内閣府原子力委員会の主要メンバーや事業者、官僚らが各回の小委員会の公式会議前に秘密会議を開き、当日の本番の会議を誘導する相談を進めていた問題。
今年の5月に発覚したこと。
日本の原子力政策の根底がこんな形を含めて私物化されてきたのかと改めてあきれた人も少なくないだろう。
これら、原子力ムラの住人。官僚や学者も同列。
この問題で、全国の弁護士らが7月18日、最高検に関係者の告発状を提出していた。
これに対して、東京地検特捜部は昨日15日、受理したという。
政府が設置しようとしている「原子力規制委員会」のあり方や人事にも影響し得ること。
さすが弁護士、と思った。
関連情報を整理しておく。
なおこのブログの過去分では、
2012年5月25日ブログ ⇒ ◆核燃サイクル原案:秘密会議で評価書き換え 再処理を有利に/今の民主党政権は自民党政権以下
2012年8月2日ブログ ⇒ ◆原子力規制委員会委員長は不適格
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●原子力委秘密会議:全国18弁護士が最高検に告発状
毎日新聞 2012年07月18日
内閣府原子力委員会による秘密会議問題で、全国18人の弁護士が18日、最高検公安部に告発状を提出した。
近藤駿介原子力委員長ら27人が、「表」の小委員会で使用予定の議案や原発反対派の作成した意見書など計32件402ページの文書を、電気事業者に漏えいした行為が国家公務員法(守秘義務)違反容疑などに当たるとしている。
18人は「脱原発弁護団全国連絡会」に所属する北海道、東京、愛知、大阪、福岡など11都道府県の弁護士。
告発状は、近藤委員長を含む5人の原子力委員▽内閣府▽文部科学省▽経済産業省・資源エネルギー庁の各職員ら計27人が、昨年11月〜今年4月の秘密会議で、外部への配布が許されない「機密性2情報」と明記された文書などを事業者7人に渡したとしている。
告発人の紀藤正樹弁護士は会見で「反対派を封じ込めるために秘密会議を開いていた。民主主義の根幹である『手続きの適正さ』にかかわる問題」と強調。
望月賢司弁護士は「告発は5人の原子力委員を解任しない政府への抗議だ」と述べた。内閣府原子力政策担当室は「告発の有無を確認中で(現段階では)コメントのしようがない」としている。【核燃サイクル取材班】
●秘密会議:東京地検が告発受理、捜査へ…守秘義務違反容疑
毎日新聞 2012年08月16日
内閣府原子力委員会が原発推進側だけで「勉強会」と称する秘密会議を開き、「表」の小委員会で使用予定の議案などを電気事業者に事前提供していた問題で、東京地検特捜部は15日、全国12都道府県の弁護士21人が提出していた告発状を受理した。今後、国家公務員法(守秘義務)違反容疑などで捜査を開始する。
告発状は近藤駿介原子力委員長や鈴木達治郎委員長代理ら27人が昨年12月〜今年4月、職員以外に知らせてはならない「機密性2情報」を含む計24件364ページの資料を事業者7人に渡し、秘密を漏らしたとしている。先月18日、弁護士18人が最高検に告発状を提出。その後、福島県と大阪府の弁護士計3人が告発者に加わった。【核燃サイクル取材班】
●原子力委秘密会議:「小委員会の議論を誘導」検証チーム
毎日新聞 2012年08月06日
内閣府原子力委員会が原発推進側だけで「勉強会」と称する「秘密会議」を開いていた問題で、内閣府の検証チームは6日、「電力関係者に不利なシナリオを削除するなど(表の)小委員会の議論を誘導した。
「結論が影響を受けた可能性も否定できない」と指摘する報告書をまとめ、細野豪志・原発事故担当相に提出した。
近藤駿介原子力委員長や電気事業者が参加して「調整会議」を開き、小委員会の最終的な取りまとめについて議論したことも初めて明らかにし「中立性、公正性、透明性の観点から不適切」と結論づけた。
「議論は(秘密会議の)影響を受けていない」と主張してきた原子力委にとって厳しい内容となった。近藤委員長は、記者団に「今後検討し対応を明らかにする」と述べた。
報告書はまず秘密会議の性格を検討。内閣府が発信したメールに「勉強会(秘密会議)で方向性を検討し、その方向性に従い審議する」と記載されていることから「(原子力委が主張する)作業会合にとどまらず議論に影響を及ぼす目的を持つ」と指摘した。
●原発推進秘密会議:司会役がメール削除 隠滅の疑い
毎日新聞 2012年07月27日
内閣府原子力委員会が原発推進側だけで「勉強会」と称する秘密会議を開いていた問題で、司会役だった内閣府原子力政策担当室の職員(当時)が、パソコンから大半の関連メールを削除していたことが関係者の話で分かった。内閣府が設置した検証チームなどが2回にわたり関連資料の提出を要請した後に実行しており、意図的な隠滅の疑いがある。
事態を重視した検証チームは、内閣府のサーバーからメールを復元する作業に乗り出した。【核燃サイクル取材班】
この元職員は山口嘉温(よしはる)・上席政策調査員(当時)。秘密会議問題発覚後の事務局(原子力政策担当室)態勢見直しに伴い、6月末に内閣府を退職して7月1日付で出向元の「日本原子力発電」に戻った。
最初に資料提出を求めたのは、原子力政策担当室の中村雅人参事官。6月上旬、同室職員に対し、自主的にパソコンを調べ関連するメールを発見次第提出するよう指示した。
●何が書いてあった?原発出向者「秘密会議」のメール削除【目がテン】
日刊!目のニュース 2012年7月28日 13:00
秘密会議「勉強会」の実態調査を妨害か?
内閣府原子力委員会の原発推進側が行なっていた秘密会議「勉強会」問題で、司会役の内閣府原子力政策担当室の職員(当時)が、パソコンから大半の関連メールを削除していた。
7月27日付の毎日新聞によると、秘密会議の検証チームが関連資料の提出を要請した後に削除しており、意図的な隠滅が疑われる。
メール削除の司会役は「原電」出向者だった!
メールを削除した元職員は、山口嘉温(よしはる)上席政策調査員(当時)。日本原子力発電株式会社から出向しており、中核的な役割を果たす司会者として会議を推進していた。
検証チームがメールを含む全関連資料の提出を求め、秘密会議の実態解明を進めている中で、山口調査員が秘密会議出席者との間でやり取りしたメールの大半が、提出されなかった。
検証チームが追及したところ、山口氏はメールを「消去した」と回答。この事態を重く見た検証チームは業者に依頼し、24時間態勢でメールの復元作業を行なっている。
治らない隠蔽体質
Twitterでは政府の隠蔽体質に不満が続出している。
「事業者から内閣府の原子力政策担当室に出向しているのか。癒着どころではないな。事業者に原子力政策の実務を丸投げが常態だったとは」
「どこまでいっても役人の隠蔽体質は変わらない。これは、国民を徹底的に舐めている証拠だろう。本件は情報漏えいで告発もされている。事実解明と厳格な措置を期待するが‥」
「犯罪行為ではないのか? 」
「原子力村の実態を暴くためにも、徹底的に追求すべき」
「出向元の「日本原子力発電」に戻った。"って、こんな人事がフツーにあるの?そこからしてムラの意思を感じる。これじゃ駄目じゃん」
●核燃サイクル:秘密会議問題 日本原燃4人出席 選択肢に意見、全量再処理を主張 議論誘導関与は否定 /青森
毎日新聞 2012年08月08日
内閣府原子力委員会が原発推進側だけで「勉強会」と称する秘密会議を開いていた問題で、日本原燃が幹部ら4人を出席させていたことが、内閣府の検証チームがまとめた報告書でわかった。
原燃はチームの調査に対し、「全量再処理の立場から話をしたことはある」と、秘密会議で全量再処理を主張したことは認めたが、議論を誘導した点については否定した。【酒造唯】
原燃によると、出席していたのは田中治邦常務(当時)や小杉公二経営企画室部長ら4人。このうち田中常務と小杉部長の2人が、検証チームのヒアリングに応じた。
公開されたヒアリング結果によると、田中常務は、秘密会議20+件の意義付けについて「推進団体のデータがないと資料作成ができないので当然」、小杉部長は「事業者を交えた打ち合わせは必要だが、誤解を与えない配慮は必要」と、必要性を主張した。
原子力委の小委員会が議論していた今後の核燃料サイクルの選択肢については、田中常務が「4月6日の会合で、政策判断を先延ばしにする『留保』案の問題点を解説した」、小杉部長が「原燃は再処理事業を行っているので、全量再処理の立場から話をしたことがある」と、選択肢に対して意見を述べたことを認めた。
一方、結論に与えた影響については「再処理と直接処分の『併用』を積極的に働きかける発言をするわけはない。政策面でこうすべきだという発言もしていない」(田中常務)、「全量直接処分になると立場上困ることになるが、政策の方向性を誘導する意見は言っていない」(小杉部長)と、いずれも関与を否定した。
調査チームは原燃に対し、秘密会議に関する議事録やメモなどの提出も求めたが、原燃は「作成していない」などと回答した。
●核燃サイクル:秘密会議問題 内閣府検証 「徹底調査」ほど遠く 原子力委への影響「可能性否定できぬ」
毎日新聞 2012年08月07日
◇省庁の協力、得られず
表の会議(小委員会)の結論に影響したのか−−。内閣府原子力委員会による秘密会議8件問題の最大の焦点について、内閣府の検証チームは6日「可能性を完全に否定できない」と指摘しつつ断定には至らなかった。約1カ月半という調査期間と、後藤斎(ひとし)・副内閣相を含め12人という態勢。徹底調査とは言えない姿勢に批判の声が上がった。【核燃サイクル取材班】
影響を認定するには、まず秘密会議で何が話されたのかを確認しなければならない。しかし議事録はないとされ、入手できたのは概要の書かれた議事メモだけ。しかも高速増殖原型炉「もんじゅ」を運営する「日本原子力研究開発機構」の提出分だけだった。
検証チームに対し、鈴木達治郎・原子力委員長代理は「(秘密会議で)経済産業省と電気事業連合会はメモをとっていた」と証言した。しかし、経産省は「メモは見つかっていない」、電事連は「組織で管理しているものではなく(個人的なものなので)提出を控える」と回答した。検証チームの吉川晃内閣府官房審議官は6日、記者会見で「議事メモがあるかどうか経産省に2度3度聞いたが『ノート1枚も取っていない』という。非常に不自然だと思う」と異例の言及をした。
なぜ協力が得られなかったのか。日本相撲協会の野球賭博問題で特別調査委員会の委員を務めた村上泰(やすし)弁護士は、内閣府が秘密会議参加者に対して出した協力要請文(6月14日付)の発信者が後藤副内閣相だった点を重視する。「人事権者なら指示(協力要請)に従わなかった場合、制裁される。しかし副内閣相では内閣府職員にしか権限が及ばない。他省庁の協力を得るなら、内閣トップ(首相)が指示しなければならない」と指摘する。電事連についても「監督官庁(経産省)を通じての指示なら従ったはず」とみる。
しかし野田佳彦首相も枝野幸男経産相もまったく動かず、甘い認識が調査の壁になった。吉川審議官は会見で「我々はお願いという形しかできない」と語った。
調査チームは当初7人で、危機管理に詳しい国広正弁護士らが顧問に就任したのも7月13日だった。
九州電力やらせメール問題で第三者委員会委員長を務めた郷原信郎弁護士は「調査態勢が不十分。途中から増員されたが、逐次投入はいい結果を生まない。トップの問題認識が不十分であれば、十分な調査は難しい」と話した。
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