シンディこと浦野一美が出演する舞台『眠れぬ町の王子様』の千秋楽(12月2日)を観た。
イケメンの男性俳優が大勢出演する舞台で、観客の95%は若い女性という「アウェイ」状況は、KAT-TUNのコンサートと似た状況。ところどころに心細げに座っている男性客は、ほぼ全て浦野ファンだろう。「アウェイ」なのになかなかの集客力だ。
舞台のストーリーはさほど重要ではない。大富豪の御曹司(王子)が家出して場末のホストクラブで働くことになり、ホスト達や富豪家の執事達が入り混じって巻き起こすドタバタ劇といったもの。シンディは御曹司の婚約者役で、やはり富豪の令嬢。世間知らずで、人を疑うことを知らない、まさにお嬢様気質という役を嫌味なく演じていた。こういう役はシンディに向いている。
ラストでは全員で歌い踊るシーンがあり、観客も立ち上がってペンライトを振るのだが、そこでのシンディはひときわ際立っていた。男性に混じっても見劣りしないダイナミックなダンスだが、暑苦しくはなく、気品が漂うしなやかで美しい身のこなしが流石である。極める所は極める、メリハリのある動きは、劇場公演や、これまでの舞台経験で培ったものだ。一方、客席に降りれば、目ざとく自分のファンを見つけてアイコンタクトを図っていた。
衣装は純白のシャツと膝丈のスカート、ピンクの長いマフラーを巻いていた。ドレスを着たステレオタイプのお嬢様という風ではなかったが、清純かつ活動的なイメージで好ましかった。同行した娘が言うには、靴がペタンコなのが惜しかったとのこと。ヒールがないので、せっかくの脚の細さが目立たなかったと言う。思うに、王子役の主演男優の背がTMレボリューションの西川貴教か、つんくかというくらい低く、並んだ時のバランスに配慮したのだろう。
主演の彼は、背もさることながら、一所懸命感が出過ぎていて、王子という雰囲気ではなかった。
他のホスト役の男優達のほとんどもシンディより若く、舞台経験も乏しい感じで、演劇そのものとしては少し物足りなかった。唯一「執事長」役の林野健志とシンディが、大人らしい演技で、舞台を締めていた。
それでも、この舞台は、イケメン男優達のファンが、彼らの格好いい姿を観ることが主眼なので、それでもいいのだろう。シンディ自身も、その主旨は分かっていて、その雰囲気を壊さないよう、求められる役割をしっかりと果たしていた。カーテンコールでも「イケメンさん達に囲まれ、アンチファンが増えないか心配したが、彼らのファンの方からも手紙をいただいて嬉しかった」といったことを述べていた。プロ意識の高いシンディに限って、共演者と簡単に間違いを犯したりはしないはずだ。心配は無用だ。
『GO! JET! GO! GO!』に続き、全く違う舞台で、全く違う役割を完璧にこなしてしまうシンディは、もはや器用な中堅、使い勝手のいいユーティリティプレイヤーの域に達している。しかし、それだけで終わってしまうのは惜しい。もっと年上の俳優たちに混じり、とことん鍛え上げられるような経験を積んで、更なる成長を果たしてほしいと切に願う。
これまでのシンディの出演舞台観戦記は以下。
『中野ブロンディーズ』
『キマズゲ』
『泉鏡花』
『DUMP SHOW』
『中野ブロンディーズ(再演)』
『GO! JET! GO! GO!』
イケメンの男性俳優が大勢出演する舞台で、観客の95%は若い女性という「アウェイ」状況は、KAT-TUNのコンサートと似た状況。ところどころに心細げに座っている男性客は、ほぼ全て浦野ファンだろう。「アウェイ」なのになかなかの集客力だ。
舞台のストーリーはさほど重要ではない。大富豪の御曹司(王子)が家出して場末のホストクラブで働くことになり、ホスト達や富豪家の執事達が入り混じって巻き起こすドタバタ劇といったもの。シンディは御曹司の婚約者役で、やはり富豪の令嬢。世間知らずで、人を疑うことを知らない、まさにお嬢様気質という役を嫌味なく演じていた。こういう役はシンディに向いている。
ラストでは全員で歌い踊るシーンがあり、観客も立ち上がってペンライトを振るのだが、そこでのシンディはひときわ際立っていた。男性に混じっても見劣りしないダイナミックなダンスだが、暑苦しくはなく、気品が漂うしなやかで美しい身のこなしが流石である。極める所は極める、メリハリのある動きは、劇場公演や、これまでの舞台経験で培ったものだ。一方、客席に降りれば、目ざとく自分のファンを見つけてアイコンタクトを図っていた。
衣装は純白のシャツと膝丈のスカート、ピンクの長いマフラーを巻いていた。ドレスを着たステレオタイプのお嬢様という風ではなかったが、清純かつ活動的なイメージで好ましかった。同行した娘が言うには、靴がペタンコなのが惜しかったとのこと。ヒールがないので、せっかくの脚の細さが目立たなかったと言う。思うに、王子役の主演男優の背がTMレボリューションの西川貴教か、つんくかというくらい低く、並んだ時のバランスに配慮したのだろう。
主演の彼は、背もさることながら、一所懸命感が出過ぎていて、王子という雰囲気ではなかった。
他のホスト役の男優達のほとんどもシンディより若く、舞台経験も乏しい感じで、演劇そのものとしては少し物足りなかった。唯一「執事長」役の林野健志とシンディが、大人らしい演技で、舞台を締めていた。
それでも、この舞台は、イケメン男優達のファンが、彼らの格好いい姿を観ることが主眼なので、それでもいいのだろう。シンディ自身も、その主旨は分かっていて、その雰囲気を壊さないよう、求められる役割をしっかりと果たしていた。カーテンコールでも「イケメンさん達に囲まれ、アンチファンが増えないか心配したが、彼らのファンの方からも手紙をいただいて嬉しかった」といったことを述べていた。プロ意識の高いシンディに限って、共演者と簡単に間違いを犯したりはしないはずだ。心配は無用だ。
『GO! JET! GO! GO!』に続き、全く違う舞台で、全く違う役割を完璧にこなしてしまうシンディは、もはや器用な中堅、使い勝手のいいユーティリティプレイヤーの域に達している。しかし、それだけで終わってしまうのは惜しい。もっと年上の俳優たちに混じり、とことん鍛え上げられるような経験を積んで、更なる成長を果たしてほしいと切に願う。
これまでのシンディの出演舞台観戦記は以下。
『中野ブロンディーズ』
『キマズゲ』
『泉鏡花』
『DUMP SHOW』
『中野ブロンディーズ(再演)』
『GO! JET! GO! GO!』