメージは、古くは偽造テレカ売りにはじまり
現在は麻薬売りと、すでに地に落ちている感じがするが、イランでの
イラン人はとにかくもてなし好きで、度が過ぎるくらい親切であった
というのが私の印象である。反面、イスラムの戒律は厳しく、宗教警察
もいてイランの風紀を乱すようなことがあればすぐに捕まる国だと、
自分の体験を通じて思っていた。

ちなみに私は25日間の滞在で3回捕まった。別に風紀を乱した自覚は
ない。一度は昔あった旧アメリカ大使館跡の写真を撮っていた時である。
この時は手錠までかけられて連行された。この国ではある意味、これは
自業自得であった。2度目は半ズボンで歩いていて捕まった。これも反省
すべき点はある。3度目は職務質問で捕まった。たまたまパスポートを
ビザ取得の為、他の国の大使館に申請中でコピーも持ち合わせておらず
やはり手錠をかけられ、その場で連行された。これも自己責任か?

その後、イランを旅した人に話を聞くと、他の人はほとんどこのような
事は無く、私はただ単に運が悪いようでもあったようだ。
同じ場所を訪れても、人によって印象は随分異なるものである。
実際、偏見というのは、こうやって生まれるのかもしれない。

いずれにしても、このような事件が起こると、イランへのイメージが
悪くなるのはある意味、仕方のないことではある。本来は周辺の国々
と比べても治安は良く、とても歴史のある魅力的な国なのにちょっと
残念である。

とにもかくにも、この大学生の1日も早い、無事解放を祈るばかりである。



コメント