全国的に雨。
その今日は、先日も整理した鹿児島県阿久根市の議員選挙の投票日。
地方自治のひとつの実験だと思ってみている。
地元の新聞の報道は面白い。
知らなかった背景も見えてくる。
(朝日新聞の地元の記事)
前の市長選で敗れた有力2候補の支援者ら約45人は今年1月、次期市長選をにらみ、候補者の一本化を目指す。元市職員も参加。「市長選に持ち込むのが第一の目的」と、市議選で反市長派を支援する。
市長選の竹原後援会を引き継いで住民約30人が昨年10月に結成した「阿想会」は、現在会員数約100人。市議選では推薦候補を4人出し、竹原市長を支持する前職1人を含め、一人でも多い当選を目指す。
当分、目が話せない。
市議選の結果は、明日の朝の新聞を見よう。
ところで、こちらは3月議会が済んで、昨日は、岐阜県内の「市」の情報公開制度の調査。
なぜなら、全国オンブズが全国の都道府県と政令市の各種調査を行い「全国ランキング」を着けていたのだけれど、
★今回から「全国の『市』(+任意の町村)」に広げる
★調査は「今までどおり各現地が行う」
★集計も「今までと違って、今回は各現地が行う」
ということになったから、その基礎データの整理作業。
ずっと前に3月末までに行うように案内が来ていたけど、こちら、議会が済んでからしか手が回らない。
やっと、着手したという次第。
ともかく、インターネットでできるから有難い。
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ここのところ9位、10位あたり
1月20日 ブログ ⇒ ◆議員不人気投票を市長が呼びかけ/選挙中もブログを更新して市長に当選
2月26日 ⇒ ◆熱い阿久根市劇場/市長は職員の退職金・給与公開。議会不信任議決を誘導、解散/定数16に28人
3月22日 ⇒ ◆出直し阿久根市議選挙、まっ最中/市長は公選法違反か/報道も厳しい/大阪・橋下知事はエール
●混迷 阿久根市政/「主役」に市長ブログ 朝日 009年03月17日
ポスター掲示板には23候補の選挙ポスターが張り出され、選挙ムードが盛り上がっている=阿久根市港町
15日に告示された阿久根市の出直し市議選(定数16)には反市長派16人、市長派7人の計23人が立候補した。不信任決議を受けて市議会を解散した、竹原信一市長(50)の政治手法が問われる選挙戦の深層を追う。
「改革を止めてはならない!」「市政改革 財政改革に全力前進!」
市内の掲示板に張られた選挙ポスター。竹原市長を支持する候補は「改革」の継続を前面に出す。
一方、反市長派の候補は「皆が安心して暮らせる街づくりを! 若者が夢を持てる街づくりを!」などとそれぞれの施策をうたう。「良識ある市政に向かって!」「みんな仲良く阿久根はひとつ!」と、市長の政治手法への批判と受け取れるものや「改革推進!」を訴えるものもある。
だが選挙が始まって早々に話題をさらったのは、有権者に訴えかける23人の市議候補ではなく、自身のブログで物議を醸した竹原市長だった。
告示当日の15日付で、自身の持論と重なる4人の候補名を紹介し、前職議員らを「嘘(うそ)まみれ」と批判した。そして、その日の夜の更新で、2年前に発覚した市議の政務調査費問題を報じるニュース映像が見られる別のブログを紹介し、〈こんなサイテイの連中でも選挙を勝ち残ってきた〉とこき下ろした。
竹原市長のブログへの書き込みは週4、5回程度。2月10日の市議会解散後は、市職員の人件費問題を熱心に取り上げた。
同18日付のブログで06年度からの退職金の明細を、23日付で07年度の職員給与の明細を公開。〈経営という観点から市役所人件費の状態を見れば滅茶苦茶(め・ちゃ・く・ちゃ)だ〉と書き込んだ。「公開の手法に問題がある」との指摘もあるが、ニュースで盛んに取り上げられた25日には市に対し、200件を超えるホームページの見方の問い合わせや高給批判、竹原市長への激励の電話があったという。
電子メールで寄せられた好意的な反応を2月25日付、3月3日付、5日付で紹介。7日付で、総理大臣や宮崎県知事の給与と比較できる形で市職員の年収グラフを載せた。
竹原市長はブログについて「成り行き。何も考えていない」と話す。しかし、この市職員給与の明細公開で市民の関心が一挙に高まり、今回の市議選でも有権者の投票を左右しかねない。すなわち、市長派の候補が掲げる市職員給与削減、議員定数削減などの「改革」を後押しする形になっている。
一方、反市長派の候補は、竹原市長が強調する市職員、市議への厚遇批判を逆手にとる形で、「批判ばかりで政策がない」と切り捨てる。2月6日の不信任決議にも、原油高や雇用問題について「何ら政策を示していない」と盛り込んだ。「国や県の事業を活用するなど、財源を持ってくる重要性について説明したい」という候補もいる。
だが、竹原市長のブログが巻き起こす「風」は、反市長派候補の支持者にも届いている。支持者から「職員給与の厚遇をどうにかしてほしい」と言われた候補もいる。ある前職は最近、知人の市職員から「このご時世、現在の給与3%カットで済むとは思っていない」と告げられた。「職員批判ばかりでは話が前に進まない。職員ともきちんと対話しながら改革を進める姿勢を強調したい」と話す。
市は、市職員の人件費を03年度の27億8千万円から07年度に21億5900万円まで削減。08年度は1~3%の給与カットもした。だが、市議会解散で09年度予算案の審議ができず、4月からはいったん満額支給に戻るという。
●混迷 阿久根市政/政策論争は「停滞」 朝日 2009年03月18日
(略) 竹原市長はすぐさま市議会解散を宣言。09年度当初予算案を審議する第1回定例会が先送りされた。
「本格的な政策が打てるのは来年度予算だったはず。残念さはないか」との報道陣の問いに、竹原市長はこう答えた。
「何でもかんでも反対する議会なら、どうせやれなかった」
昨年9月11日の就任後、議員定数の削減や副市長、教育委員の人事など、竹原市長が「市政改革」の議案を繰り出すたび、議会は猛反発。地域課題をめぐる政策論争は置き去りにされた。
(略)
全戸に配布される選挙公報。福祉の充実を掲げる候補は多いものの、いずれも具体策に欠けている。肥薩おれんじ鉄道への言及はなく、候補者23人の中で公約の中に〈雇用〉の2文字が見えるのは反市長派の前職4人だけ。それでも〈雇用対策に全力を注ぎ、1人でも多くの雇用が確保できるよう努力します〉と抽象的だ。数値目標や時期を明示するマニフェストを打ち出した候補はいない。
その代わりに市長支持派、不支持派の双方で頻出する言葉が〈改革〉。だが、縮みゆくまちをどう再建するのか、将来像は見えない。
●混迷 阿久根市政/前市長時代から因縁 朝日 2009年03月19日
昨年10月の市議会では、就任直後の竹原市長の政治姿勢を問う質問が相次いだ。質問に答える竹原市長(中央)=阿久根市議会
「あなたを支持しない人が9579人いることを忘れていらっしゃいます」
2月6日の市議会臨時会。出直し市議選の直接の発端となった竹原信一市長(50)の不信任決議で、賛成討論に立った前職はそう述べた。
竹原市長が市議から立候補して初当選した昨年8月の市長選は、新顔4氏が争った。竹原氏5547票に対し、元市議長5040票、元市総務課長4401票。「票が割れなければ勝てた」という思いは、出直し市議選を戦う反市長派に根強い。
解散前の市議会で多数を占めた反市長派は、斉藤洋三前市長(72)の時代は「市長派」だった。斉藤前市長は任期満了の3カ月前に正式に引退を表明。後継者がはっきりと決まっていなかった中、元市総務課長を擁立する動きが出ると、議会主流派は反発し、自分たちの中から元市議長を担ぎ出した。
元市総務課長が、竹原氏とともに議会反主流派だった議員と親類関係にあることなどが理由だったという。しかし選挙では、票が割れる結果になった。
「ツケが回った。投票の機会を与えられなかった市民の批判票を見くびっていた」とみる元市職員もいる。市長選は00年、04年と2回連続無投票だった。批判票は、市政に長く携わった元市総務課長、県職員出身の元市議長のいずれでもなく、若く、経営者の経験もある竹原氏に流れた、という。
竹原市長は、市議になる前の03年ごろから当時の市長、市議、市役所を激しく批判したチラシを各戸に配って名を売った。そして今度は市長として、市役所や市議会の改革を掲げて市に乗り込んだ。
「市民の中に、2人を同一視する空気がある」
反市長派の前職は、こう警戒する。2人とは、竹原市長と大阪府の橋下徹知事(39)のことだ。
「非常に納得できる。個人名は出さないが、役職名と給与、全部オープンにしてもいいじゃないですか」。橋下知事は今月5日、竹原市長が市職員268人の給与明細を市のホームページで公開したことを支持した。
竹原市長は、橋下知事と比べられることについて「全然関心がない」と言う。しかし、自身のブログでは橋下知事の発言を伝えるニュース映像を今月7日付、9日付で続けて引用した。先の前職は「職員とも議会とも対話する姿勢がない。具体的な政策もない。彼が橋下知事とは違うことを有権者に分かってもらわなければいけない」と危機感を募らせる。
前の市長選で敗れた有力2候補の支援者ら約45人は今年1月、次期市長選をにらみ、候補者の一本化を目指す「阿久根市民会議」を結成した。代表はキノコ農家の松崎勝雄さん(65)。元市職員も参加している。「市長選に持ち込むのが第一の目的」と、市議選で反市長派を支援する。
一方、市長選の竹原後援会を引き継いで住民約30人が昨年10月に結成した「阿想会」は、現在会員数約100人。会長は、竹原市長とともに政務調査費問題を追及してきた、水産加工業の松岡徳博さん(54)。市議選では推薦候補を4人出し、竹原市長を支持する前職1人を含め、一人でも多い当選を目指す。
すでに出直し市長選を見据えた戦いが始まっている。
(この連載は古城博隆、周防原孝司、三輪千尋が担当しました)
●混迷 阿久根市政/問われる「改革」対応
朝日 2009年03月21日
(略) 竹原市長は市議会の定数を16から6に減らすべきだと主張している。「少ない人たちが質の高い議論をすることが大事」と言う。昨年の9月定例会で議員定数の条例改正案を出し、全会一致で否決された。不信任決議案が可決された今年2月の臨時会では、定数を「12」まで妥協する案を提出したが、議会の解散で廃案となった。
(略)
全国市議会議長会などによると、全国で最も定数が少ないのは人口526人の沖縄県北大東村議会の「5」。「6」は1町7村にとどまる。市で最も少ないのは、財政再建団体で人口約1万2千人の北海道夕張市の「9」だ。
竹原市長は議員報酬の日当制導入も主張している。初めて日当制を導入したのは08年3月の福島県矢祭町議会。今も全国で唯一だ。本会議に出席した日などに限り日額3万円を支給している。年収は一般議員で約80万円とそれまでの4分の1に減った。
●ブログ市長に配布中止要請 選管、支持派紹介カードで
2009/03/16 13:24 【共同通信】
ブログ問題などで不信任決議を受けた市長による議会解散に伴う鹿児島県阿久根市議選をめぐり、竹原信一市長(50)が自らを支持する新人候補者4人を明示したカードを有権者に配っていたことが16日、分かった。市選挙管理委員会は「公選法違反の疑いがある」として、市長に配布中止を口頭で指導する方針。
カードは名刺大で、4人の氏名に添えて「竹原改革を支持します」と記載。公選法により、同市議選の期間中に各候補者が配布できる文書は通常はがき2000枚に制限されており、市選管はカードがこの規定に反する可能性があるとしている。
竹原市長は、カード200枚を作って数人に配布したことを認めた上で「誰を応援しているのかを聞かれた際、メモとして渡しているだけだ」としている。
●取材ノート09:出直し阿久根市議選、22日投票 竹原市政の是非争点 /鹿児島
毎日新聞 2009年3月1日
阿久根市の竹原信一市長(49)の議会解散に伴う出直し市議選(定数16)が15日告示、22日投開票される。改選後の市長不信任決議案の再提出も絡み、市長派、反市長派の間で激しい前哨戦が展開されている。竹原市政の是非が最大の争点だが、「竹原市政への賛否ではなく、自らの政策を市民に示せ」との指摘も聞かれる。【馬場茂】
◇「劇場型選挙にするな」の指摘も
「今度の選挙が阿久根を変える最後のチャンスだ」
市民団体「阿想(あそう)会」が2月22日、市議選に向け初めて開いた決起集会。竹原市長の政治理念に賛同する松岡徳博会長(54)が声を張り上げた。
集会で紹介されたのは、会で「推薦」する予定候補の4新人。あいさつに登壇した中には、緊張のためか、声が震えた人も。「選挙経験ゼロ、ずぶの素人」という。職業も、会社員、飲食店主、建設会社経営--などさまざまだ。
松岡会長は「前職や新人数人を含め市長の支持勢力として8人前後が立候補する」としている。
対する反市長派。「不信任」を突きつけた前職9人を含め、14人前後が立候補すると予想される。
竹原市長を激しく批判する一方、「改革の抵抗勢力」とのレッテルを張られるのを恐れているようだ。
前職の一人は地元での市政報告会で「景気悪化の中で、市長は何ら改善策を示していない。今すぐ、緊急雇用対策を」。市長の「言動」だけではなく、政策面でも、批判を試みる。
また、立候補予定者の中には、市長に対する是非を鮮明にしない「是々非々」派も。当選後の不信任決議案など議会運営のキャスチングボートを握る可能性もあり、動向が注目される。
情勢は混とんとしている。2月24日にあった立候補者説明会には28陣営が参加。定数16を大きく上回る25人前後が立候補するとみられる。
乱立に加え、ベテラン4人の引退も、波乱要素だ。前回選挙で、上位5人以内を占め、4人の得票率は、33%にも。ある前職支持者は「後継者を立てても、票は分散する。どこに流れるか全く読めん」と、ため息をつく。
混乱が続く阿久根市。「竹原市政」の是非ばかりに偏った争点に、不満を抱く市民も少なくない。
水産加工経営の下園満氏(60)もその一人。商工会議所幹部として長年、阿久根ブランドの農水産品作りに取り組む。「お題目や票欲しさでなく、真剣に農水産振興に取り組む政策を持つ人に出てもらいたい」と訴え、市議選に注文をつけた。「竹原市長が主役の『劇場型選挙』になっては駄目。自分の主張や政見を市民に示して戦え」と。
●阿久根市議選 期日前投票は大幅増加 投票率にも注目 22日に投開票 有権者の関心高く
西日本 2009年3月20日 00:47
23人が立候補した今回は、前回の上位当選5人中4人のベテラン議員が引退。新人候補が12人と多いだけに、各陣営は「票の行方が見えない」と手探りの選挙戦になっている。
一方、市選管によると、市議選の告示翌日(16日)から受け付ける期日前投票の投票者数は、18日までの3日間で669人。前回の3日間の投票者数に比べ、197人も多く、41.7%増となっている。
19日に期日前投票をしたパート女性(60)は「阿久根の変化を求めて投票した」。会社員男性(52)は「市長が代わった方がいいと思い選んだ」と判断理由を話した。
そこで注目されるのが投票率。参考になるのが、今回と同じく議会解散に伴う1989年の市議選。国立病院の民間移譲問題が発端になったリコール(議会解散)に伴う選挙で、投票率は87年より2.87ポイント下がったものの87.74%とかなりの高率を記録した。
もちろん激戦だからといって必ず投票率が上がるとは限らない。竹原市長が当選した昨年8月の市長選は、12年ぶりに選挙戦に突入し激戦となったが、投票率は75.50%で同市長選としては過去最低だった。
●阿久根 出直し市議選22日投票 反市長派の議席焦点
2009/03/22付 西日本新聞朝刊
不信任決議を受けた鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(50)が市議会を解散したことに伴う出直し市議選(定数16)は22日投票、即日開票される。23人の立候補者は、選挙戦最終日の21日も竹原市長が掲げる改革や政治手法をめぐって論戦を展開した。反市長派が再度の市長不信任案可決を確実にする11人の当選を確保できるかが、焦点になる。
立候補者の内訳は、解散で失職した前職のうち11人と新人12人。前回の2005年より5人多い。前回の上位5人のうち4人が引退し、激戦に拍車をかけている。
「市長支持派」は7人。21日も「竹原市長の改革を支持しよう」と訴えた。「反市長派」は、再度の不信任案への対応を明言していない2人を含めて16人。「竹原市長では市の将来は描けない」とアピールした。
市議選でも「主役」になった観のある竹原市長だが、実際の選挙戦では結局、告示日に新人1人の応援演説をしただけだった。
再度の不信任案可決には議員数の3分の2以上が出席したうえで過半数の賛成が必要。可決されれば市長は自動失職する。阿久根市議会の場合、11人以上の出席で議会成立。市長支持派は議会を不成立にする欠席戦術も視野に入れる。竹原市長は仮に失職しても、市長選にあらためて立候補する意向を示している。
市選管によると、期日前投票は20日までの5日間で1681人。前回を約500人上回り、有権者の関心は高いとみられる。有権者数は2万233人(14日現在、市選管調べ)。
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