tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

インカ文明

2016-01-18 22:17:20 | プチ放浪 山道編

マチュピチュはウルバンバ川の急流を見おろす岩だなにある。街自体の上にワイナ・ピチュの急峻が突き出し、その円錐状の山頂はガイドブックとかでよく見る景色だ。
木・ワラ製の屋根を除けば遺跡は無事に残り、今もなお集落の全体が見渡せる。ここに神殿・宮殿・住居・要塞・耕地(アンデン)があった。
標高2400m。人を寄せ付けないような自然の中で、マチュピチュはアマゾン平原に向かう前線だ。
大神殿地区は山々の岩いわにきちんと固定された巨大石塊からなる。この建築には稜線の岩盤そのものに彫られた部分と、切り出して詰まれた切り石とが融合している。
奇妙な祭壇が掘られている天然洞窟では、地下の神である蛇アマルーのため供犠が行われた。インカ文明が信仰していた太陽ではなく、自然力に対する邪宗的崇拝だ。
インカは服従民族の土着信仰に重ねて自らの宗教を拡張し、これを帝国統一の道具とした。最上位におかれた崇拝は太陽へ、すなわち、インカに向けられていた。
この意味で彼らの戦略はローマ人とおなじだった。
つまり、インカ文明は、種々の先史期社会のるつぼなのだ。


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