きのう4日の中日新聞の一面の特集記事を面白く呼んだ。
アメリカのブログと政治のこと。
これからの政治家とブログなどのことを扱っている。
その話題のブログ 「デーリー・コス」 。読者50万人。
もちろん、日本からでもインターネットで見ることができるはずだから、探してみた。
DAILY KOS
あいにく、英語に疎い(うとい)私には・・・
別に、ブロガー:コス氏の略歴を書いた記事もあったのでリンク。
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● 政治ブロガー、政界揺るがす行動力 メディア市民革命<1> 中日 2007年9月4日
米カリフォルニア州バークリーの住宅。マルコス・モーリツァス(35)は短パンによれよれのシャツ姿で座っていた。
「最近、政治家たちがうるさくって。おれは会わない、会ってもしょうがないといってるのに」
政治家たちが、このどこにでもいそうな若者に面会したがる理由-。それは、50万人の読者を有し、政治に絶大な影響力を持つインターネットのブログ「デーリー・コス」の主催者だからだ。
中米エルサルバドル移民の家庭出身で兵役後、ネット関連技術を独学。「ワシントンが最も恐れる男」(メディア関係者)といわれる彼だが、5年前は定職を持たない1人のブロガーにすぎなかった。
当時、自分の名マルコスにちなんだブログ「デーリー・コス」を書き始めたのは、既存政党やメディアへの不満から。米中枢同時テロ以降、「政権批判は愛国的でないとみなされ、野党の民主党も新聞もブッシュ大統領に何もいわなかった」。
イラク戦争についても民主党やマスコミは強い疑問を呈さず、開戦を容認。こうした中でマルコスはイラク戦への反対や政権批判を展開。反戦派やリベラル派のよりどころとして読者を急速に増やしていった。
人々を吸い寄せる「磁石」になったのはサイト内に設置した「ダイアリー(日記)」機能。だれでも自分のブログを開設でき、書いた記事の人気が出れば、目立つ位置に置かれる。主婦や学生から法律家、科学者まで投稿者は急増。外交、地球温暖化、選挙や議会の動きまで知恵や情報を持ち寄り発信するリベラル派の巨大なネットワークに成長した。
政治家が何より恐れるのは、彼らが「行動するブロガー」であること。昨秋の中間選挙では、資金や票集めで威力を発揮し、多数の無名民主党候補を当選させた。また、大統領候補といわれた共和党議員ジョージ・アレンは、差別発言のビデオを同ブログに掲載され落選の憂き目をみた。
「デーリー・コス」が先月初め、シカゴで開いた年次集会でも影響力は浮き彫りになった。上院議員のヒラリー・クリントンはじめ7人の民主党大統領候補者が駆け付けたのだ。対話集会で、クリントンが業界団体やロビイストの献金を今後も「受け取る」と答えたのに対し、参加者1500人が一斉ブーイング。大統領選トップを走るクリントンも厳しいブロガーの前では形無しだった。
集会に参加した元高校教師マイク・アイルランド(60)は「まるで1960年代のベトナム反戦運動のようだ。何かが動きだしている」と話した。
「『デーリー・コス』は自分の力じゃない。こうした1人1人のパワーなんだ」と、マルコスは力を込めた。
◇ ◇
「みんながトーマス・ペインになれる時代がきた」と評論家ジェフ・ジャベス。18世紀、ペインは米国の英国からの独立の正当性を訴える冊子「コモンセンス(常識)」を、だれもが出版を拒む中、知人の工場で刷って配布、独立機運に火をつけた。今、ネットにより市民1人1人が印刷機を得たように自分の意見を大勢に伝えることが可能になり、政治の停滞を変える起爆力になるというのだ。
一方で、シカゴ大の憲法学教授キャス・サンステインは警告する。
「人々は自分の声のこだまを聞くようにブログでは聞きたい意見しか聞かない傾向が強い。民主主義が危うくなる心配もあるのではないか」
× ×
インターネットで、だれもが不特定多数に向けて情報発信できるようになり、ブログなど「個人発」のメディアが、既存のマスメディア、政治や社会を揺るがす存在となった。米国の“革命”最前線を探った。=敬称略(バークリーで、池尾伸一、写真も)(東京新聞)
● 米国発ブログ:共和党が猥褻メール知りながらフォーリー氏を公認した理由
ライブドア ニュース 2006年10月10日
なぜ、共和党幹部はマーク・フォーリー前下院議員(共和党)の猥褻(わいせつ)メール問題について、事前に知っていながら見て見ぬふりをしたのか?
その答えを探っていくと、共和党がすでに倫理的に崩壊しているのかが明確に分かる。
フォーリー氏の選挙区はフロリダ州16区だ。この選挙区は穏健保守層の地盤で、フォーリー氏は1994年に下院議員に初当選した。初回の得票率は58%と過去6回の当選の中で、最低水準だったが、その後はめきめきと力をつけ、2002年には79%、2004年は68%と楽勝するようになっている。つまり、フロリダ州16区を共和党の安定地盤に育てたわけだ。フォーリー氏は資金集めの能力に長け、最近も10万ドル(約1180万円)をNRCC(共和党下院委員会)に納めている。共和党はフォーリー氏の資金調達の高い手腕を必要としていたのだ。
間もなく2006年の中間選挙が実施されるが、共和党は、自ら政党としての機能不全という重荷を背負って、共和党の選挙戦は厳しい。対照的にNCCC(民主党下院選挙委員会)は過去1年間、政治資金パーティーと候補者募集を大々的に進めてきた。フォーリー氏の対抗馬として、突然、名乗りをあげてきたのが民主党候補ティム・マホニー氏だ。マホニー氏は元共和党員で資産家、しかも、政治資金の基盤も強い。同氏が出馬表明したのは2005年10月12日だが、そのころ、まさに共和党の一部幹部がわいせつメールというフォーリー氏の所業をどう取り扱うか思案していた時期だった。それでも共和党幹部はフォーリー氏の出馬を決断したいきさつがあったのだ。
その決断の背景には、フォーリー氏が出馬しなければ、共和党にとって無風だったはずの選挙区で一層激しい戦いを余儀なくされ、200万-300万ドル(約2億3800万-3億5800万円)に上る選挙費用を投入しなければならない事態に直面するという事情があった。とりわけ資金は頭の痛い問題で共和党にとってフォーリー氏の力を借りなければ難しい金額。決断を迫られた共和党下院指導部は結局、フォーリー前議員のわいせつメールの問題を知りながら、選ぶべきではない正反対の道を選んだのだ。それと引き換えに、フォーリー氏は、多数派維持に貢献する1議席を守り、多額な選挙資金を節約してくれるはずだった。
しかし、この際、フォーリー氏のことは忘れよう。同氏の政治的生命はもはや絶望的になっている。共和党は議会での支配力を切り札としてきたが、単にいくばくかのカネと下院の1議席を維持するためだけに未成年者を食い物にする人物を野放しにしてしまった。共和党幹部が目を向け、守るべきだったのは下院に奉仕する学生スタッフの方だ。(2006年10月2日)【了】
■ブロガー:コス氏の略歴
本名は、マーコス・ムーリツァス・ズニガ。1971年、シカゴ生まれ。リベラル派ブログとして人気の「デイリー・コス」( http://www.dailykos.com/ )を主宰。生後間もなく、一家はエルサルバドルに移住するが、同国の内戦激化を受けて1980年に米国に帰国。高校卒業後、米陸軍に入隊し、1992年に除隊。その後、北イリノイ大学で哲学、政治学、ジャーナリズムを学び、ボストン大学法律大学院で法学博士号を取得。現在、サンフランシスコに在住。ブログ「デイリー・コス」の立ち上げは2002年5月。「コス」は陸軍時代のニックネーム。
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