本を持って廣榮堂へ、お客さんをながめたりしつつのんびりと本を読んだ
私は30歳の頃に家を建てる時に、唯一拘ったのが書斎だ。10畳強ほどだが、片側は移動式書架、もう一方には据え付け型の書架を取り入れ、両側に本棚のある書斎を持った。我が書斎にはカギがかかり、誰も入ってくることはない。まさに、自分自身の空間だ。
なのに、本を読みたくなるとカフェへ行く自分がいる。川本三郎著『いまも、君を想う』(新潮社刊)を読み始めると、カフェへ行きたくなる。書斎の方が静かなのに何故だろうと思うが、やはり行ってしまう。
今日も選んだのは「廣榮堂藤原店」。畠瀬本店へ行きたかったが、近くで我慢という感じだ。この「廣榮堂」、最近は結構たくさんのお客さんがいて、ざわざわ感はあるが、それでも何だか落ち着く。
わざわざカフェでとも思うが、貧しい身ではあるもののこれぐらいしかない贅沢であり、許すこととしている。今日も350円のコーヒー&和菓子のセットとした。和菓子は、春らしい「下萌え」と名付けられたものを選んだ。
さて一人で本を読んでいると、近くで様々な光景が展開される。お母さんだろうかお年寄りを連れた娘さんや老夫婦が二人連れできて、お茶しながらのんびりとされていた。とてもいい雰囲気だった。心地よい気持ちで、本を読み疲れるとそんなお客さんを眺めたりもした。
ところで、廣榮堂藤原店も、節分仕様から今はヴァレンタインデーモードへと変えている。廣榮堂とヴァレンタインデーとは何だかミスマッチの感もないではないが、やはり今時そうなのかなとも思ったりもした。