司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令案」に関する意見募集の結果について

2006-12-19 14:38:49 | 会社法(改正商法等)
「会社法施行規則及び会社計算規則の一部を改正する省令案」に関する意見募集の結果について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?ANKEN_TYPE=3&CLASSNAME=Pcm1090&KID=300080003&OBJCD=&GROUP=

 パブコメの結果が公表されている。公布日は、平成18年12月22日。
コメント

中間省略登記が公認 !?

2006-12-19 09:41:34 | 司法書士(改正不動産登記法等)
http://www.jutaku-s.com/jutaku_shimpo/news.php?id=JNM012428

 住宅新報社の記事によれば、「第三者のための契約」方式を用いることで、事実上中間省略登記が受理されることになる、という。

 まさかとは思うが・・・。この手法を容認すると、2段階の売買であって、「第三者のための契約」としての実体がないにもかかわらず、この手法を用いることが横行し、登記の信頼性の確保は全く図れなくなってしまう。誠に遺憾である。

 「規制改革」の名の下に、規律のない社会に堕落していく感がある。


【私の意見】
 「中間省略登記を行うことによって、売買代金額が抑えられる。」という説明は、中間省略登記に違和感を持つ買受人を納得させるための方便のように思われる。この納得というのも、「安くなる」に釣られているだけで、充分な説明の下に同意しているわけではないのが実態ではないだろうか。バブル期にも中間省略登記は横行したようであるが、「売買代金額が抑えられる。」が目的ではなかったはずである。
 中間者の経済合理性としては、「取得価額+適正利ざや+取得費用(中間の登記費用等を含む。以下、同じ。)」=転売見込価額ということになるが、最終的には買受人とのバーゲニング(価格交渉)により決定されるのであり、「取得価額+適正利ざや+取得費用」は単に目安に過ぎない。最終売価は、「取得価額+適正利ざや+取得費用」よりも高いに越したことはないが、低くなることも往々にしてありえる。上記転売見込価額に拘ると売買が成立し難くなるし、回転率を高める方がよいからである。この場合、中間者が中間の登記を行うことによって生じる諸費用を負担すると、その分利ざやが圧縮されることになってしまう。結局、最終売価如何にかかわらず、中間の登記費用等は中間者の負担に帰すべきものであり、中間省略登記のニーズが生まれるのである。
 「中間者のコスト削減は結局「エンドユーザー」の利益保護のためでもある」は理屈のようだが、その実、「利益の極大化(自己負担コストの削減)」、「最終売価を抑えて売買を成立しやすくし回転率を高める」、という中間者の経済論理(利益追求)でしかなく、エンドユーザーの真の利益は一顧だにされていないように思われる。
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