マイナーな問題ですが、宅建試験でも最近出ていますね。
一通り押えておきましょう。
・・・・・
問28 不当利得に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.所有者から寄託された動産を受寄者が売却し,買主に即時取得が成立した場合,買主は,寄託者に対し,不当利得返還義務を負わない。
イ.第三者からだまし取った金銭を用いて債務が弁済された場合において,第三者からだまし取った金銭を用いて債務者が弁済をしたことを知らなかったことについて債権者に過失があるときは,債権者は,当該第三者に対して不当利得返還義務を負う。
ウ.過失により弁済期が到来したものと誤信をして,弁済期が到来する前に債務の弁済としての給付を行った者は,弁済期が到来するまでは,その給付したものの返還を求めることができる。
エ.債務者が債権の受領権限がない者に対し弁済をした場合において,真の債権者がその受領者に対して不当利得返還請求をしたときは,その受領者は,弁済をした債務者に過失があったことを主張して,請求を拒絶することができる。
オ.自らを債務者であると誤信して他人の債務を弁済した者は,債権者が善意でその債権を消滅時効により消滅させてしまった場合,債権者に対し弁済金の返還請求をすることができない。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ
・・・・・
肢アは、○です。
即時取得が成立していますから、買主はなんらやましいことはありませんね。
不当利得返還請求では、法律上の原因のない利得が要件ですが、買主は192条によりきちんと所有権を得ているのですから、買主の利得は法律上の原因のあるものであり、不当利得責任は生じません。
正解は、肢1か2です。
肢イは、×ですね。
債権者が債務者から編取金を受領するにつき悪意または重大な過失がある場合に限って、債権者の金銭の取得が被編取者に対する関係において法律上の原因がなく不当利得になると判例はいっています。
これはどういう意味かわかりますか。本来金銭には、匿名性があるのですから、盗んだかどうかはもらう方としては、本来関係ないはずです。
しかし、もし物であれば、盗んだもので弁済しても、弁済したことにならないと思うでしょう。即時取得があれば別ですが・・・。
そこで、盗んだお金でも、悪意または重大な過失がある場合には、許せんということなのです。利益衡量ですね。
本肢は、債権者に重過失かどうかわからないのに不当利得返還義務を負うとしているので、×です。
肢ウは、×です。
もともと債務があるですから、返還はできないでしょう。
ただし、「債務者は、弁済期にない債務の弁済として給付をしたときは、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、債務者が錯誤によってその給付をしたときは、債権者は、これによって得た利益を返還しなければならない。」(706)としているのです。
肢2が正解となります。
肢エは、×です。
受領者の主張は、弁済者に過失があるため478条の適用はなく、債務が弁済されていないので、真の債権者は依然として債務者に対して債権を有しているため損失がないではないか、だから受領者は不当利得返還義務を負わない、という屁理屈です。
どうですか、判例は、このような受領者の主張を信義則に反して許されないものとしました。
肢オは、○です。
債務者でない者が錯誤によって債務の弁済をした場合、弁済者は、原則として債権者に対して返還請求できますが、弁済を受けた債権者が善意で証書を滅失させ若しくは損傷し、担保を放棄し、又は時効によってその債権を失ったとき」(707)は返還請求できません。
では、また。
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一通り押えておきましょう。
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問28 不当利得に関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。
ア.所有者から寄託された動産を受寄者が売却し,買主に即時取得が成立した場合,買主は,寄託者に対し,不当利得返還義務を負わない。
イ.第三者からだまし取った金銭を用いて債務が弁済された場合において,第三者からだまし取った金銭を用いて債務者が弁済をしたことを知らなかったことについて債権者に過失があるときは,債権者は,当該第三者に対して不当利得返還義務を負う。
ウ.過失により弁済期が到来したものと誤信をして,弁済期が到来する前に債務の弁済としての給付を行った者は,弁済期が到来するまでは,その給付したものの返還を求めることができる。
エ.債務者が債権の受領権限がない者に対し弁済をした場合において,真の債権者がその受領者に対して不当利得返還請求をしたときは,その受領者は,弁済をした債務者に過失があったことを主張して,請求を拒絶することができる。
オ.自らを債務者であると誤信して他人の債務を弁済した者は,債権者が善意でその債権を消滅時効により消滅させてしまった場合,債権者に対し弁済金の返還請求をすることができない。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ
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肢アは、○です。
即時取得が成立していますから、買主はなんらやましいことはありませんね。
不当利得返還請求では、法律上の原因のない利得が要件ですが、買主は192条によりきちんと所有権を得ているのですから、買主の利得は法律上の原因のあるものであり、不当利得責任は生じません。
正解は、肢1か2です。
肢イは、×ですね。
債権者が債務者から編取金を受領するにつき悪意または重大な過失がある場合に限って、債権者の金銭の取得が被編取者に対する関係において法律上の原因がなく不当利得になると判例はいっています。
これはどういう意味かわかりますか。本来金銭には、匿名性があるのですから、盗んだかどうかはもらう方としては、本来関係ないはずです。
しかし、もし物であれば、盗んだもので弁済しても、弁済したことにならないと思うでしょう。即時取得があれば別ですが・・・。
そこで、盗んだお金でも、悪意または重大な過失がある場合には、許せんということなのです。利益衡量ですね。
本肢は、債権者に重過失かどうかわからないのに不当利得返還義務を負うとしているので、×です。
肢ウは、×です。
もともと債務があるですから、返還はできないでしょう。
ただし、「債務者は、弁済期にない債務の弁済として給付をしたときは、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、債務者が錯誤によってその給付をしたときは、債権者は、これによって得た利益を返還しなければならない。」(706)としているのです。
肢2が正解となります。
肢エは、×です。
受領者の主張は、弁済者に過失があるため478条の適用はなく、債務が弁済されていないので、真の債権者は依然として債務者に対して債権を有しているため損失がないではないか、だから受領者は不当利得返還義務を負わない、という屁理屈です。
どうですか、判例は、このような受領者の主張を信義則に反して許されないものとしました。
肢オは、○です。
債務者でない者が錯誤によって債務の弁済をした場合、弁済者は、原則として債権者に対して返還請求できますが、弁済を受けた債権者が善意で証書を滅失させ若しくは損傷し、担保を放棄し、又は時効によってその債権を失ったとき」(707)は返還請求できません。
では、また。
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