インカを代表するアンデスの先住民たちは天体の動きに精通していた。
太陽、月、星の動きを観察しながら、季節の変わり目や雨季と乾季の到来を判断し、農業に役立てた。
雨季に関しては、リャマの星座にまつわる神話がある。
「空のかなたに大きなリャマが住んでいる。このリャマは地上に洪水を引き起こす大きな水溜りを探して歩いている。リャマは水たまりを見つるとゴクゴクと全部飲み、夜中もずっと飲んでいる。水でお腹がいっぱいになると大空でおしっこをして、またのどが渇くとリャマは、水溜りはないかと捜し歩き始める」
そもそも、アンデスの先住民たちは、大地は大海から出てきた生き物と信じていた。
水は海から天に昇って天の川となる。毎晩、暗黒星雲の「リャマの星座」が海の水を長時間かけて飲み、それから天に昇ることで水が運ばれる。次に水は山で嵐となって激しく降り、それを迎え入れる大地を受精させる。つまり、水は男性、大地は女性。
他にも、興味深い神話として太陽と月の息子の空を飛ぶ神コンがいる。
かつて緑だったナスカ砂漠(パンパ)を砂漠に変え、すべての人々を肥沃な河谷へ追いやったのはこの神だ。その後、パチャカマクの神々が北からこの地へ来ると、コンは歩いて海に逃げた。それから、ある日彼は、いつかこの地へ帰ってくるといって空高く飛んで行ったという。
この言い伝えをもとに、ペルーの人類学者・民俗歴史学者のマリア・ロストウォロフスキ・デ・ディエス・カンセコはナスカ地上絵について次のように考えた。
ナスカ土器に多く登場するネコに似た顔の空飛ぶ神はコンであり、その神に自分の故郷に到着したことを知らせ、民が彼を手伝うつもりでいることを伝えるため、コンを崇拝する人々はパンパに巡礼に行った。パンパのラインは、各氏族集団がパンパへ入る道だった。彼らは巨大な台形のスペースに集まり、北からやってくると言い残して去った神への目印として動物画を描いたとしている。
・・・ナスカの地上絵については、宇宙人説に至るまで、人がおおよそ考えうる推論はほぼ出尽くしたように思える。
地上絵に関する事実からのみ推論すれば、ナスカの一筆書きの動・植物画は、歩くために作られた道であったと考えたほうがよいような気がする。
ただし、幅が20cmと細く、大勢の人々を対象にしたものではないだろう。
例えば、地上絵は古代の儀式において、リャマなど供物の血で乾いた大地を染めるためのテンプレートであったのかもしれない。
いずれ、この一筆書きの動・植物画は、霊験のほどが不明(雨乞いの効き目がなかったとか)のため次第に廃れ、中心を持つ放射状のラインの描画に変わっていったのかもしれない。
放射状のライン群の中心の数は62か所。マヤ文明でいう52年周期と比べると意味ある数字としては中途半端だ。
また中心点をプロットしてみても、意味ある図形は出てきそうもない。
中心を持つ放射状のラインは、アンソニー・F・アヴェが指摘したように、方向を示していると考えるのが妥当だろう。
あるラインは特定の月日の太陽の登る方向であったり、月の沈む方向であったりするのかもしれない。
また、暦があったとすれば、歴代62人の王の生誕の日付や、その他の重要な日付を記録したのかもしれない。
ラインに沿って四方から星を観察することで、放射状ラインの中心の真上に来るの星の特定の日時を調べていたのかもしれない。
地上絵は永遠の謎のメッセージだ。
Linhas de Nazca - Mistério Fantástico - [Full HD] - Peru - Incas.mp4
https://www.youtube.com/watch?v=tQfgA2lVXsw
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