司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

債権者保護手続における異議申述期間の末日が祝日で,減資の手続が無効に

2020-01-22 22:14:04 | 会社法(改正商法等)
 みうらさんのコメントの件であるが,ある株式会社が次のスケジュールで資本金の額の減少の手続を行った。

〇 資本金の額及び資本準備金の額の減少の日程
 2019 年5月 17 日(金) 取締役会決議日
 2019 年6月 14 日(金) 債権者異議申述催告公告日
 2019 年7月 15 日(月) 債権者異議申述最終期日(予定)
 2019 年7月 16 日(火) 効力発生日

 6月14日に官報に公告が掲載されると,債権者の異議申述期間は,「本公告掲載の翌日から1か月以内」により,通常は7月14日までとなるが,令和元年は,同日が日曜日であり,翌日の7月15日(月)も祝日(海の日)であることから,7月16日(火)が期間満了日となる。

 日曜日を外しているのに・・・カレンダーに祝日が載ってなかったのでしょうか。

 というわけで,効力発生日までに手続を了することができなかったことから,「無効」となったものである。

 よって,上記の株式会社は,「管轄法務局より手続の不備に関する指摘があった」ことを理由として,改めて資本金の額の減少等の手続をとったようである。

最初の手続
https://www.shidax.co.jp/cms/wp-content/uploads/2019/09/1217.pdf
※ 会社法第447条第3項により,取締役会の決議により手続を行った。

再度の手続
臨時株主総会の開催及び臨時株主総会招集のための基準日設定並びに定款一部変更、資本金の額及び資本準備金の額の減少に関するお知らせ
※ 「株式の発行と同時」ではなくなったので,原則どおり,株主総会の決議により行うものである。


 このようなギリギリのスケジュールを組むと,異議申述期間の満了日の問題で,上記のように手続が「無効」となるリスクがある。可能な限り,余裕を持ったスケジュールを組むべきである。

cf. 平成31年3月19日付け「吸収合併等の債権者保護手続における期間満了日と10連休」
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「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案(仮称)」が国会に提出へ

2020-01-22 17:45:17 | 不動産登記法その他
第201回国会(常会)提出予定法律案について by 国土交通省
http://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo04_hh_000099.html

「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案(仮称)」が3月上旬,国会に提出される予定である。

〇 要旨
 社会経済情勢の変化に伴い国民の生活の基盤としての賃貸住宅の役割の重要性が増大していることに鑑み、良好な居住環境を備えた賃貸住宅の安定的な確保を図るため、賃貸住宅管理業(仮称)を営む者に係る登録制度を設け、その業務の適正な運営を確保するとともに、特定賃貸借契約(仮称)の適正化のための措置等を講ずる。

cf. 賃貸住宅管理業等のあり方に関する検討会
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk3_000144.html
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特例有限会社や持分会社における休眠会社の整理

2020-01-22 17:01:17 | 会社法(改正商法等)
 旬刊商事法務2020年1月5日・15日合併号に,宮崎拓也「商業・法人登記制度をめぐる最近の動向」がある。

「特例有限会社や持分会社には,最後の登記をした日から一定期間が経過した場合のみなし解散に伴う登記官の職権登記の制度が存在しない。しかし,これらの会社についても長期間登記がされていなければ実体を失っている蓋然性は高く,今後,これらの整理のあり方が議論されることもあると考える。」(上掲28頁)

 なるほどね。

 現行法においても,一応,「会社が・・・引き続き1年以上その事業を休止したとき」(会社法第824条第1項第2号)に該当するとして,解散命令の手続により,休眠会社を整理することは可能であると考えられるが,この制度は,全く利用されていないようである。

会社法
 (会社の解散命令)
第824条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため会社の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、会社の解散を命ずることができる。
 一 会社の設立が不法な目的に基づいてされたとき。
 二 会社が正当な理由がないのにその成立の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。
 三 業務執行取締役、執行役又は業務を執行する社員が、法令若しくは定款で定める会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。
2 株主、社員、債権者その他の利害関係人が前項の申立てをしたときは、裁判所は、会社の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。
3 会社は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。
4 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項及び第七項並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第二項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。
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診療所の事業承継

2020-01-22 16:30:22 | 法人制度
日経記事(有料会員限定)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54651870R20C20A1EE8000/

「開業医の高齢化を背景に地方の診療所で後継者不足が深刻になっている。厚生労働省の調査では2018年に廃止や休止をした診療所は6940あり、5年前に比べて3割増えた。帝国データバンクによると2019年に後継者がいない診療所の比率は85%で、全業種平均(65%)を上回った。」(上掲記事)

 歯医者は,多過ぎると言われているのにね。

 ニーズはあっても,採算として成り立たないケースが多いことも理由であろう。


「医業譲渡の仲介業者は多いが、地方の医師会では「法外な成功報酬を求める業者もある」との懸念の声がある。」(上掲記事)

 富裕層を狙ったM&Aコンサルタントである。
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直前研修会「改正債権法と民事訴訟」~訴訟において戸惑わないために~

2020-01-22 16:05:41 | 民法改正
直前研修会「改正債権法と民事訴訟」~訴訟において戸惑わないために~
http://www.jlf.or.jp/work/kenshu_200208.shtml

日時:2020年2月8日(土)13:00~17:00
場所:弁護士会館2階クレオ(千代田区霞が関1-1-3)
プログラム(予定)
(1)基調講演① 「売買における契約不適合責任」
  講師 山野目章夫 教授(早稲田大学・元法制審議会民法(債権関係)部会幹事)
(2)基調講演② 「詐害行為取消訴訟」
  講師 畑 瑞穂 教授(東京大学・元法制審議会民法(債権関係)部会幹事)
(3)基調講演③ 「改正債権法の経過措置」
  講師 江原健志 判事(東京地方裁判所)
(4)パネルディスカッション 「今、すぐに理解すべき重要論点」
  パネリスト 江原健志 判事(東京地方裁判所)
  パネリスト 山野目章夫 教授(早稲田大学)
  パネリスト 畑 瑞穂 教授(東京大学)
  パネリスト 高須順一 弁護士(法政大学・元法制審議会民法(債権関係)部会幹事)
主催:公益財団法人日弁連法務研究財団
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民事執行規則の改正

2020-01-22 15:32:11 | 民法改正
 改正民事執行法に関するパンフレットが法務省HPに掲載されている。

cf. 民事執行法及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第2号)について by 法務省
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00247.html

 ところで,上記改正民事執行法の施行に伴う民事執行規則の改正省令(令和元年最高裁判所規則第5号)が,令和元年11月27日に公布されている。

「『登記所に検索を求める土地等の所在地の範囲』(規則第187条第1項第3号)としては,例えば「東京都」,「東京都及び神奈川県」等の記載が想定される。登記所は,検索システムを利用して債務者名義の土地等を検索することになるが,全国の土地等を対象に検索する場合には,検索作業に長期間を要する可能性がある。そこで,検索対象に債務者名義の土地等が存在する可能性がある地域を限定することで,債権者が早期に情報提供を受けられるように,検索を求める土地等の所在地の範囲を記載事項としたものである。」(後掲NBL5頁)

「全国の土地等を対象に検索する場合には,検索作業に長期間を要する可能性がある」って,どういう検索システム(^^)?

 ちなみに,現在パブコメが実施中である「民法及び不動産登記法の見直し」に関する中間試案においては,「所有不動産目録証明制度(仮称)の創設」が論点となっているが,これは,上記検索システムとリンクするものである。

 私は,「所有不動産目録証明」においては,土地等の所在地の範囲を一部の地域に限定した証明も必要であるという意見である。

cf. NBL 2020年1月15日号(商事法務)4頁以下


 ところで,民事執行規則は,「最高裁判所規則」なのであるが,こういうケースで,裁判所HPでの告知は,皆無である。最近は,どの官公庁も所管法令の改正に関する情報提供に積極的であるが,「裁判所」は絶無に等しい。HP等での情報提供も必要ではないか。
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法人設立ワンストップサービスで簡単手続!

2020-01-22 15:16:14 | 会社法(改正商法等)
法人設立ワンストップサービスで簡単手続! by 国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/OSS.htm

「定款認証・設立登記の手続については、令和3年2月からご利用可能となる予定です。」

cf. 法人設立ワンストップサービス
https://app.e-oss.myna.go.jp/Application/ecOssTop/
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「土地基本法等の一部を改正する法律案」が国会に提出へ

2020-01-22 15:10:48 | 不動産登記法その他
第201回国会(常会)提出予定法律案について by 国土交通省
http://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo04_hh_000099.html

「土地基本法等の一部を改正する法律案」が2月上旬,国会に提出される予定である。

〇 要旨
 所有者不明土地の増加や自然災害の頻発等により、適正な土地の管理の重要性が増大していることに鑑み、適正な土地の管理についての基本理念、土地所有者等の責務等を明らかにし、政府による土地基本方針(仮称)の策定等について定めるとともに、同基本方針に即した国土調査の促進を図るため、令和2年度を初年度とする国土調査事業十箇年計画を策定し、あわせて、街区境界調査成果(仮称)の取扱い及び地方公共団体による筆界特定の申請について定める等の措置を講ずる。
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消費者契約に関する検討会

2020-01-22 00:16:36 | 消費者問題
消費者契約に関する検討会 by 消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/meeting_materials/review_meeting_001/

「消費者契約法は、消費者契約全般を対象とする包括的な民事ルールであり、社会経済情勢の変化等に対応するため、平成28年及び平成30年に改正が行われた。もっとも、平成30年改正に際して行われた衆議院・参議院の消費者問題に関する特別委員会における附帯決議等では、更なる改正を視野に入れた検討が求められており、これを受けて、令和元年9月には、主に法制的・法技術的な観点から、「消費者契約法改正に向けた専門技術的側面の研究会」(以下「研究会」という。)による報告書が取りまとめられたところである。
 そこで、研究会報告書を踏まえつつ、実務的な観点からの検討を深化させるため、消費者庁において「消費者契約に関する検討会」(以下「検討会」という。)を開催する(委員等は別紙のとおり。)。なお、同時期に「デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会」も開催されることから、同検討会とも十分に連携しながら検討を行う予定である。」

cf. デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会
https://www.caa.go.jp/about_us/about/plans_and_status/digital_platform/
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祇園新橋に漂う「焼き鳥のにおい」で景観問題

2020-01-22 00:05:18 | 私の京都
京都新聞記事
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200121-00010000-kyt-l26

「京都市東山区の祇園新橋かいわいに開店した焼き鳥店を巡り、店と地元の「祇園新橋景観づくり協議会」との対立が昨年表面化した。落ち着いた風情が京都屈指の人気スポットだけに、協議会は臭気や煙といった目に見えない環境も守るべき地域の「景観」の一つとして徹底した対策を要望。焼き鳥店はコストの面で難色を示し、平行線をたどった。」(上掲記事)

「におい」で客を呼び込む商法もあるが・・・これは,ちょっと分が悪い感。
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