アメリカのトランプ氏がもっとも強調していた公約の一つ「オバマケア代替案」について、議案が撤回された。
24日の採決を延期して修正案との話もあったが、与党共和党の「完全廃止方向」を言う強硬派が反対、「保険に入れない人が増える」と反対の共和党穏健派のどちらにもそっぽを向かれた。民主党は無論反対だから、否決されるのは確実なので、撤回となった旨。
日本と違ってアメリカの保険制度は弱者が悲惨な状態になっているので、改善を図ったオバマ氏、それをつぶそうと公約した強者トランプ氏、しかし、与野党の反対であきらめざるを得なくなった。
(関連)3月24日ブログ ⇒ ◆オバマケア代替案 挫折、採決延期-保守派が妥協案検討/新政権の運営能力に不安も(時事)
外国人差別制度も裁判所に否定され、その修正をして出しなおした制度も否定されている政権、続いて目玉公約の失敗で、当然トランプの実行力のなさが際立つ事態になる。
そんなあたりを記録しておく。
なお、ブログは朝出すようにしているが、今朝は、某大都市の市議から訴訟関連の相談があって、文書の点検などしていた。それを済ませて、そのまま畑仕事に出たので、昼休みにブログを出すことになった。
●米トランプ政権の政策実行能力に疑問符-オバマケア代替案撤回で/ブルームバーグ 2017年3月25日
●トランプ氏の説得不発 米共和党の分断露呈/日経 3/25
●トランプ米大統領、共和党議員も批判-オバマケア代替案撤回/ブルームバーグ 3月27日
●目玉公約が頓挫 トランプ政権に大打撃/fnn 3/25
●トランプ神話崩壊も/時事 3/25
●オバマケア廃止に失敗したトランプ大統領、その意外な理由は...バノン氏の偉そうな一言?/Huffington Post 3月26日
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●米トランプ政権の政策実行能力に疑問符-オバマケア代替案撤回で
ブルームバーグ 2017年3月25日 05:34
米下院共和党は24日、医療保険制度改革法(オバマケア)を改廃する法案の採決を断念した。可決に必要な票を確保できなかったためで、トランプ政権が他の政策課題を実行する能力に疑問符が付く結果となった。
オバマケアの撤廃を公約に掲げていたトランプ大統領とライアン下院議長にとって、採決の断念は敗北を意味する。態度を保留していた共和党の保守派や穏健派の説得に失敗した。
ライアン議長は「取り繕うことはしない。われわれには残念な日だ。だがこれが結末ではない」と記者団に語った。
トランプ大統領はホワイトハウスで記者団に対し、可決にはおそらくあと10票足りなかったとし、「オバマケアの混乱が爆発した後に、実に素晴らしいヘルスケア法案が得られるだろう」と話した。
ライアン議長は共和党の形勢立て直しには少し時間がかかるだろうとし、「今後はアジェンダの残りの法案成立に向けた作業に移る。税制改革を進める」と述べた。
病院関連株が急騰
採決断念を受け、病院運営を手掛ける企業の株価は大幅高となった。BIノースアメリカ・ホスピタルズ・コンペティティブ・ピア・グループ指数は5.4%高で終了。メディケイド(低所得者向け医療保険)関連業務を中心に手掛けるセンティーンも5.2%高の68.73ドルとなった。
共和党の法案は、オバマケアの下で拡大されたメディケイドの縮小や補助金の制限で医療保険の予算を大幅に削減することを目指していた。成立すれば、病院や保険会社への打撃となっていた。
共和党の保守派は、より完全なオバマケア撤廃を求めていた。一方の穏健派は、同党の法案では2026年までに無保険者が2400万人増えるとの試算を議会予算局(CBO)が示したことで及び腰になっていた。
水面下でライアン議長を非難
オバマケア改廃の失敗は、共和党が上下両院とホワイトハウスを制しても、党の目標の一致が容易でないことを浮き彫りにした。
トランプ大統領は公にはライアン議長をねぎらい、同議長も大統領の努力に謝意を表明した。しかし政権幹部によると、裏では大統領の側近が法案撤回を巡りライアン氏を非難しているという。
上院司法委員会のグラスリー委員長(アイオワ州)はツイッターへの投稿で、今回の出来事で得られた教訓の一つは「米国の社会政策の大きな変更は超党派で行わなければならない」ことだと指摘した。
●トランプ氏の説得不発 米共和党の分断露呈
日経 2017/3/25 9:28
【ワシントン=河浪武史】トランプ米大統領が24日、医療保険制度改革法(オバマケア)の代替法案を撤回し、早くも政権運営の大きな失点となった。同法見直しを選挙公約に掲げたトランプ氏は、自ら反対派の説得に当たったが不発に終わり、議会指導部のライアン下院議長も意見集約に失敗。30年ぶりの税制改革など目玉政策の実現にも危うさが漂い始めた。
トランプ大統領は法案撤回を決めた直後、悔しさをにじませて記者団にコメントした。オバマケアの見直しは目玉公約の一つで、米議会で採決にかける初の大型法案でもあった。それが、お膝元の与党・共和党の“反乱”であっさり頓挫し、強気なトランプ氏も衝撃を隠しきれなかった。
トランプ政権と共和党指導部がオバマケアの見直しを冒頭の政策課題にもってきたのは、容易な法案成立が見込まれたためだ。米議会は上下両院とも今年1月に「オバマケアの撤廃」を決議済み。与党・共和党の意見集約はほぼ終わっていたとみられていた。
ただ、議会指導部とホワイトハウスが法案を公表すると、財政保守派からは「公約の完全廃止からはほど遠い」と反対意見が噴出。米議会予算局が「オバマケア代替法案が実現すれば2026年に無保険者が2400万人増える」との試算を公表すると、党内穏健派は逆に「見直し案は行き過ぎだ」と難色を示し始めた。党内は総論賛成、各論反対となり、完全に収拾がつかなくなった。
トランプ氏は21日に自ら議会に乗り込んで説得工作を開始。「実現しなければ18年の中間選挙で共和党は議席を失う」と脅しをかけた。23日には保守強硬派をホワイトハウスに招いて、法案への賛意を呼びかけた。それでも「過半数(216票)に10~15票足りなかった」(トランプ氏)といい、下院共和(237議席)の30人前後はかたくなに反対姿勢を貫いた。
ライアン下院議長の求心力も大きく低下した。同氏は連邦法人税率を35%から20%に下げ、輸出は免税して輸入は課税強化する大規模な法人税制改革を提案。大型減税を掲げるトランプ氏と歩調を合わせてきた。ただ、大減税には再び財政保守派の反対が見込まれ、ライアン氏も24日の記者会見で「税制改革は困難になったが、不可能ではない」と微妙な物言いをせざるを得なくなった。
株式市場が米政権に期待してきたのは、共和党がホワイトハウスと議会多数派をそろって握ることでの政策実行力だ。トランプ政権発足2カ月で露呈した共和党内の分断は、政権運営に重い課題を突き付けた。
●トランプ米大統領、共和党議員も批判-オバマケア代替案撤回
ブルームバーグ 2017年3月27日 10:33
造反議員のグループや保守派シンクタンク・団体を非難
大統領はライアン議長の辞任を望まずと、首席補佐官は火消し
トランプ米大統領は、医療保険制度改革法(オバマケア)の撤廃・代替案の採決断念と撤回を迫られたことで24日に民主党議員を非難したのに続き、26日には共和党指導部や同案に反対したグループなどに批判の矛先を向けた。
トランプ氏は、オバマケア撤廃には不十分だとして代替案に反対した下院共和党保守派グループの「下院自由議員連盟」と、保守派シンクタンクのヘリテージ財団、自由市場を推進する団体「クラブ・フォー・グロース」をツイッターで酷評した。ホワイトハウスや共和党指導部への造反も辞さない最も強硬な同党議員から成る下院自由議員連盟の不支持が主因となり、同法案は24日に予定されていた採決が急きょ見送られた。
「民主党はワシントンでほほ笑んでいる。自由議員連盟がクラブ・フォー・グロースとヘリテージの後押しで、プランド・ペアレントフッドとオバマケアを救ったのだから!」と、トランプ大統領はツイッターで述べた。プランド・ペアレントフッドは妊娠・出産などに関するサービスを提供する民間非営利団体(NPO)で、共和党は代替案で同団体への資金援助打ち切りを狙っていた。
一方、FOXニュースの司会者、ジェニン・ピロ氏は25日夜の番組冒頭で、ライアン議長が「ヘルスケア法案で十分な賛成票を集められなかった」ことから辞任すべきだと呼び掛けた。トランプ氏はこれに先立ち同日、同番組を見るよう支持者にツイートしたが、プリーバス大統領首席補佐官は26日の「FOXニュース・サンデー」で、トランプ氏は共和党支持者だったピロ氏を支援する狙いから番組を宣伝したにすぎないと述べ、火消しに追われた。
同首席補佐官は、オバマケア代替案の撤回を巡りトランプ大統領はライアン議長を責めたり、辞任を望んだりしていないと説明。自身の職も危うくなってはいないと語った。
●目玉公約が頓挫 トランプ政権に大打撃
fnn 03/25 17:59
政権に大打撃。トランプ政権が「オバマケア」見直しのために出した法案を、採決直前に取り下げた。目玉公約の頓挫に、求心力の低下は避けられない情勢となっている。
トランプ大統領は2016年10月、トランプ大統領は「オバマケアを取り換えるために、投票してください」と述べていた。
ところが、トランプ大統領は、そのオバマケアに代わる新たな法案を、24日の下院での採決直前に取り下げることを決めた。
トランプ大統領は「民主党の支持がなかったから、(代替案を)可決できなかった」と述べた。
取り下げの理由は、可決に必要な過半数の支持が得られなかったこと。
民主党のテリー議員は「『トランプケア』は、金持ちを減税する法案である」と述べた。
野党民主党は、新たな法案を「トランプケア」と呼び、激しく反対したのに加え、身内の共和党内でも、反対論が根強かった。
トランプ大統領は「『オバマケア』は、いずれ破綻するだろう」と述べた。
これで、オバマケアは、今後も続くことになり、トランプ大統領の求心力低下は避けられない見通しに。
アメリカメディアは、この問題で、トランプ大統領がある人物に激怒していると伝えた。
八つ当たりともいえる怒りのお相手は、娘婿のクシュナー上級顧問。
今週、トランプ氏が共和党議員らへの説得を続ける最中、妻・イバンカさんら家族と、コロラド州の高級リゾートで、スキーを楽しんでいたという。
そうした中、トルコの空港では、25日から、アメリカに向かう航空機について、ノートパソコンなどの機内持ち込みが禁止された。
イスタンブール国際空港では、アメリカ便に対する機内持ち込み禁止措置が始まった。
大きな混乱はないが、時折、係員に促されて、スーツケースの中にパソコンなどをしまう人の姿も見られた。
これは、トランプ政権が新たに命じたもので、テロ組織が電子機器の中に爆発物を仕込み、航空機の爆破を狙っているとして、イスラム圏8カ国の空港に対して行うもの。
スマートフォンよりも大きいタブレット端末や、ノートパソコンなどの電子機器は、預け荷物に入れなければならない。
乗客は、「ばかばかしい。トルコ人がテロリストでないのに」、「これで、飛行機が遅れたりするのは、問題だ」などと話した。
今後、彼らは、長時間のフライトをパソコンなしで過ごすことになるが、ヨルダンの航空会社は、ツイッターで、機内での過ごし方を提案した。
「空飛ぶ奇跡に感動」、「ひじ掛けを取り合う」、「テーブルをキーボードと思う」、「人生の意味を考える」など全部で12。
しかし、ノートパソコンなどの機内持ち込みを禁止することが、テロ対策として効果があるのか、疑問の声も上がっている。
●トランプ神話崩壊も
時事 2017/03/25-08:47
【ワシントン時事】トランプ米大統領が優先課題に掲げていた医療保険制度改革(オバマケア)見直しが失敗し、政策手腕に疑問符が付いた。トランプ氏は約30年ぶりの大規模減税を目指すが、権限を持つ議会との調整はオバマケア見直しよりも困難とされる。調整が長引けば「取引の天才」を自任するトランプ氏の神話は崩れそうだ。
トランプ氏はオバマケアを「災いだ」と非難し続け、自らの政権で「誰もが安く加入できる仕組みをつくる」と主張していた。しかし、見直し法案は、無保険者が大幅に増える上、歳出削減効果が乏しいと試算され、与党共和党の保守派も反発。トランプ氏は反対議員らを「(賛成しなければ)議席を失う」と脅したが、説得できなかった。
政権は保険改革を棚上げし、企業や市場の関心が高い税制改革に向かう。しかし、今回の失敗で、トランプ氏が議会対策の「魔法のつえ」を持っていないことが明らかになった。保険改革で見込んだ歳出削減も実現できないため、トランプ氏が訴える「驚異的な減税」の余地は狭まっており、曲折が予想される。
●オバマケア廃止に失敗したトランプ大統領、その意外な理由は...バノン氏の偉そうな一言?
The Huffington Post 2017年03月26日 11時34分 執筆者:Sebastian Murdock
アメリカのドナルド・トランプ大統領は3月24日、医療保険制度改革法(オバマケア)撤廃を目指して下院に提出した代替法案「アメリカン・ヘルス・ケア・アクト」を議会採決直前で撤回した。
オバマケアの完全撤廃を求める共和党保守派「下院自由議員連盟」(フリーダム・コーカス)の支持が得られず、賛成票が足りなかったことが撤回の大きな原因となったが、その背後には、トランプ政権のスティーブ・バノン大統領首席戦略官の高圧的な態度に対する共和党保守派の反発があった。
ニュースサイト「Axios」のマイク・アレン記者によると、30人ほどの「下院自由議員連盟」メンバーが23日にホワイトハウスを訪問した時、バノン氏は開口一番、「法案に賛成票を投じる以外、君たちに選択肢はない」と語ったという。
バノン氏は議員たちにこう言った。
「いいか諸君。これは話し合いではない。討論でもない。この法案に賛成票を投じる以外、君たちに選択肢はない」
下院の共和党議員たちは、実際にはこの問題に関して選択肢があることが分かっていた。バノン氏は明らかに、その事実を見誤っていた。
下院自由議員連盟のある議員は、バノン氏にこう言ったという。
「ああ、誰からか何か命令されたのは、俺が18歳の時が最後だな。親父がそうしていたよ。俺は親父の言うことなんか聞かなかったけどな」
バノン氏のこうした屈辱的な言動があり、法案は24日、採決直前で撤回という事態となった。
ニュースサイト「デイリービースト」によると、バノン氏の命令に従わなかった議員は全員「造反者リスト」に入れられるという。
「バノン氏はトランプ大統領に、この件に関する造反者リストに入れるべきだと言った」と、ある政府高官は「デイリービースト」に語った。「バノン氏はこの法案を廃案にしようとした共和党議員をリストアップしようとしている。それを『反逆者リスト』と呼んでいいのかどうかわからないが、そのリストには載りたくないな」
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