フェロシルトの瀬戸市での現地封じ込め案に付いて、愛知県が「地元が同意しても封じ込めは拒否すること、さらに、全量撤去以外の方法として管理型処分場を現場に建設して処理する方法も認める」、と報道されました。
● ここで、フェロシルト問題が一気に全国展開した昨年10月、その 16日の桑名市 での住民と三重県と石原産業の話し合いの場ことを少し。
石原産業のすぐ横に三重県の三田処分場という管理型処分場があり、ここに、各地から撤去したフェロシルトを入れることはできないのかと住民側司会者の吉川さんが質問。
三重県は、三重県内の産廃の処分のために造ったものだから・・・と逃げます。
(参考・今でも、三重県のこの方針はかわらず)
● そこで、2点、投げかけてみました。
一つは、こんな緊急事態だから、三田処分場を撤去フェロシルトで予定外かつ短期に満タンにしてしまうかわりとして、同時進行で、実質石原産業のお金で代替処分場を建設し、将来の三重県内産廃をそちらに回すという方法をとること。
三重県担当者は、「・・・」。
石原産業のフェロシルト特命執行役員は、「そうしてもらえればありがたい」。
時間は要るけど、現実的な方法だと思いませんか。
もう一つは、石原産業本体もしくは関連会社が、廃棄物処理業の許可を取得し、工場敷地内とか、第三の新たな場所に処分場を建設する、もしくは、どこかの業者による処分場建設を援助して、結果としてフェロシルトの正規の処分場を早急に確保すること。
石原産業のフェロシルト特命執行役員は、「いままで、そういうことを考えたことはなかった。検討してみる」。
三重県担当者は、「あらたな処分場建設となるとアセスも必要で、小さいもので2年、大きいもので3年かかる・・・」。
(参考・三重県は1から2年の撤去計画を拒否)
私は、三重県に、こんな場合だし三重県にも責任があるんだから、許認可権のある行政庁として、最短の時間で手続が完了するようサポートすべきだしそれはできるだろう、そう指摘しました。
● 今年3月に土岐市で 石原産業を呼んでの集会 を開いたとき、兼松さんと石原産業が処分場をどこかに設置する話のその後を、タイミングを見て出そうか、どうしょうかと話しました。「石原産業がどこかに適正な処分場を造るのが現実的」と。ただ、この日、フロアーとの質疑で、瀬戸市の封じ込め案の話が出てきたので、話が分かりにくくなりそうで、やめました。
● 定款などのことは横に置くとして、石原産業主体でどこかに新たな処分場を建設するということには、決定的な問題があります。それは時間がかかること。
撤去の進行やメドがたたないうちにこの議論になることは、撤去スケジュールを先延ばしにするだけ。
この点に関して、最近の状況、今後の見込みで、おおむねの方向が出てきたのではないかと私は思います。
(なお、管理型処分場についての面白い話もあります。このことは、また)
● 愛知県がいつから、こう考えたのかは不明ですが・・・・
(写真をクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)
206.6.05 読売新聞
フェロシルト 現地封じ込め 愛知県、地元同意でも拒否 石原産業に伝える 「撤去か処分場を」
土壌埋め戻し材「フェロシルト」の不正処理問題で、製造元の石原産業(大阪市)が撤去命令の取り消しを求めている愛知県瀬戸市幡中町の埋設分について、同県が、期限延長による全量撤去か、現地での管理型処分場建設を同社に求めていることが4日、わかった。同社が提案している封じ込め案については、「地元が同意しても認められない」としている。
同町のフェロシルト埋め立て量は当初、13万7000トンとされていたが、土砂と混じっているため撤去量は最大で約200万トンに上ることがわかった。このため同社は「(全量撤去に)要する費用は莫大(ばくだい)で、会社の存続を危うくする」と主張。「搬出作業のため、大量のトラックが走ることで、近隣に粉じんや騒音などの二次被害が出る」などとして、8月15日を期限とする撤去命令の取り消しを求めて県を提訴し、埋設現場のフェロシルトの周囲をコンクリートで固めて封じ込める処理方法を住民らに提案するとしていた。
これに対し県は、産業廃棄物と認定されたフェロシルトは、あくまで廃棄物処理法に従って処理すべきだと判断。封じ込め案は、環境への影響対策に不明確な部分があるとして、地元住民の同意がある場合でも認めない方針を固めた。
現場の搬出作業は始まっておらず、期限内の撤去はほぼ不可能となっているが、県は「二次被害を抑えるためなら、期限延長もやむを得ない」としている。
また、全量撤去以外の方法として、地元の同意を得た上で、埋立地の側面や底面をビニールシートや矢板などで覆い、埋め立て地からの浸出水を集める集水設備などを備えた管理型処分場を現場に建設して処理する方法も認める。
(2006年6月5日 読売新聞)
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