ミャンマーで総選挙。
おそらくスー・チーさん率いる、国民民主連盟(NLD)が圧勝すると言われている。
では、このままNLDが圧勝するとスー・チーさんが大統領になれるのかというと、
話はそう簡単ではない。
軍事政権が大統領になれる資格としていくつかの条件を設定している。そのひとつ
に子供がイギリス国籍であるスー・チーさんの場合、現在の法の下では大統領にな
る資格は得られないことになっている。
そもそも法を半ば無視した軍事政権に、法がどうのこうのという資格はないような
気もするのだが、このスー・チーさんを狙い撃ちしてできたと言われる法の下では
現状、なれないことになっている。
本人曰く、「もし、NLDが政権を担うことになった場合、私は大統領を超える存在に
なる…」などと公言しているけれど、実際に、そんなことをして軍が黙っているのか
という心配もある。いや、そのまえに、25年前と同じように、そもそも選挙の結果を
受け入れないのではないのか、という問題も若干ある。
4年前に突如、開放路線に転じたミャンマーは周囲の想像を遥かに上回る速さで民主
化してきた。それを踏まえると、今回は、間違いなく選挙の結果を受け入れる可能性
が高いのでは思っている。もっとも、選挙には軍人枠などという、この国ならではの
システムがあり、本来の民主主義の選挙というのとは大きく異なるけれど、つい、数
年前までの姿からすれば、今や隔世の感すらある。
今からちょうど20年前、ヤンゴンの自宅軟禁中に自宅を囲む塀の中からの演説を聞き
に行ったことがある。彼女は当時50歳、髪に大きな花を挿して、いかにも良家の出身
らしい品の良さが印象的だった。けれど、その後、彼女に関するいくつもの本を読
むと、かなり偏屈で頑固でちょっと変わり者、といった人物像だということが分かっ
た。
あれから20年、今はもう70歳だ。
残された時間は多くない。彼女に何ができるのかまったくの未知数で、案外、期待
はずれに終わる可能性もある。実際のところ、彼女がいようがいまいが、ミャンマー
は変わったし、これからも変わっていくだろう。
今や外国人にもミャンマーからインドへの道も開かれたようで、時間があればバンコク
からインドのインパールまでぜひ、ミャンマーを横断してみたい。そのうちあっという
間に西に向かうメジャールートになってしまうのかもしれないけれど、いつか、必ず、
ここだけは行きたいと思っている。
今後の推移を見守りたい。
CENTER>
おそらくスー・チーさん率いる、国民民主連盟(NLD)が圧勝すると言われている。
では、このままNLDが圧勝するとスー・チーさんが大統領になれるのかというと、
話はそう簡単ではない。
軍事政権が大統領になれる資格としていくつかの条件を設定している。そのひとつ
に子供がイギリス国籍であるスー・チーさんの場合、現在の法の下では大統領にな
る資格は得られないことになっている。
そもそも法を半ば無視した軍事政権に、法がどうのこうのという資格はないような
気もするのだが、このスー・チーさんを狙い撃ちしてできたと言われる法の下では
現状、なれないことになっている。
本人曰く、「もし、NLDが政権を担うことになった場合、私は大統領を超える存在に
なる…」などと公言しているけれど、実際に、そんなことをして軍が黙っているのか
という心配もある。いや、そのまえに、25年前と同じように、そもそも選挙の結果を
受け入れないのではないのか、という問題も若干ある。
4年前に突如、開放路線に転じたミャンマーは周囲の想像を遥かに上回る速さで民主
化してきた。それを踏まえると、今回は、間違いなく選挙の結果を受け入れる可能性
が高いのでは思っている。もっとも、選挙には軍人枠などという、この国ならではの
システムがあり、本来の民主主義の選挙というのとは大きく異なるけれど、つい、数
年前までの姿からすれば、今や隔世の感すらある。
今からちょうど20年前、ヤンゴンの自宅軟禁中に自宅を囲む塀の中からの演説を聞き
に行ったことがある。彼女は当時50歳、髪に大きな花を挿して、いかにも良家の出身
らしい品の良さが印象的だった。けれど、その後、彼女に関するいくつもの本を読
むと、かなり偏屈で頑固でちょっと変わり者、といった人物像だということが分かっ
た。
あれから20年、今はもう70歳だ。
残された時間は多くない。彼女に何ができるのかまったくの未知数で、案外、期待
はずれに終わる可能性もある。実際のところ、彼女がいようがいまいが、ミャンマー
は変わったし、これからも変わっていくだろう。
今や外国人にもミャンマーからインドへの道も開かれたようで、時間があればバンコク
からインドのインパールまでぜひ、ミャンマーを横断してみたい。そのうちあっという
間に西に向かうメジャールートになってしまうのかもしれないけれど、いつか、必ず、
ここだけは行きたいと思っている。
今後の推移を見守りたい。
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