tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

雲見 ダイビングインストラクター(2)

2008-10-23 21:19:09 | プチ放浪 海沿い編

 

先日の10月の連休には、雲見に400人以上のダイバーが押し寄せた。下田ダイバーズも40人以上のゲストを迎え、インストラクターたちはてんてこ舞いだったようだ。そのせいか、初心者クラスだったぼくは、慶子さんのチームから人選に漏れ、同じくカメラ派の常連ダイバーの女性と2人で、前岡インストラクターのチームに入れられることになった。
実はこの昇格が問題だった。
無事に海中エントリーを済ませて、砂地を渡り、島のように突き出した根を右回りに旋回しようとしたときだった。
一緒に潜ったバディの女性が、砂地にカミソリウオ、あるいはフウライウオなどレアな魚を見つけたのかもしれない。彼女が砂地で魚を追っかけている間に、前岡氏とぼくは根を回ってその陰に隠れてしまった。
小さい根だから、すぐに抜け出ることができる。
根を通り過ぎた前岡氏が後ろを振り返り、彼女が付いてきていないことに気が付き、きょろきょろあたりを探し始めた。
彼女が魚を追っかけて遅れ勝ちなことを把握していたぼくは、根のをさらに回り込み、砂地の方向に進んで彼女を引っ張ってこようとした。
実はこの一連の行動は、ダイバーがやってはいけないことのオンパレードなのだ。
まず、バディシステムにおいて、ペアになったバディとは一緒に行動しなければならない。この場合、2人でロストするのが本当は正解なのだ。(多数決からすると、この場合、迷子になったのはイントラの方だと思うのだが、力関係でその事実を絶対に言ってはならない。)
次に、ロストした場合は、水中を絶対に探し回ってはならない。1分間、あたりを見回した上で、仲間を見つけられなかったら、頭上の安全を確かめてゆっくり浮上する。
安全停止を終えて水面に顔を出すと、そこで同じ手順で浮上した仲間と出会えることになる。
したがって、彼女を連れに戻ったぼくは、2重のロストのリスクを犯したことになる。

彼女を無事に回収できたものの、今度はぼくのロストが待っていた。ダイビング計画どおり、コースを回って浮上のポイントであるブイの近くまで来たときだった。後は、ブイのロープをたどってゆっくりと浮上するだけ。水深10mぐらいのそこで、ぼくは握りこぶしぐらいの大きさのヤドカリを見つけた。最初はそれを見間違いだと思った。あるいは、岩の下にカニが潜んでいるのだろうと思った。そのサイズのオニヤドカリが伊豆にいるとは思えなかったからだ。そのヤドカリらしき謎の生物の写真を何枚も撮っているうちに、みんなからはぐれてしまった。
どうせ後は浮上だから、まあいいっか・・・・・・と思ったのだが、実は内心あせっていた。うまく水面で会えなければ、そくざに海上自衛隊など関係部署に連絡が入り、大々的な捜索が始まる。
水中を探しまわらないのが原則なのだが、だめもとでブイのロープまで泳いでいったら、その向こうから前岡氏がこちらの行動をじっと観察していた。
見えてんのなら、水中ベルをならしてよ。この水中ベル。チリンチリンと結構音が響き渡る。これ以外にも音がするのは水中ホイッスルやタンクをカンカン叩く道具、それから名前がわからないがエアを噴出させてブイブイ言わせる緊急アラームもある。このブイブイはK子さんがエアの残圧をチェックするときに、アイコンタクトしないダイバーに向かってよく鳴らす。
ブイブイ言わせてるヤツ・・・・・・それはぼくのことだ。そして、この一件以来、幸いなことにぼくは慶子さんチームに出戻りとなった。


人気ブログランキングへ参加しています。
気に入った写真や記事がありましたら応援のクリックよろしくお願いします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする