ナスカの地上絵について、わかっていることは限られている。
そのいくつかを列記すると
1.砂漠漆(石の表面に沈着した黒っぽい酸化物層)で黒光りする石を並べた境界線
2.作りかけの線(ライン)
(両腕を伸ばしたくらいの距離で、20㎝~30cmの幅のラインから取り除いた石の山があり、石の山をラインの端に運んで高さ2㎝から1mの境界線を形成)
3、ラインには川の流れに沿って平行かあるいは垂直の台形が付属
3.植物や動物の絵は、すべてインヘニオ川の南岸に沿った26km^2の帯状地帯(砂漠)にかたまって存在
4.絵の輪郭部分は一筆書き
5.例えば、鳥の絵では275mのくちばし、73mの羽。例えば、全長90mくちばし46mのハチドリ
6.植物や動物の絵は、長い糸などがあれば下絵の適当な中心点を基準に拡大して描くことが可能
7.絵の特徴は、細長い三角形、ジグザグ、渦巻き
8.12.5m^2以上の面積の地上絵は227個で62%が台形、残りが長方形、三角形、その他(植物、動物など)
(300万m^2の面積の土地の石が取り除かれ描画となっていて、巨大台形の地(パンパ)の29%に相当)
9.中心から放射状に延びているラインは約800mの長さで762本存在
10.中心には石を積んだケルンがあり、62か所存在
11.ラインの幅は20㎝~46m、最大長さ12km、総計1600km
12.帯状地帯(砂漠)全域にナスカ土器の破片が散乱
絵の周辺には紀元前200年から紀元前600年ころのもの~1000年以降のもの
直線の周辺には600年~1000年のもの~1450年ころのもの
13.絵・ラインの製作時間は、100人が10時間労働で835m^2可能
(全体に換算すれば、100人が10時間作業すると3593日(約10年)で完成)
ナスカ上空を飛ぶと、圧倒的に無数のラインや巨大な台形の存在が目につく。セスナで降下し、近くによれば、動物や植物の絵の存在に気が付く。
作りかけのまま放棄されたラインの存在を考えると、ラインの周辺に比較的新しい土器の破片が散乱していることを考え併せて、その製作時期は動物や植物の絵よりも遅かったのかもしれない。
作りかけで放棄されたのは、権力者が変わったか、あるいは、信仰する宗教が廃れてしまったとも。
これまで、ナスカの地上絵については、その目的としていろんな推論がなされてきた。
しかし、今のところ、すべては仮説の状況であり、疑問に答えうる定説はない。
有名なのはマリア・ライへの星々の運行を地にうつしとって時を知る天文図であったとする説だが、確実に合致するラインはごく一部のみであり、すべてのライン、あるいは図形を説明しきれてはいない。
それでも、アンデスの文化を考え合わせると、地上絵は先住民たちの文化に生きている星座と関係しているというマリア・ライへの考え方が妥当だろうと考えられる。アンデスの人々は動物の星座を天の川に見た。そして星座の動物を地上に描いた。夜空の天の川は地上の川の鏡だ。だから、ナスカの人々はインヘニオ川の近くに星座と同じ地上絵を描いたのかもしれない。
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