tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

九份散歩

2018-06-05 21:46:21 | プチ放浪 都会編



九份含め台北という街は、特別に美しいわけではない。街歩きに向いているかといえば、そうとも思えない。緑や花が多いわけではないし、歴史的な建物が多いわけでもない。
九份に関していえば、宮崎駿のアニメのイメージを膨らませたというあの老街の赤い提灯の列がなかったら、町中の夜市のたたずまいと変わらなくなる。

九份の気候は、想像以上に厳しい。夏場の日差しはきつく湿度は高い。老街に近いホテルは日本のビジネスホテルのように狭く、窓からの眺めが格別にいいわけでもない。それにもかかわらず宿泊費は高い。九份のホテルで独特なのは、エアコンに加えて除湿器が常時稼働していることだろうか。
それほど湿気が多く、雨が降りやすい。

老街の夜が早いのは、日本の鎌倉などの観光地とおんなじで、地元の人たちのプライベートの時間を大切にするためなのだろうか。瑞芳から台北までの台鐵鉄道が夜遅くまで動いているのだから、もう少し店を閉める時間を遅らせてもよさそうなものだが、そういうわけにはいかないのだろうか。

九份の朝は遅かった。とっくに日が昇っても、わずかにローカルの年配の方たちが散歩するぐらいで、家々が朝食の支度にとりかかる気配も、新聞配達などの動きもまったくない。
夜の顔とはまた別の、しっとりと落ち着いた古い町の顔がそこにある。