”「ああ、お月様。――あしたは下田、うれしいな。赤んぼうの四十九日をして、おっかさんにくしを買ってもらって、それからいろんなことがありますのよ。活動へ連れて行ってくださいましね」”(川端康成、伊豆の踊り子より)
・・・・・・雲を見に連れて行ってくださいましね。
下田のショップから、西伊豆ダイビングポイントの雲見まで車で40分。雲見の込み具合によって出発時間は変わるものの、だいたいは8時前後に乗用ワゴンあるいはダブルキャブトラックに分乗してショップを出発する。
この日のダブルキャブトラックは、岩手県仙台市出身(!?ww)というイントラのトシくんの運転。(彼はこの10月の連休明けにプーケットにあるダイブアジアに派遣されて行った。)
アップダウンの多い国道136号線。うっそうと木が生い茂る山道が続く。トシくんが我々ゲストに気を使って、「なにか聞きたいテープありますか?」と聞いてくる。
そう、このダブルキャブトラックのコンソールには、カーオーディオとして音楽カセットテープを聞けるという装備が付いているのだ。このアナログのオーディオ装備。もはや、入手困難かもしれない。
さて、カセットがいっぱい詰まったボックスから、ケースにハワイアンジャズと書かれているカセットテープを選び、再生。おもむろにホイットニー・ヒューストンの「I Will Always Love You」が流れてくる。1992年、日本で人気のケビン・コスナーとこの映画が初出演となったW・ヒューストンのサスペンス・タッチのラブストーリー、THE BODYGUARDの主題歌でヒットした曲だ。・・・・・・どうやら、カセットケースとテープの中身はごちゃごちゃになっているのかもしれない。
次に流れてきたのが、ロバータフラックの「やさしく歌って」。昔ネスカフェのCMに使われていたやつ。
tetujinが大学のころ聞いていた曲だから、もう大昔の曲なのだが、乗り合わせたゲストともども、みんな懐かしがって聞いている。
このカセット作ったのは誰なんだろう。そして、こんな懐メロをリアルタイムで聞いていたというゲストたちって・・・・・・。
なぜか、比較的、平均年齢の若い西伊豆のダイバーたちに混ざって、異様に濃いキャラが乗り合わせたダブルキャブトラックだった。
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