3.代表取締役の地位のみの辞任について
旧有限会社においては、社員総会の決議により選任された代表取締役は、社員総会の承認があれば、代表取締役の地位のみを辞任することができると解されていた。しかし、「株主総会の決議により選定された代表取締役は、代表取締役の地位のみを辞任することはできない」(13頁中段)とされ、「株主総会の決議で当該代表取締役を選定した決議を撤回する方法によることになる」(13頁中段)とある。おそらくは、従前の社員総会の承認に代わるものとして捻り出した手法であると思われるが、代表権を外すために「株主総会決議の撤回」という法律構成を採るのは無理があるように思われる。
たとえば、取締役の任期が10年の株式会社であれば、8~9年前に選定された代表取締役が代表取締役の地位のみを辞任したいということもありえるが、そのような場合に、株主総会の決議を撤回する方法によるというのは、やはり違和感があるであろう。
したがって、従前どおり株主総会の承認があれば可能と解すればよいと考える。
旧有限会社においては、社員総会の決議により選任された代表取締役は、社員総会の承認があれば、代表取締役の地位のみを辞任することができると解されていた。しかし、「株主総会の決議により選定された代表取締役は、代表取締役の地位のみを辞任することはできない」(13頁中段)とされ、「株主総会の決議で当該代表取締役を選定した決議を撤回する方法によることになる」(13頁中段)とある。おそらくは、従前の社員総会の承認に代わるものとして捻り出した手法であると思われるが、代表権を外すために「株主総会決議の撤回」という法律構成を採るのは無理があるように思われる。
たとえば、取締役の任期が10年の株式会社であれば、8~9年前に選定された代表取締役が代表取締役の地位のみを辞任したいということもありえるが、そのような場合に、株主総会の決議を撤回する方法によるというのは、やはり違和感があるであろう。
したがって、従前どおり株主総会の承認があれば可能と解すればよいと考える。