副題に「鹿月舎で……」とありますが、どうやら電子書籍の出版元のようです。
文章の書き方関係の書籍を見ていたら目についたので、変わったもの見たさで読んでみました。
内容はエロくないです。
むしろ、謙虚に自説を主張しながら、小説の基礎の基礎を語っている感じです。
特に官能小説を書く人向けということはなく、所々にエロ小説の場合は特に……という箇所があるので、良い息抜きになっています。
親しい友人の小説論を聞いている雰囲気に似ています。
一番、印象に残ったテクは、カメラのズーム機能ですね。
カメラの動きが早いと緊迫感がでるが速すぎると素人っぽくなり、ズームすればマニアックに俯瞰になれば情緒的になりますが、それも速すぎると素人っぽくなるという表現がおもしろく感じました。
よく言われる基本ですが、ズームの部分がさすが官能小説用の解説だと感心したのです。
気軽に読めて気軽に書く気させる(官能小説に限らず、文章全般を)結びかたはうまいなぁと思いました。
小説を書きたいけど、書けないときに読んだりすると肩の力が抜けるかもしれません。