何かと評判が良いジョージ・オーウェルの発読です。
テンポが良くて、読みやすく、風刺が効いていて痛快です。
ある農場で、人間の搾取に溜まりかねた家畜たちが立ち上がり、人間を追い出して自分たちで農場を経営することになりました。
農場の収益は、家畜たちで公平に分配し、人間に採られない分、潤っていくはずでした。
ところが、いろいろと事件が起こったり、思惑や陰謀があり、だんだんおかしな方向へ向かって行きます。
物語が書かれた時代から推測すると、共産主義革命の風刺だと思われます。
最初は資本家を追い出して、労働者で富の分配を企てますが、一部の支配者階級が発展していき、プロバガンダや暴力を使って人民を支配し搾取がはじまります。
そして、最期には、また資本主義に逆戻りとなってしまうのでした。
面白いのは、共産主義国家のことだけではなく、WW2前の欧米から見た日本もそうだったと思うし、現代のSNSの炎上騒ぎなどにも通じるものがあり、結局、人間社会というのは、こういうものなのだと言う風刺になっている点です。
真理というのもの一つの描き方をお手本として示してくれているような本で、一読の価値ありです。