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てらまち・ねっと



 昨日は、岐阜県弁護士会館で、岐阜県弁護士会の企画で岐阜県に来ている司法修習生に、
   「行政事件と市民 『行政訴訟を接点として』」
ということで話をした。

 司法修習生は、2年間の修習の最後に各地におもむき、最後の実地をして来年から法曹界にはいる人たち。
         司法修習生 / ウィキペディア
       司法試験の合格者は、最高裁判所に司法修習生として採用され、公務員に準じた身分で司法修習を行う。
          司法修習は裁判官・検察官・弁護士のいずれを志望する場合であっても、原則として同一のカリキュラムに沿って行い、
          修了後、裁判官であれば判事補として任官、検察官であれば検事(2級)として任官(これを「任検」という。)、
          弁護士であれば弁護士会への登録を行い、それぞれ法曹として活動するほか、研究者等それ以外の進路を選ぶ者もいる。


 昨年も頼まれたが、「好評だったので」と今年も講義を依頼されたもの。

 そのレジメの要点を下記に掲載しておく。(それなりに省略して)

  「情報公開は弁護士でも利用価値があるのではないか」ということは特に強調しておいた。
 
 明日、明後日の土日は、名古屋で開く「市民派議員塾」の講座がある。
 今日は、その資料づくりで忙しい。
 こちらは北海道から関西まで、各地の議員が参加する。今年度の2回目。
 その内容のことは、また、改めて紹介しよう。

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 行政事件と市民 「行政訴訟を接点として」
2012.8.2   寺町知正  山県市西深瀬208
        
第1  住民サイドから問題解決のために行政と向き合うとき
(1) 自己紹介
      「くらし・しぜん・いのち 岐阜県民ネットワーク」
         Web  「県民ネット」      ブログ 「てらまち・ねっと」
     
      「公的手続きを使うことで影響と効果は倍増」
(2) 行政訴訟に取り組む動機・経緯など   
(3) 前提となる住民運動・市民運動の意義 
(4) 行政訴訟の意義と課題
 本人訴訟   選定当事者 (安価でもある)
「裁判所の敷居」を低くし、「裁判所の偏見」をなくす

★ 情報公開は弁護士でも利用価値があるのではないか

2.制度のあらまし
▲ 行政処分の取り消し ⇒政策・行政運営転換

▲ 行政不服審査法 第1条 この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使にあ
たる行為に関し、国民に対して広く行政庁に対する不服申立てのみちを開くことによって、簡易迅
速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的。

▲ 行訴事件訴訟法 (抗告訴訟) 第三条  2「処分の取消しの訴え」とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為の取消しを求める訴訟。
        

□ 住民参加&納税者として公金の使い道の点検 ⇒政策・行政運営転換

 □住民監査請求 地方自治法第2422条 住民は、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員について、違法若しくは不当な①公金の支出・・・があると認めるときは、
当該普通地方公共団体のこうむった損害を補填するために必要な措置を講ずべきことを請求できる。

□住民訴訟 地方自治法第242条の2 住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第4項の規定による監査委員の監査の結果に不服があるとき・・は、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。
     
3.事例  (別紙)
  要点、請求の趣旨、判決、意義や評価

第2 時代を開くのは情報公開―役所の情報公開制度を鍛える

●その自治体の住民が、どんどん公開請求し、行政を開かれた姿に鍛えること
骨格
<根拠>  その自治体ごとの「条例」。国や独立行政法人なら「情報公開法」 
<誰が> その自治体の住民。「なんびとも」の場合は、だれでもよい
<手続費用> 通常は、閲覧は無料、コピー代。国と一部自治体は手数料あり
<何が対象か> その行政機関が作成・取得し保有する文書の全てが基本。施行前・任意公開
・・・(略)・・・

<情報公開請求の勘所・コツ> 
 ・・・(略)・・・

第3 納得できない行政処分に対しては 
権利は「No」から見えてくる=その時できることの法的根拠
   役所の事務には、膨大な「公権力の行使」「処分」が存在する。
    その「処分」が納得できない時の救済のための法律・制度を知ること

▲ 行政不服審査法 
・・・(略)・・・

▲ 行訴事件訴訟法 
・・・(略)・・・

   2004(H16)年 行政事件訴訟法の改正における原告適格の拡大
 別紙。・・・(略)・・・

★情報非公開処分 取消訴訟 
     なぜ勝てるか・・・(立証責任の転換)

第4 住民監査請求(地方自治法242条)のすすめ

▲ 住民監査請求 地方自治法 
第242条 住民は、当該普通地方公共団体の長若しくは委員会若しくは委員又は当該普通地方公共団体の職員について、
違法若しくは不当な ①公金の支出、 ②財産の取得、管理若しくは処分、 ③契約の締結若しくは履行 ④若しくは債務その他の義務の負担があると認めるとき、
又は違法若しくは不当に ⑤公金の賦課若しくは徴収 ⑥若しくは財産の管理を怠る事実があると認めるときは、
これらを証する書面を添え、監査委員に対し、監査を求め、当該行為を防止し、若しくは是正し、若しくは当該怠る事実を改め、又は当該行為若しくは怠る事実によって当該普通地方公共団体のこうむった損害を補填するために必要な措置を講ずべきことを請求することができる。
2 前項の規定による請求は、当該行為のあつた日又は終わった日から1年を経過したときは、これをすることができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
5 前項の規定による監査委員の監査及び勧告は、第1項の規定による請求があつた日から60日以内にこれを行なわなければならない。

<誰が> その自治体に居住する住民なら一人でできる。「住所、氏名、職業」「自署」「押印」 
請求者は、法律上の行為能力が認められる限り、成年・未成年、国籍を問わない
同住所は・・でもよい 氏名だけは自ら署名  押印(なければ指印を)  職業(好みの表現)

<手続費用はゼロ>

<何についてできるか>  ◇公金の支出や予算の執行を伴う、違法で不当な行為を対象にできる。(接待費、無駄遣い、請負契約、売買契約などが典型)
 ◇広域行政の「一部事務組合」や、「指定管理者の当該業務」も対象になる

<手続き> (1) 監査請求書をその自治体の監査委員宛に出す
(2) 支出を証明するもの=証拠(支出の記録、新聞記事など)を付ける
(3) その行為のあった日から一年以内   支出日/契約日/補助金交付決定日
但し「正当理由がある」場合、例えば秘密になされた場合は限定がない
(4) 談合や不法行為による損害の回復を怠る事実の場合は期間制限がない
(5) 求める措置については、「知事(市町村長)ないし全ての支出手続担当者は、違法な公金支出を行った」と漠然と指定しておくとよい
(6) 後日、陳述の場が設定される(出来る限り陳述した方がよい)
(7) 監査委員は、関係職員から事情を聞き(立会いもできる)、書類を調査し、請求の事実があったか、指摘の内容が間違っていないか、違法、不当な行為と認定するかなど審査
(8) 請求書提出から60日以内に、監査結果が、請求人に文書で通知されてくる
(9) 同一事項につき同一人は再度の住民監査請求はできない。却下された場合は再度できる

<効果> 法定手続きで住民に指摘され、監査委員に調査され、時には裁判で名指しされ、しかもマスコミに出てしまうというのは、公務員(役人)にとっては、大変なショックで、当事者はもちろん周辺の部署にも、再考・見直し・反省を促す効果は十二分にある
 勝つに越したことはないが、負けても効果がある。新聞に出ることの意義・効果は大

◎  請求できる行為   次項の表におおむね同じ


 第242条の2住民は、前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第4項の規定による監査委員の監査の結果に不服があるとき・・は、裁判所に対し、同条第1項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもって次に掲げる請求をすることができる。
▲住民訴訟 地方自治法
1.当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求
2.行政処分たる当該行為の取消し又は無効確認の請求
3.当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実の違法確認の請求
4.当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関又は職員に対して求める請求
2 不服がある場合は、当該監査の結果又は当該勧告の内容の通知があった日から30日以内

(行政訴訟の費用)  「訴訟費用は・・・の負担とする」の意味の誤解をしない
 地方裁判所  訴訟物の価格 金160万円  印紙額 金1万3千円  予納郵券(約)1万円
高等裁判所はその「1.5倍」   最高裁はさらに「1.5倍」
・・・(略)・・・



                                    2012/8  寺町知正
2004年(平成16年) 行政事件訴訟法の改正における原告適格の拡大等

 役所がすることは、「公権力の行使」「処分」が多い。  議会の監視対象というべき
 住民としての原告適格つまり当事者適格の判断、行政訴訟とくに取消訴訟等における原告適格の判断には限りなく事案の中身の審査が必要。
  争いの解決の方向性は住民同意の消長にも限りなく近づく。

●1. 行政事件訴訟法の改正
行政事件訴訟法が、制定から40数年の時を経て、2004年(平成16年)、初めて本格的に改正された。

 改正の要点は、

○ 権利救済範囲を拡大するために「原告適格の拡大」、
○ 「義務付け訴訟・差止訴訟の法定」、「確認訴訟の明示」、
○ 審理の充実促進のために 「釈明処分の特則」、
○ 仮の救済制度を整備するために「執行停止の要件の弾力化」、「義務付け訴訟・差止訴訟の仮の救済制度の新設」
○ その他、「被告適格の簡明化」、「管轄裁判所の拡大」、「出訴期間の延長」、
「教示制度の新設」、
などである。
・・・(略)・・・

●2. 法改正の背景 
 改正前の行政事件訴訟法のもとでは、取消訴訟の原告適格の判断が厳しかった。従来、行政訴訟といえば門前払いで訴えの中身すら審査されないということが、大部分であった。しかし、近年は様相が大きく変わってきた。
 判例による「法律上の利益」の解釈は、「伊達火力発電所訴訟判決(最判昭和60年12月17日)」、「新潟空港訴訟判決(最判平成元年2月17日)」、「高速増殖炉もんじゅ訴訟判決(最判平成4年9月22日)」の順に、(法律上保護された利益説によりつつも)その柔軟性を増すようになった。
 これらの判例は、同法第9条の改正の内容に大きな影響を与えた。

 今後はどうなるか? 
・・・(略)・・・


●3. 重要判例-1
空港周辺住民の原告適格 (最高裁第二小法廷平成元年2月17日判決)
・・・(略)・・・
  
●4. 重要判例-2
その後、最高裁は「もんじゅ原発訴訟」(平成4年9月22日判決)において、原子炉周辺住民の原告適格を肯定する判決を示した。
最高裁(第三小法廷)平成04年09月22日判決 
平成1年(行ツ)第131号・原子炉設置許可処分無効確認等請求事件
・・・(略)・・・
 
●5. 重要判例-3
山岡町ゴルフ場隣地開発許可事件・最三小判13年3月13日民集55巻2号283頁
 森林法における知事のゴルフ場開発許可の問題についての判断がなされた。
・・・(略)・・・


●6. 改正行政事件訴訟法との関係 
 2004年・平成16年に改正された行政事件訴訟法において、これら判決において示された法令解釈における考慮要素等が明文化された。
原告適格を判断するに当たっての考慮事項は次のようである。
(改正行政事件訴訟法第9条第2項)
◎ 処分において考慮されるべき利益の内容及び性質
◎ 処分の根拠となる法令の趣旨及び目的
◎ 処分の根拠となる法令と目的を共通にする関係法令の趣旨及び目的
◎ 処分が違法にされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度
・・・(略)・・・

●7. 差止めの訴え  ・・・(略)・・・
●8. 関係当事者の協力が不可欠  ・・・(略)・・・
●9. 時代の流れ   ・・・(略)・・・






《くらし・しぜん・いのち 岐阜県民ネットワークの行政訴訟の概要》
 2012.8.2 寺町知正

       ★=公金の支出などを問う住民訴訟/30件 
       ◇=情報の非公開処分の取消訴訟 /15件
       =他の行政処分の取消訴訟    / 2件    計47件
 
       確定・決着の主観的評価 ⇒ ○=勝訴的評価  △=痛み分け ×=敗訴

【提訴年】【種別】     【事件名など】   【審級・判決など】【結果の評価】 

<進行中>
08年★ 岐阜県議会議員選挙公営費燃料費等返還請求(文提・書面尋問) (地1部)
07年★ 岐阜県議会議員選挙公営費ポスター代返還請求事件(文提) (地2部)

06年★ 前知事個人秘書業務費返還請求事件 (支出は違法だが却下・棄却/高裁2部)

<決着・確定>
(24)10年★ 岐阜県行政委員高額な月額報酬返還・差止請求事件  (地2部) ×

(23) 06年★ 県庁裏金損害賠償履行請求等          (却下/最高裁)×

(22)99年★ 県営カラ渡船委託費返還   (大部分返還・地/高/09年・最)  ○
99年◇ 県営カラ渡船委託費情報   (大部分公開/05年・最/新判例)  ○

(21)98年◇ 情報誌購読協賛金文書非公開   (公開/05年・最/新判例)    ○
99年★ 情報誌購読協賛金第2次 03年文書提出命令(過半返還和解/03年地○
98年★ 情報誌購読協賛金 第1次   同命令 (過半返還和解/03年地)  ○

(20)06年★ 岐阜県知事ボーナス上乗分返還、支出差止請求(棄却/08・地)    ×
06年★ 県知事等退職金返還請求事件     (棄却/地・09年・高)    ×

(19)06年★ 山県市ごみ処理計画差止請求     (棄却/09年・地)      ×

(18)07年◇ 福井県男女共同参画審議会音声記録不存在(棄却/10年・最)    ×
06年◇ 三重県共同研究文書非開示      (公開/07年・地)    ○
 
(17)00年◇ 実行委員会文書不存在処分(地裁棄却/高裁公開/05年・最/新判例)○

(16)99年◇ 東環都計審情報非公開(一部地裁で/他は逆転公開/04年・最/新判例)○
98年◆ 東海環状都市計画決定取消     (棄却/99年・地)        ×
97年★ 東海環状道都計審議会経費     (棄却/68年・地)        ×

(15)02年★ 職員懇談飲食経費返還     (地裁で半分返還/03年・地)    ○
98年★ 県議会旅費食糧費返還      (地裁で一部返還/最)       △
03年◇ 知事懇談会情報非公開        (公開/県が取下/高)     ○
99年◇ 県議会懇談会情報非公開  (大部分公開/0.1%は棄却04年・最) ○

(14)00年◇ 首都機能移転委託情報非公開      (公開/06年・最)     ○
00年★ 首都機能移転県費返還 第2次   (棄却/01年・地)       △
96年★ 首都機能移転誘致経費第 1次 (高裁で逆転勝/棄却03年・最)   ×

(13)05年◇ 中山間試験場地不正経理非公開(一部公開/地/他は棄却・09年最)    △
00年★ 専門学校カラ出張・裏金       (一部返還和解/地)   ○
00年◇ 専門学校カラ出張・裏金情報非公開    (和解取下/地)      △

(12)02年★ 県営北方住宅建設費差止      (棄却/08年・地)        △
02年◇ 県営北方住宅補助金情報非公開  (大部分公開/03年・地)   ○

(11)03年◆ 住基ネット不受理取消・不作為  (棄却/05年・地・同年高裁取下)  ×

(10)99年◇ ゴルフ場文書非公開取消訴訟     (一部公開/04年・高)    △

(9)00年★ 納税貯蓄組合連合会補助金返還    (和解/04年・高)      △

(8)01年★ 岐阜市長選挙違反職員給与返還    (棄却/06年・最)       ×
01年◇ 岐阜市長選挙違反職員調査票非公開 (大部分非公開/05年・最)   ×

(7)00年★ 県議会非会議日旅費返還 第2次   (棄却/最)          ×
  98年★ 県議会非会議日旅費返還 第1次   (棄却/最)          ×

(6)03年★ 職員互助会自販機電気代  第2次 (徴収確約・和解/地)      ○
  01年★ 職員互助会自販機電気代  第1次 (徴収確約・和解/地)      ○

(5)04年★ 有罪確定首長退職金返還      (棄却/08年・最)        ×
  02年★ 首長逮捕拘留中給与返還      (給与全額返還/03年・地)   ○

(4)99年◇ 児童生徒事故報告書(地裁は一部公開/全部非公開/高・03年・最)   ×

(3)99年★ 高校生盗撮教師退職金返還   (棄却/02年・地)         ×

(2)00年★ 県寄附土地買戻金 (31億→20億となり弁論直前に取下/00年・地) ○

(1)99年★ 寺舎建設協力費      (期間徒過で却下/00年・高)       ×
  98年★ 火葬場用地手付金(1000万円全額返還で弁論直前に取下/98年・地) ○ 
                     



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08:40 from web
政府のエネルギー政策意見聴取会が福島で開かれた。「原発ゼロ」の意見が圧倒。当然だろう。発表者から「悲惨な状況見て」という声も。それが現地の声。ところで、原子力規制委員会委員長に田中氏を候補とする政府案。欠格事由に該当すると撤回を求められた⇒bit.ly/Qu6qCI

by teramachitomo on Twitter

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