トランプ氏の「法律は関係ない」という姿勢は、集会やツイッターなどはともかく、裁判になると通用しない。
1月に出した入国制限令が裁判所であっさりと否定されて「改めて出す」ことで最終結論を回避していた。今回、新入国制限令として出したが、また、裁判所に 執行停止とされた。
トランプ氏は、「最高裁に上訴も」としている。
そう簡単にトランプ流が通るわけがない。
「大統領」として好き勝手に発言しているから、裁判では、それら逐一がかえってマイナスになる。
そのあたりの指摘は次。
★ブルームバーグ 3月17日★≪トランプ米大統領の発言が影響も、新入国制限令差し止め上訴で/トランプ大統領自身が発した言葉が法廷で政権に不利な証拠としてつきまとう恐れがある。・・大統領発言は新入国制限令策定の「真の動機を裏付ける」ものだと弁護士らが指摘する可能性がある。≫
ということで、最近の状況を記録しておく。
●トランプ氏の新大統領令、以前とはどこが違う-Q&A/ブルームバーグ 2017年3月7日
●16日発効のトランプ・新入国中止令、6州が執行停止を求め、提訴/スプートニク日本 3月14日
●米入国制限の大統領令 執行停止に ハワイ州連邦地裁が仮処分/NHK 3月16日
●トランプ入国禁止令、イスラム教差別でまた差し止め/ニューズウィーク日本版 3月17日
●トランプ氏「最高裁に上訴も」、入国制限令差し止め巡り/ロイター 3月 17日
●トランプ米大統領の発言が影響も、新入国制限令差し止め上訴で/ブルームバーグ 3月17日
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●トランプ氏の新大統領令、以前とはどこが違う-Q&A
ブルームバーグ 2017年3月7日
トランプ米大統領が6日署名した入国制限の新大統領令は、適用の対象者を減らすことで法廷で異議申し立てを行う人々の範囲を狭めた。それでも、訴えが起こされることはほぼ間違いない。
1.旧大統領令からの変更点は?
イラクが除外され、対象国がイラン、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンの計6カ国となった。また、難民受け入れの一律120日間停止に変わりはないが、前回特別に盛り込んだシリア難民の受け入れ無期限停止を取りやめた。グリーンカード(永住権)保有者や、大統領令の執行日以降に入国許可を得る人、それ以前に亡命を認められた人、既に合法的にビザを取得している人は適用の対象外だ。
2.旧大統領令で永住権保有者は適用外ではなかったのか?
当初、それは明瞭ではなかった。旧大統領令が出されて間もなく、米国内外の空港で混乱が生じ、ホワイトハウスのマクガーン法律顧問が永住権保有者は再入国ができると説明した。
3.新大統領令に異議を申し立てる法的権利は誰にでもあるのか?
恐らく。憲法上は米国民や米国内にいる人々にその権利があると解釈されるが、連邦高裁は旧大統領令が米国の住民ないし組織に関係する外国人の権利を侵害するリスクに言及し、入国を試みる外国人配偶者のために米市民が提訴できる可能性を残した2015年の連邦最高裁の判断を引き合いに出した。さらに、合法非合法を問わず、米国内の誰もが自らの自由や財産を奪われる前に法にのっとった適正手続きを受ける権利があることを最高裁が明確にしたとも同高裁は指摘した。
4.連邦高裁の判断は新大統領令にどう反映されたか?
高裁は旧大統領令について、トランプ政権による対象国選別の理由が十分ではないとし、現在の入国手続きがテロリストの脅威への対応に不十分な具体事例や、対象国の市民が米国内で連邦法を犯した証拠の提出を求めた。新大統領令は6カ国それぞれのテロ活動への関連を詳しく説明。イラク難民2人とソマリア難民1人が米国で最近起きたテロ関連犯罪で有罪となったことや、300人余りの難民が連邦捜査局(FBI)のテロ捜査の対象となっている現状も明らかにしている。
5.連邦裁判所のどの判断が依然問題か?
旧大統領令への異議申し立ての審理を行ったバージニア州の連邦裁判事は、イスラム教徒の入国禁止ではないとの政権側の説明に説得力はないと判断した。トランプ大統領が15年に「イスラム教徒の米国入国に対する全面的かつ完全な閉鎖」を求めたからだ。こうした過去の発言は、政府が特定の宗教に肩入れしたり宗教を理由に差別したりすることを禁じる憲法条項に大統領令が違反しているとの懸念を引き起こす。
6.そうした懸念に新大統領令はどう対応しているのか?
対象国とテロとの関連性の詳細説明に加え、宗教上の少数派に属する人からの難民申請に優先対応するとの条項を削除した。旧大統領令にあった同条項は一部で、イスラム圏の国々のキリスト教徒を優遇するものだと解釈された。
7.新大統領令への異議申し立てはあるか?
ほぼ一致した見方は、いかなる内容であろうと反対派は執行差し止めを求めて引き続き提訴するというものだ。
●16日発効のトランプ・新入国中止令、6州が執行停止を求め、提訴
スプートニク日本 2017年03月14日
米西部ワシントンなど6州政府は13日、イスラム圏6カ国からの入国と全ての難民の受け入れを一時禁止する大統領令の執行停止を求め、シアトル連邦地裁に提訴した。大統領令は16日に発効を控えており、地裁は早ければ15日に口頭弁論を開くと原告に伝えた。
米メディアによると、原告はワシントンに加え、東部ニューヨーク、マサチューセッツ、メリーランド、西部オレゴン、カリフォルニアの各州。これとは別にハワイ州も7日、ホノルル連邦地裁に同様の訴訟を起こし、口頭弁論が15日にある。
連邦政府はホノルル地裁へ提出した準備書面の中で、大統領は「国益にかなうと判断すれば、あらゆる外国人の入国を制限あるいは一時禁止できる」広範な権力を保持すると反論している。
イスラム圏7カ国を対象にした旧大統領令は、ワシントン州などが執行停止を求めて提訴し、シアトル連邦地裁が即時停止の仮処分を決定。連邦控訴裁もこれを支持した。ワシントン州は新たな大統領令にもこの決定を適用するよう求めたが、地裁はこれを却下し、新たに訴訟手続きをとるよう求めていた。
今月10日に中西部ウィスコンシン州のマジソン連邦地裁が大統領令の執行を停止する仮処分をしたが、適用対象者は提訴した州在住のシリア難民男性と、その家族のみ。ワシントン州などによる訴訟は大統領令の全面的な執行停止を求めており、訴えが認められれば全米に効力を及ぼす。毎日新聞が報じた。
●米入国制限の大統領令 執行停止に ハワイ州連邦地裁が仮処分
NHK 3月16日
アメリカのトランプ大統領は今月6日、中東やアフリカの6か国の人の入国を一時的に制限することなどを命じる大統領令に署名し、ハワイ州は憲法に違反しているとして、州内にある連邦地方裁判所に執行の停止を求める仮処分の申し立てなどを行いました。
連邦地方裁判所は15日、ハワイ州側とトランプ政権側の双方から主張を聞いたうえで、全米で大統領令の執行の停止を命じる仮処分の決定を出しました。
その中で裁判所は「安全保障が重要な一方で、人々には自由に旅行し、家族が一緒になり、差別から自由になる権利がある」と指摘しました。そのうえで、「ハワイ州側は、大統領令が信教の自由を定めた憲法に違反するおそれがあることを証明した。全米での執行の停止が妥当だ」としています。
トランプ大統領は、ことし1月に出した同じ目的の大統領令が、裁判所による仮処分の決定で執行が停止されたため、今回の大統領令では制限の対象を絞っていましたが、またも執行停止の判断が示されたことで、大きな痛手となりそうです。
トランプ大統領はこの日の演説で、「悪く、悲しいニュースだ。前例のない司法の行きすぎだ」と批判したうえで、「必要なら連邦最高裁判所まで持ち込む」と述べ、裁判で争う姿勢を示しました。
トランプ大統領が批判
これについて、アメリカのトランプ大統領は、15日、南部テネシー州での演説で「悪く、悲しいニュースだ。前例のない司法の行きすぎだ」と批判するとともに、テロ対策のために必要な措置だと強調しました。
そのうえで、「われわれはひどい決定と闘うつもりだ。必要なら連邦最高裁判所まで持ち込む。われわれは勝利し市民の安全を確保するだろう」と述べ、裁判で争う姿勢を示しました。
民主党「憲法にとって大勝利」
アメリカの野党・民主党の全国委員会は、15日、声明を発表し、「トランプ政権にとって再び大打撃となった」と指摘しました。そのうえで「われわれの憲法にとっては大勝利だ。アメリカは、宗教に基づいて差別しない」と強調しました。
●トランプ入国禁止令、イスラム教差別でまた差し止め
ニューズウィーク日本版 2017年3月17日
イスラム教徒らの入国を一時禁止する新たな大統領令が、米ハワイ州ホノルル連邦地裁による執行差し止め処分を受けたのに対し、ドナルド・トランプ米大統領は米連邦最高裁まで争う姿勢だ。
16日の集会でトランプ大統領は、この判決はアメリカを「弱く見せる」、「ばかげた判断」と批判。「もう時間は無い、国境を見てみろ」と支持者に呼びかけ、連邦最高裁への上訴を含め「必要な限りどこまでも」争う意志を示し、「我々が勝つ」と述べた。
新たな入国禁止令は、イラン、リビア、シリア、ソマリア、スーダン、イエメン計6カ国のイスラム圏の市民が対象。90日間の入国が禁止されるほか、すべての難民の受け入れを120日間停止する。1月に執行停止となった大統領令からイラクを削除するなどして、トランプ米大統領が今月6日に署名した。
ハワイ州連邦地裁のデリック・ワトソン裁判官は、大統領令がイスラム教徒に対する差別を意図していると述べた。
東部メリーランド州の連邦地裁でも16日、大統領令について一時的な執行停止を命じた。差し止めを命じたのはハワイ州に続いて2例目で、この動きは他の州にも広がっている。メリーランド州のセオドア・チュワン判事は「入国禁止令は憲法に規定された信教の自由を侵害する」とし、「アメリカに分裂の種がまかれるのを避けるために、憲法の基本的原則を守る必要がある」と言い渡した。
トランプ大統領はこの決定を「司法の行き過ぎ」と批判。必要なら最高裁まで戦う、と支持者に宣言した。現在、最高裁判事は定員9人のところ在職は8人でリベラル派と保守派が拮抗している。
トランプから最高裁判事に指名された保守派のニール・ゴーサッチが米上院で承認されたとしても、トランプの大統領令が執行されるとは限らない。最高裁判所の仕事は党派政治に屈することなく、入国禁止令が合憲か違憲かを判断することだからだ。
・・・(略)・・・
●トランプ氏「最高裁に上訴も」、入国制限令差し止め巡り
ロイター 2017年 03月 17日
[ホノルル/ニューヨーク 16日 ロイター] - トランプ米大統領は、イスラム圏諸国からの入国を制限する新たな大統領令に対する連邦地裁の一時差し止め命令を受け、必要であれば最高裁に上訴するとの考えを示している。
ハワイ州の連邦地裁は15日、同州が求めた新大統領令の一時差し止めを認める判断を示した。16日にはメリーランド州の連邦地裁も、米国自由人権協会などが提起した訴訟で同大統領令の一時的な執行停止を命じた。
2州の地裁が差し止め命令を下したことで米司法省はまず、どちらか、あるいは両方の訴訟に関して数日以内に上訴する見込みだ。
トランプ大統領は15日の集会で、ハワイ州地裁の判断を受け、大統領令が合法との判断を得るため、最高裁への上訴を含む必要な措置を講じると表明した。
しかし、その道は険しいとみられる。政権は今後、第4および第9巡回控訴裁に上訴する見通しだが、両裁判所ともオバマ前大統領が任命した判事が過半を占める。
さらに最高裁は現在、保守派4人、リベラル派4人とスカリア判事が死去して以降9人目の判事不在で拮抗(きっこう)した状態となっている。
トランプ氏はこのポストに保守派のニール・ゴーサッチ氏を指名。共和党は4月半ばまでの同氏の指名承認を目指しているものの、それでは政権の上訴を巡る最高裁の審理に加わるには遅過ぎるだろう。
●トランプ米大統領の発言が影響も、新入国制限令差し止め上訴で
ブルームバーグ 2017年3月17日
トランプ米政権は修正後の新入国制限令に対する裁判所の差し止め命令を不服として、近く上訴する方針だとホワイトハウスのスパイサー報道官は表明した。だが上訴した場合、トランプ大統領自身が発した言葉が法廷で政権に不利な証拠としてつきまとう恐れがある。
ハワイ州の連邦地裁判事は15日、新大統領令の発効数時間前に執行を差し止めた。メリーランド連邦地裁判事も数時間後に差し止めを命じる仮処分を出した。
トランプ大統領はテネシー州ナッシュビルでの集会で、「最初の大統領令に立ち戻ってやり通すべきだ。私は最初からそうしたかったのだ」と発言。聴衆から長い拍手喝采を受けた。
大統領が1月27日に署名した最初の入国制限令は、少数派のキリスト教徒を優遇し、有効ビザ(査証)を持つ多くのイスラム教徒の入国を阻止する内容だったことから、裁判所判事が差し止めていた。3月6日署名の修正大統領令はこうした法的欠陥を修正することになっていた。
ニューヨーク州立大学のスティーブン・ワズビー教授によれば、大統領発言は新入国制限令策定の「真の動機を裏付ける」ものだと弁護士らが指摘する可能性があるという。同教授は「トランプ氏は最初の大統領令に立ち返りたいと述べた。最初の大統領令は修正したものよりも宗教的差別が露骨だった」と述べ、「トランプ大統領が好むと好まざるとにかかわらず、彼の言葉が裁判に影響を及ぼすだろう」と語った。
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