ちゃ~すが・タマ(冷や汗日記)

冷や汗かきかきの挨拶などを順次掲載

重松清『ブルーベリー』光文社を読む

2008年06月11日 14時02分09秒 | 
重松清の『ブルーベリー』(光文社、2008年)を読んだ。
東京にあこがれを持って上京して学生時代を過ごし、いろいろな所で、いろいろな人たちと時を過ごし、そして時が過ぎていった。その人たちの思い出と今が記されている。超短編集。
その中の一つに、「人生で大事なものは(けっこう)ホイチョイに教わった」がある。見栄を張って生きていくナカムラ君の物語。そして、結構気取って年賀状が来てつながっていたが…その年賀状がとぎれる。
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3年前、ナカムラ君にまつわる噂を何度か耳にした。噂をすべて信じるなら、ナカムラ君の一人娘は染色体の異常を持って生まれてきたらしい。心身の発育が他の子どもより遅く、体のどこかにマヒもあり、知能にも障害があるという。なにより、20歳まで生きられる可能性は数十パーセント…。

その子どもは「幸子」と名付けられ、その子とともに歩くナカムラ君夫妻の姿が最後に印象的に描かれている。