春の雪
2006年01月28日 | 本
三島由紀夫の「春の雪」、たいへん良かった。ため息が出るような美しい言葉の世界です。
本作、大正時代初頭の貴族が主人公の悲恋の物語ですね。昨年の映画は見ていないのだけど、原作はずっと読んでみたいと思ってた。映画で人気が出ていたのか、行きつけの図書館は、ずっと貸し出し中で、ようやく借りられたのでした。
冒頭の陰鬱な絵のシーン(これは音楽で例えればソナタの第1主題なのだろう)から、しばらくは、正直、読み続けられるか自信がなかった。主人公の主人公の清顕なる侯爵家の御曹司は、はなはだ軟弱で、自分の好みではなかったから。(なよなよとした男は生理的に受けつけられない。)
が、ヒロインの聡子が出てくると、急に面白くなる。三島由紀夫の言葉の世界に魅了されたんですね・・・。全編、至る所に、微に入り細をうがつ精緻を極めた美しい描写が散りばめられている。日本の四季折々の美しい情景の数々、そして、まばゆいばかりに美しいのだろうヒロインの聡子、中でも逢瀬の場面の完璧な美しさ、降参!
折りしも、昨年末、本作の後半の舞台となる奈良は帯解(おびとけ)を歩いたばかりでもあり、不思議な縁も感じる。
本作、輪廻転生がテーマの長大な四部作「豊穣の海」の初巻だけど、難しいことは考えず、素直に美しい言葉の世界に浸るのもよいのでは?と思う。「春の雪」に始まり「春の雪」に終わる悲しくも壮麗で優美な美の世界、お勧めです。
ただ、難しい言葉がいっぱいで、語彙の貧弱さを思い知りました。先を読みたい気持ちが強く、読み飛ばしてしまったところもあるので、いつか、ゆっくり辞書を引きながら、じっくり味わって再読したいですね。あと、聡明で気高い聡子のような女性が、なぜ清顕のような男を好きになるんでしょうね??つくづく女心は分からんです・・・。
一つだけ、本編で気に入った言葉をメモっておこう。
燃えているものは悪ではない、歌になるものは悪ではない・・・
本作、大正時代初頭の貴族が主人公の悲恋の物語ですね。昨年の映画は見ていないのだけど、原作はずっと読んでみたいと思ってた。映画で人気が出ていたのか、行きつけの図書館は、ずっと貸し出し中で、ようやく借りられたのでした。
冒頭の陰鬱な絵のシーン(これは音楽で例えればソナタの第1主題なのだろう)から、しばらくは、正直、読み続けられるか自信がなかった。主人公の主人公の清顕なる侯爵家の御曹司は、はなはだ軟弱で、自分の好みではなかったから。(なよなよとした男は生理的に受けつけられない。)
が、ヒロインの聡子が出てくると、急に面白くなる。三島由紀夫の言葉の世界に魅了されたんですね・・・。全編、至る所に、微に入り細をうがつ精緻を極めた美しい描写が散りばめられている。日本の四季折々の美しい情景の数々、そして、まばゆいばかりに美しいのだろうヒロインの聡子、中でも逢瀬の場面の完璧な美しさ、降参!
折りしも、昨年末、本作の後半の舞台となる奈良は帯解(おびとけ)を歩いたばかりでもあり、不思議な縁も感じる。
本作、輪廻転生がテーマの長大な四部作「豊穣の海」の初巻だけど、難しいことは考えず、素直に美しい言葉の世界に浸るのもよいのでは?と思う。「春の雪」に始まり「春の雪」に終わる悲しくも壮麗で優美な美の世界、お勧めです。
ただ、難しい言葉がいっぱいで、語彙の貧弱さを思い知りました。先を読みたい気持ちが強く、読み飛ばしてしまったところもあるので、いつか、ゆっくり辞書を引きながら、じっくり味わって再読したいですね。あと、聡明で気高い聡子のような女性が、なぜ清顕のような男を好きになるんでしょうね??つくづく女心は分からんです・・・。
一つだけ、本編で気に入った言葉をメモっておこう。
燃えているものは悪ではない、歌になるものは悪ではない・・・