司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

最低資本金未達成会社の会社継続の可否

2009-07-23 12:46:26 | 会社法(改正商法等)
 かつて,平成2年商法改正により,最低資本金制度が導入された際,最低資本金に達しない株式会社については,「みなし解散」の措置がとられた。そして,「みなし解散」会社については,改正附則第6条第2項により,3年以内に限り,継続することができるものとされた。

 猶予期間である平成8年3月31日までに解散し,清算株式会社であった株式会社については,改正附則においては規定が存しないが,最低資本金制度導入の趣旨に鑑み,同様に「解されていた」。また,当該株式会社が猶予期間経過後,所定の期間内に会社継続の決議をし,その旨の登記をした際に,増資により最低資本金に達してないときは,職権で「みなし解散」の登記をするものとされていたようである。すなわち別異の存在であったわけである。

 さて,それから10年余りを経過し,会社法が施行され,最低資本金制度は,廃止された。「みなし解散」会社については,上記改正附則が存置されていることから,会社継続をすることができないのはもちろんである。しかしながら,「猶予期間である平成8年3月31日までに解散し,清算株式会社であった株式会社」については,最低資本金規制が廃止された現在となっては,上記のように「同様に解する」必要はない。むしろ,会社継続ができないままとされている「みなし解散」会社についても,そのような縛りを解き,会社継続を許容するのが,会社法により最低資本金制度を廃止した改正趣旨に合致するのではないだろうか。

 「猶予期間である平成8年3月31日までに解散し,清算株式会社であった株式会社」については,最低資本金制度導入の改正趣旨に鑑みて,「解釈により」,一定期間経過後の会社継続はできないと解されていたものである。したがって,会社法により最低資本金制度を廃止した改正趣旨に鑑みれば,明文の禁止規定がない以上,当該株式会社は,会社法施行後に会社継続をすることはできると解してもよいのではないだろうか。

 

cf. 商法附則(平成2年6月29日法律第64号)

 (株式会社の資本の額の制限に関する経過措置)
第5条 この法律の施行の際現に存する株式会社又はこの法律の施行前に定款の認証を受け、この法律の施行後に成立する株式会社で、その資本の額が千万円に満たないものについては、改正後の商法第百六十八条ノ四の規定は、この法律の施行後五年間は、適用しない。
2 前項に規定する株式会社は、同項の期間内に限り、株主総会の決議によりその組織を変更して合名会社又は合資会社とすることができる。
3 法務大臣は、第一項の期間が満了したときは、登記された資本の額が千万円に満たない株式会社は次条第一項に規定する登記の申請をしないときは同項の規定により解散したものとみなされることとなる旨を官報で公告しなければならない。この場合において、登記所は、その株式会社に対し、その公告があったことの通知を発しなければならない。
4・5【略】

 (株式会社が最低資本金に達しない場合の措置)
第6条 前条第三項に規定する株式会社が同項の公告の日から期算して二月を経過する日までに資本の額を千万円以上とする変更の登記又は有限会社、合名会社若しくは合資会社に組織を変更した場合にすべき登記の申請をしないときは、その株式会社は、その日に解散したものとみなす。
2 前項の規定により取散したものとみなされた会社は、そのみなされた日から起算して三年内に限り、商法第三百四十三条に定める決議により会社を継続することができる。この場合において、その会社は、資本の額を千万円以上とし、又は組織を変更して有限会社、合名会社若しくは合資会社とするまでの間は、当該資本の額又は組織の変更の目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。
3 前項の規定による会社の継続は、同項の期間内に、その資本の額を千万円以上とせず、かつ、その組織を変更して有限会社、合名会社又は合資会社としなかったときは、その効力を失う。
4~6【略】
コメント

実証できたら100万ドルあげる→実証できたらどうなる?

2009-07-23 11:36:34 | 国際事情
http://www.excite.co.jp/News/column/20090720/Slashdot_09_07_20_1049243.html

 さすがアメリカというべきか。うっかり「できた人には,○○円あげる」などと発言しない方がいいですね。

 しかし,この弁護士が100万ドルを支払う義務があるというためには,法律行為により当該債務が成立していなければならない。例えば,停止条件付贈与契約と構成するには,受贈者の受諾の意思表示が必要であり,意思表示の合致が存しない以上,契約は成立していない。

 日本の民法には,懸賞広告(民法第529条)の規定があり,上記弁護士の行為が「懸賞広告」に該当するといえるのであれば,報酬の支払債務を負担することになる。

民法
 (懸賞広告)
第529条 ある行為をした者に一定の報酬を与える旨を広告した者(以下この款において「懸賞広告者」という。)は、その行為をした者に対してその報酬を与える義務を負う。
コメント (2)

一般職の国家公務員の政治的行為の制限に関する通知について

2009-07-23 10:58:42 | いろいろ
一般職の国家公務員の政治的行為の制限に関する通知について by 人事院
http://www.jinji.go.jp/kisya/0907/senkyo21.htm

 衆議院の総選挙を控え,違反がないように周知を図れ,だそうだ。

コメント

国家公務員贈与報告書

2009-07-23 10:55:36 | いろいろ
共同通信
http://www.47news.jp/CN/200907/CN2009072201000859.html

 5000円超の接待や報酬は,報告が義務付けられているそうだ。

コメント