tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

ロックアイランドツアー

2010-10-21 22:19:24 | プチ放浪 海沿い編

 
 
 
 

パラオの最大の島バベルダオブ島、アイライ州より南から、ジャーマンチャネルの手前までの石灰岩でできた島々をロックアイランドと呼ぶ。
これらの島は、火山の活動によって海底のサンゴ礁が隆起してできたものだ。
石灰石から出来ているので、鍾乳洞がいたるところにあり、第2次世界大戦中は隠れ家として利用された場所もあるらしい。
切り立った岸壁の島々は、長年の波による浸食を受け、波打ち際がえぐられたキノコのような形をしている。
石灰石が浸食を受けて海水中に粒子となって懸濁したものが、水底に白く泥状に堆積しているミルキーウエイと名付けられた入り江は、有名な観光スポット。
ダイコンのデータによれば、ミルキーウェイの水深は4メートルほど。上から見下ろした水面は乳白色。
青緑色に透き通った海の中で、その一角だけが、 見事なまでにくっきりと他とは違った色をしている。

飛び込んで海底まで潜り泥をかき集めて来る。 透視度はゼロ。
このサンゴ由来の泥は多孔質粒子ということもあり、保湿効果が抜群で肌にたっぷり塗りつけると天然の泥パックになるのだそうだ。
八重歯の笑顔のかわいいツアー・コーディネイターのレイさんによれば、市販の化粧用保湿液の6倍の保湿効果があるとのこと。

マングローブの生い茂るロックアイランドの入り江をシーカヤックでしばし散策。
マングローブの森の上空を、ときどきシラオネッタイチョウが飛行する。白く長い尾を持つ美しい鳥だ。
パラオでは最初の赤ちゃんが生まれた時に、ガースという伝統的なお祝いの行事があるのだが、そのお祝いの場に位の高い女性がこの鳥の羽を髪飾りとして使うらしい。
そういう謂れからか、パラオではラッキーアイテムでもあるらしく、レイさんは「あの鳥の羽を手に入れたら願い事がかなう」と言っていた。
また、マングローグの森の中で見ることのできるビーブ。パラオの国鳥だ。日本名はホリイアオヒメバト。
とてもカラフルで美しい小型の鳩なのだそうなのだが、レイさんが指差して教えてくれた時には、もう森の中へ飛んでいってしまって見られなかった。
とても警戒心が強い鳥らしい。
この鳥はホーホーと鳴くので、これを真似て声を出すと、仲間と勘違いして森から飛び出してくるかもとのこと。

マングローブ地帯には、かつては多数のイリエワニが生息していたようだ。伝説では、2mを越えるワニと戦ったパラワン(パラオ原住民)の武勇談があるのだが、今では目撃談を聞くこともあまりないとのこと。その代わり、マングローブ地帯の近くの入り江で、体長50cmの仔魚のサメを見かけた。どうやら、この辺の入り江はサメの巣でもあるらしい。
ロックアイランドツアーの帰りは、ソフトコーラルアーチの近くにあるナチュラルアーチで記念撮影。名前の通り、内側は高さ3m、幅4mの自然に出来た天然のアーチだ。
シーカヤックに始まり、ミルキーウェイでの泥遊び、そして・サマーハウスでの昼食。午後はまったりとジェリーフィッシュレイクでタコクラゲと戯れ、シュノーケリングでナポレオンの後を追いかけたそんなパラオ最後の休日が終わった。


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黄色の月の丸

2010-10-20 22:58:17 | プチ放浪 海沿い編

 
 
 
 

パラオの国旗は青地に黄色の月の丸。青地の空色と月の丸の黄金色は、海と満月、平和と静寂、海と陸の豊饒を表しているという。
太平洋戦争末期、アメリカ軍がパラオにも迫り、いよいよ上陸してくるという時に、パラオの人々は日本人と一緒にアメリカ軍と戦うと決意した。
当時の日本人は、パラオの人々に農業を指導し、缶詰やビールなどの工場を建設。
道路を整備し、橋を架け、電話を引き、学校、病院を建てるなどのインフラ整備も行い、予防接種など衛生面も充実させ、さらには公教育を子供達に受けさせた。
パラオの発展に尽くしてくれた日本人のため、パラオの人々は日本軍とともに誇りを持って戦うと言うのだ。
今の日本を見るにつれ、情けない気持ちでいっぱいになる。そして、当時の日本の人々に尊敬の念を覚える。

1982年5月。パラオのペリリュー島という小さな島に神社が創建された。
その脇に米大平洋艦隊司令長官 C.ニミッツの言葉を刻んだ慰霊碑があるらしい。

"Tourists from every country who visit this island should be told how courageous and patriotic were the Japanese soldiers who all died defending this island."
「諸国から訪れる旅人達よ この島を守る為に日本軍人が いかに勇敢な愛国心を持って戦い  玉砕したかをつたえられよ」
米大平洋艦隊司令長官 C.ニミッツ   

この島で10897名の日本守備隊が全く補給が無い状態で73日間守り通し、1944年11月27日についに玉砕。かつての戦争で、これほどまでの激しい戦闘があっただろうか。それにも関わらず、日本軍は、現地住民を戦火に巻き込んではならないと、空襲を避けつつ夜間を利用して、ともに戦うと言ってきかなかった現地住民全員をパラオ本島に退避させた。
ペリリュー島での現地住民死傷者はゼロだったという。
今も珊瑚の島に眠る英霊のご冥福を心よりお祈し、文と写真をささげます。


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空が白んでゆくのを見てた

2010-10-19 22:30:06 | プチ放浪 海沿い編

 
 
 
 

日の出の頃、ベッドから起き出し、ダイビングクラブハウスの客室の窓から海を眺める。
東の空が光る。闇は抱いたままだ。
急いで着替え、クラブハウスのドアをそっと開けて、夜明けの桟橋へ。

星が一つ二つ、消えそうにほの白く、ちらちらと青磁の空にまたたいている。
リーフの内側の海は鏡のように静かだ。空の青、海の蒼が朝日に重なってラベンダー色にゆれて見える。
そして、ラベンダー色の海は、あっという間にブルーに吸い込まれていく。

パラオの朝は早い。まだ暗いうちからクラブハウスの厨房から、たまらなく良い匂いが漂いだす。
フィリピーナの女性シェフ、エレナが腕によりをかけた朝食を準備中だ。
彼女はフィリピンに家族を残し、6年もここで働いているという。
エレナが鍵を開けてくれたクラブハウスの門を抜けて、早朝の街中へ散歩に出かける。
すっかり明るくなった通りを、近くのダイビングショップのスタッフたちが次々と出勤してくる。
そちらのダイビングショップは、毎朝、早朝ダイビングが組まれている。
穴ぼこだらけのコンクリートの道路わきの茂みには、シマキンパラだろうか、ススメほどの大きさの数十羽の小鳥の群れさえずっていた。


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エスペランサ

2010-10-18 22:24:51 | 日記

 
 
 
 
 

(Entry 333~336/365) OLYMPUS PEN Lite E-PL1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm f3.5-5.6 L

サイパンには、知る人ぞ知るダイバーに超人気のダイビング・スポットがあり、サイパンの観光の目的はダイビングという人も多い。
旅行者がダイバー同士なら、それが初対面であったとしてもダイビングの話に花が咲き、すぐに友達になれる。
ところが、グアム・ハワイでは、多くの日本人観光客がカップルで押し寄せ、旅行者同士のコミュニケーションなどほとんどない。
したがって一人旅のダイバーにとって、グアム・ハワイのリゾートの滞在は、はなはだ居心地が悪いことになる。
そんなこともあって、グアムを経由するパラオへ足を踏み入れる気になれなかったのだが、「いつかはパラオ」という希望を捨てずにいた。
ようやく、その「希望」がかなったということ。
想像どおり、経由地グアムに向かうコンチネンタル エア・ミクロネシアのエコノミーシートには、大勢の若い日本人カップルが席を占めていた。
「エスペランサ」はチリの救出で使われていた「希望」という言葉だ。

その昔、飛行機のリクライニングシートは、食事中はリクライニングにしないと言うのがエチケットだったような気がする。
まだまだ、海外旅行が一般的じゃなかったころの話。当時は、エコノミーシートの座席間隔が現在のものよりもさらに狭く、前の座席の客がシートを倒すと後ろの席の人はテーブルが胸につきそうになってしまっていた。だから、みんなで協力してシートを起こして食事をしたものだった。それがエコノミーシートの乗客の暗黙のルールだった。
その一方で、リクライニングを倒したまま、背中を起こして食事するのは中国人の旅行者たちだった。彼らは、リクライニングを倒すのはその席の乗客の権利として譲らなかった。ものの捕らえ方、考え方には人種によって差がある・・・そんなことを、海外へ旅立つその飛行機で教えられる、そんな機会でもあった。

最近の飛行機の座席は、昔に比べて座席間が広くなったのだろう。ビジネスシートに乗りなれた自分勝手な中年のおっさんたちや、オヤジギャルたちは別の話として、エコノミーシートに席を占める日本の若いカップルたちが後ろを気にすることなく、リクライニングをいきなり倒すのが目に付く。後ろの席の乗客が、テーブルを出してお茶を飲んでいようがお構いなしにである。時代は変わったのだ。
多くの若者たちが、日本の観光地の延長として海外に出かけ、日本語でホテルに泊まり、みやげ物売り場で買い物をして帰ってくる。そんな時代だ。
そんな日本の若者たちの片隅で、体の大きなヨーロッピアンの旅行者たちが、窮屈そうにリクライニングを利用せずにシートを使っているのを見ると、ものの捕らえ方、考え方には年齢によっても差があると思わざるを得ない。日本人は大きく変わった。そして、この先も変わっていくのだろう。

「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
ゴーギャン畢生の大作のタイトル。人はどこから来て、何を成し、そしてどこへ向かおうとするのか?

不幸なことに、人は自分自身を見詰めるようにできていない。
不完全な自分。自信満々で、自慢できる人間にはぼくはなれそうもない・・・。
実際に、自分の人生を振り返って、誇れることはほとんどない。
だが、少なくともぼくは生き延びて、次を生きようと願っている。
一握りの僅かな「エスペランサ」を胸に隠し持ちながら・・・。


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ゲロン・インサイド、アウトサイド

2010-10-17 20:31:31 | 日記

 
 
 
 

(Entry 329~332/365) OLYMPUS PEN Lite E-PL1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm f3.5-5.6 L

この日、天気は前日の雨から回復傾向にあるものの、熱帯低気圧の影響か西風が強く、行きたかったポイントの一つブルーホールはお預け。
こんな雨季の時期で風向きが悪い時でも潜ることができるのが、ゲロン島の周辺だ。島には1家族が住んでいるそうで、美しいビーチがあるのだが上陸はできないらしい。
このゲロン島の西側には大潮の時、長い砂浜が現れることで有名な白砂のロングビーチがある。

コロールからおよそ40分。ペパーミントグリーンとディープブルーのコントラストが眩しい景色の中をスピードボートでぶっ飛ばしゲロンインサイドに到着。
ブイにボートをつけて潜降すると目の前に真っ白い砂地が広がる。
体まで青に溶けそうなほどのパラオブルーの蒼い水と、雪のゲレンデのような白の砂地のコントラストに思わず歓声をあげてしまう。
砂地の上をフワフワ浮遊していると、実は砂地の下ではU字型に2匹が繋がっているというチンアナゴや、一つの穴にテッポウエビと同棲している不細工な顔のギンガハゼが顔を覗かせている。また、リーフ側は美しいサンゴ。仏の頭か、脳みそのようなコモンシコロサンゴ. の群生が見事だ。

西側にあるポイントはゲロンアウトサイド。インサイドとはまったく違った景観を呈す。
エントリーしてドロップオフ沿いに流れに乗って進むと、クマザサハナムロやウメイロモドキといったグルクンの仲間が、群れというよりも、100mぐらいの行列を作って泳いでいる。このまま泳いでいると、群れの流れとぶつかってしまうぼくは、行列を乱すのが申し訳なくてどうしたものかと迷っていたら、ぶつかったところで群れは2つに分断。

ウメイロモドキの群れが去り視界が開けて、ふと、リーフに目をやるとを1.2mもある超巨大シャコ貝が口をあけている。
世界に生息するシャコガイは9種類。そのうち7種類がパラオに生息しているらしい。シャコガイはサンゴと同様、外套膜に褐虫藻を共生させて光合成をし養分を得ている。シャコ貝の外套膜の色が鮮やかなのタンパク質の構造色による。タマムシやコガネムシの外骨格が金属色を呈するのとおなじメカニズムだ。
シャコ貝が貝を閉じる力は約2トンと言われる。昔のダイビングの教科書には、こうした巨大シャコ貝に足を挟まれる恐れがあるから潜降時は海底に注意をするように書かれていたのだが、実際には完全に閉じることができないか、閉じる速さが緩慢で、はさまれる心配はないらしい。

アウトサイドでは潮回りが良いと、サメはもちろんのこと、マンタやジンベイなどの大物が見られる。この日はサメが一匹。そして、途中から一緒に海の散歩を付き合ってくれたスピアフィッシングのキズが生々しいナポレオン。パラオでは素潜りで水中銃で魚を突くスピアフィッシングが盛んだ。
人懐っこいがゆえに運悪く仕留められたナポレオンは、日本料理店などで煮付けにして出され、日本人に大人気なのだそうだ。そのため乱獲となり、ナポレオンの数は激減しているという。
哀しいことだ。海を愛するダイバーなら、意地でも愛すべき魚たち(群れでいるのを除く)を食べないという矜持があっても良いと思うのだが・・・。
こんなことを書くと、「なんで群れでいるグルクンは食べてもいいんだ?」と反論されるかもしれない。他人の食の嗜好に文句を言うなと。
ナポレオンよ。せめてシガテラ毒を体内に大量に蓄積し、食べるヤツラに食中毒を起こさせて、その無念を晴らしてくれ・・・


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