tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

雲見 ダイビングインストラクター(1)

2008-10-22 20:51:26 | プチ放浪 海沿い編

 

”踊子は十七くらいに見えた。私にはわからない古風の不思議な形に大きく髪を結っていた。それが卵型のりりしい顔を非常に小さく見せながらも、美しく調和していた。髪を豊かに誇張して描いた、稗史的な娘の絵姿のような感じだった。踊子の連れは四十代の女が一人、若い女が二人、ほかに長岡温泉の印半纏を着た二十五六の男がいた。”(川端康成、伊豆の踊り子より)

どうせ伊豆のダイビングサービスに関連した記事を書くのだから、川端先生のような格調高い文学的な表現をしたいのだが、・・・・・・文才が無いっす。
さて、雲見のダイビングサービスには、この10月現在、カズさんを含めて6人のインストラクターがスタッフとして常駐しており、4~5名のゲストを一チームとして、多いときは40名にも上るゲストのガイドを担当している。

スタッフの中で、最古参は4月11日生まれのみほちゃん。笑顔がかわいい元気者の小柄な女性なのだが、「雲見」「田子」「須崎」どこでもガイドができる実力の持ち主らしい。それゆえ、彼女には常連のとりまきファンが多く、新参者のtetujinは常連客の外堀を埋めるに甘んじるしかない。

岩手県仙台市(!?)出身はトシ君。彼の出身地のことで笑わないようにと、カズさんからきつく釘を刺されている。前にも書いたが、彼は10月の連休明けにプーケットにあるダイブアジアに派遣されてもう日本にはいない。彼いわく、電波少年のように、3ヶ月あるいは1年のインターバルで突然の移動を命じられるらしい。そして、次の赴任地がどこになるのかは、神のみぞ知るとのこと。赴任先がタイ・リゾート、あるいは、西伊豆に限られており、ぼくから言わせればうらやましいの一言なのだが、「ロールプレーイングゲームの登場人物のよう」と明るく笑い飛ばす彼にしてみれば、胸中、複雑なところがあるのかもしれない。彼は、若い女性ゲスト担当。

ダイビングスタッフとして非常勤で羅針盤に通い始める前は、週末はバスケの審判として活躍していたという糸井さん。小太りフェチ、すなわち・・・・・・tetujinのボキャブラリーできちんと説明するのは難しいが、彼は明るい好青年だ。上級者から初心者まで、じつによく面倒を見てくれる。彼を見ていて、魚よりも人が好きなんだなと思ってしまう。どんなに疲れていても、夜遅くまでゲストに付き合って話相手になってくれる。しかも、下田ダイバーズのイントラたちは、ダイビングの前の晩は禁酒するという徹底的な安全管理のルール下にあるのだが、酔っ払ってハメをはずしているtetujinのたわごとなども、しらふのまま、まじめに聞き入れてくれる。

ゲストのチーム分けは、おおよそダイビングスキルによる(のだろう)。足を骨折していまだリハビリ中のtetujinは、女性らしい気配りに富む慶子さんの率いるチームに入れられている。いわゆる初心者クラスだ。彼女は、スキルの低いダイバーの引率を完璧にこなし、ダイバーが迷子になりやすい地形ポイントでは、必ず振り返ってゲストたちが幼稚園児のように付いて来ていることを確かめるし、フィンで10ストロークごと、すなわち、ゆっくりと10m進むごとに後ろを振り返って、ゲストの隊列に異状がないかを確認する。
水中であちこちカメラを向けるtetujinにとって、彼女のガイドはこの上もなく都合がいい。たまに、深みを泳いでいるチョウチョウウオを追っかけて隊列からはずれても、彼女はぼくをすぐに見つけてくれて、列に戻るのを待っていてくれる。マスク越しのアイコンタクトでにらまれはするのだが、彼女ほどゲストを水中でケアしてくれるガイドは未だ出会っていない。
おかげで、どんなに海底がダイバーで混雑していても、彼女のガイドでロストしたことはない。
言ってみれば、見えないロープで縛られた鵜飼の鵜みたいなものだろう。自由に魚を追っかけられるのだが、いずれ引き戻されて(ゲロさせられる?)


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