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公開模試で、出題した問題をまずは解いてみてください。
AがBに対して金銭の支払いを求める場合における次の1から4までの記述のうち、AのBに対する債権が認められる根拠が下記判決文の根拠と同じものはどれか。
(判決文)
契約の一方当事者が、当該契約の締結に先立ち、信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかった場合には、上記一方当事者は、相手方が当該契約を締結したことにより被った損害につき、不法行為による賠償責任を負うことがあるのは格別、当該契約上の債務の不履行による賠償責任を負うことはないというべきである。
1 Aが歩道を歩いていたところ、Bが脇見運転をしていたので、自己の所有する自家用車が歩行者Aを負傷させる交通事故を発生させた。Aが治療費として病院に支払った治療代の支払いをBに対して求める場合。
2 Aは、C所有の甲建物の売却について、その責めに帰すべき事由によって、当該権利を取得してこれを買主Bに移転することが不能となった。これに対して、AがBに対して、転売利益相当額の返還を求める場合。
3 Bは、B所有の乙建物をAに売却し、代金の受領と同時に登記を移転して引渡しも終えていた。しかし、Bは、錯誤を理由に売買契約は無効であるとして、当該建物を返還し、登記を戻すようにAに求めた。これに対し、AがBに対して、代金相当額の返還を求める場合。
4 Bの隣人であるAは、Bの不在の間に台風によってB所有の丙建物の屋根が損傷したため修繕を行った。これに対し、AがBに対して、有益費用代の返還を求める場合。
答えは?
これ非常に正答率はわるいんですよ。
ここで大事なのは、アプローチの仕方なんです。正解は、肢1ですが、どうでしたか。
アプローチ1 判決の内容を把握する
・・これは請求できる根拠は「不法行為」だといっています。債務不履行でないと。
アプローチ2 不法行為から何を思い出す?
・・これがこれまでの蓄積なんですが・・。
「契約がなくても債権が発せいする根拠」「被疑者×加害者の対決構造」(これ相殺のところで出てきますよね)「被疑者保護」「損害の公平な分担」など
まあ、これくらいストックできていれば問題なしでしよう。
で、この問題を解く鍵は、「被害者×加害者」の関係になっているのは、どの肢かですね。
肢1はまさにそれです。
肢2・3・4は、そのような構図になっていませんね。肢3は不当利得、肢4は事務管理という根拠ですね。
以上で、納得して肢1をつけられました。
そんなに難しくないでしょ。でも、出来なんです。困ったものですね。
でも、これで少し民法の勉強が分かってもらえれば、いいでしょうか。
いい問題を解くことで、実力も伸びます。
では、また。
☆ 2012年版うかるぞ宅建直前予想問[模試4回分] もよろしくお願いします。
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AがBに対して金銭の支払いを求める場合における次の1から4までの記述のうち、AのBに対する債権が認められる根拠が下記判決文の根拠と同じものはどれか。
(判決文)
契約の一方当事者が、当該契約の締結に先立ち、信義則上の説明義務に違反して、当該契約を締結するか否かに関する判断に影響を及ぼすべき情報を相手方に提供しなかった場合には、上記一方当事者は、相手方が当該契約を締結したことにより被った損害につき、不法行為による賠償責任を負うことがあるのは格別、当該契約上の債務の不履行による賠償責任を負うことはないというべきである。
1 Aが歩道を歩いていたところ、Bが脇見運転をしていたので、自己の所有する自家用車が歩行者Aを負傷させる交通事故を発生させた。Aが治療費として病院に支払った治療代の支払いをBに対して求める場合。
2 Aは、C所有の甲建物の売却について、その責めに帰すべき事由によって、当該権利を取得してこれを買主Bに移転することが不能となった。これに対して、AがBに対して、転売利益相当額の返還を求める場合。
3 Bは、B所有の乙建物をAに売却し、代金の受領と同時に登記を移転して引渡しも終えていた。しかし、Bは、錯誤を理由に売買契約は無効であるとして、当該建物を返還し、登記を戻すようにAに求めた。これに対し、AがBに対して、代金相当額の返還を求める場合。
4 Bの隣人であるAは、Bの不在の間に台風によってB所有の丙建物の屋根が損傷したため修繕を行った。これに対し、AがBに対して、有益費用代の返還を求める場合。
答えは?
これ非常に正答率はわるいんですよ。
ここで大事なのは、アプローチの仕方なんです。正解は、肢1ですが、どうでしたか。
アプローチ1 判決の内容を把握する
・・これは請求できる根拠は「不法行為」だといっています。債務不履行でないと。
アプローチ2 不法行為から何を思い出す?
・・これがこれまでの蓄積なんですが・・。
「契約がなくても債権が発せいする根拠」「被疑者×加害者の対決構造」(これ相殺のところで出てきますよね)「被疑者保護」「損害の公平な分担」など
まあ、これくらいストックできていれば問題なしでしよう。
で、この問題を解く鍵は、「被害者×加害者」の関係になっているのは、どの肢かですね。
肢1はまさにそれです。
肢2・3・4は、そのような構図になっていませんね。肢3は不当利得、肢4は事務管理という根拠ですね。
以上で、納得して肢1をつけられました。
そんなに難しくないでしょ。でも、出来なんです。困ったものですね。
でも、これで少し民法の勉強が分かってもらえれば、いいでしょうか。
いい問題を解くことで、実力も伸びます。
では、また。
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