民事法制の見直しに関する今後の動向である。
1.2020年に施行される改正法等
(1)民法(債権法)の改正
施行期日は,令和2年4月1日である。
cf. 民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)について by 法務省
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_001070000.html
(2)民法(相続法)の改正
改正相続法のうち,配偶者居住権に関する部分である。施行期日は,令和2年4月1日である。
cf. 民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(平成30年法律第72号)について
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00222.html
(3)遺言書保管法の施行
施行期日は,令和2年7月10日である。
cf. 法務局における遺言書の保管等に関する法律(平成30年法律第73号)について
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html
(4)民事執行法の改正
施行期日は,令和2年4月1日である。
cf. 民事執行法及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第2号)について
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00247.html
(5)民法(特別養子縁組制度関係)の改正
施行期日は,令和2年4月1日である。
cf. 民法等の一部を改正する法律(令和元年法律第34号)について
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00248.html
(6)会社法等の改正
改正会社法の原則施行期日は,「公布の日から起算して1年6か月を超えない範囲内において政令で定める日」であるから,令和3年5月1日あたりであろう。
また,その余の施行期日は,「公布の日から起算して3年6か月を超えない範囲内において政令で定める日」であるから,令和5年5月1日あたりであろう。
※ 「株主総会の参考書類等の電子提供措置」「支店の所在地における登記の廃止」に関する改正である。
商業登記法の一部改正の原則的な施行期日は,「公布の日から起算して1年3か月を超えない範囲内において政令で定める日」であるから,令和3年2月頃であろう。
※ 「印鑑の提出の義務付けの廃止」に関する改正である。
cf. 会社法の一部を改正する法律(令和元年法律第70号)について by 法務省
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00001.html
(7)民法(成年年齢関係)の改正
施行期日は,令和4年4月1日である。
cf. 民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)(平成30年法律第59号)について by 法務省
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00218.html
2.これから改正される法律関係
(1)民法・不動産登記法の改正
現在,法制審議会で議論がされている。近々の中間試案のパブコメを経て,秋の臨時国会に改正法案が上程される方向である。
cf. 法制審議会民法・不動産登記法部会
http://www.moj.go.jp/shingi1/housei02_00300.html
(2)親子法制の見直し
現在,懲戒権,嫡出推定制度等の見直しについて,法制審議会で議論がされているところである。
cf. 法制審議会 -民法(親子法制)部会
http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi0350004.html
嫡出推定制度を中心とした親子法制の在り方に関する研究会
https://www.shojihomu.or.jp/kenkyuu/cyakusyutsusuitei
(3)家族法関係
共同親権をはじめとした家族法における諸々の論点について,議論が開始されている。
cf. 家族法研究会
https://www.shojihomu.or.jp/kenkyuu/kazokuhousei
(4)民事裁判手続のIT化
民事訴訟法の改正について,今年2月にも法制審議会に諮問され,おおよそ2年にわたる審議がされる方向である。
cf.民事裁判手続等IT化研究会
https://www.shojihomu.or.jp/kenkyuu/saiban-it
(5)担保法制の見直し
動産譲渡及び債権譲渡を中心とした譲渡担保に関する法制の見直しに着手するようである。今後のスケジュールは,未定。
cf. 動産・債権を中心とした担保法制に関する研究会
https://www.shojihomu.or.jp/kenkyuu/dou-tanpohousei
(6)仲裁法制の見直し
昨年12月から研究会がスタートしている。
cf. 仲裁法制の見直しを中心とした研究会
https://www.shojihomu.or.jp/kenkyuu/tyusaiminaoshi
3.2019年に施行された改正法等
(1)人事訴訟法及び家事事件手続法の改正
平成31年4月1日から施行された。
cf. 人事訴訟法等の一部を改正する法律(平成30年法律第20号)について
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00217.html
(2)所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の残余の施行
一部は,平成30年11月15日から施行されたが,その残部が,令和元年6月1日から施行された。
cf. 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(平成30年法律第49号)
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000022.html
(3)戸籍法の改正
令和元年6月20日から施行された。
cf. 戸籍法の一部を改正する法律(令和元年法律第17号)について by 法務省
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00082.html
(4)「成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律」(令和元年法律第37号)
令和元年9月14日から施行された。
cf.
令和元年6月7日付け「成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律」が成立
(5)変則型登記解消特例法の制定
令和元年11月22日から施行された。
cf. 表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律(令和元年法律第15号)について
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000027.html