司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

親子関係不存在確認の利益の有無

2022-05-11 23:34:24 | 民法改正
 令和4年5月30日,最高裁第2小法廷において,親子関係不存在確認請求事件について弁論が開かれるようである。

【事案の概要】
 本件は、上告人(第1審原告)が、検察官(第1審被告)に対し、亡A及び亡Bと亡Cとの間の各親子関係(本件各親子関係)の不存在の確認を求める事案である。
 亡D(被相続人)の相続において、その戸籍上の法定相続人は、亡Eの子である上告人外1名及び亡Cの子ら3名であるところ、上告人は、本件各親子関係が不存在であるとすれば、亡Cの子らは法定相続人とならず、上告人の法定相続分が増加することになるので、上告人は本件各親子関係の不存在の確認を求めるにつき法律上の利益を有すると主張している。

cf. 最高裁判所開廷期日情報
https://www.courts.go.jp/saikosai/vc-files/saikosai/2022/jiangaiyou_03_1463.pdf
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法務省「養育費の不払い解消に向けた自治体における法的支援及び紛争解決支援の在り方に関する調査研究報告書」

2022-05-11 20:47:12 | 民法改正
法務大臣閣議後記者会見の概要(令和4年5月10日(火))
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00302.html

「2件目は、父母の離婚に伴う子どもの養育の問題についてです。
 養育費不払いの解消は喫緊の課題であり、法務省では、令和3年度、五つの地方自治体と連携した調査研究事業を実施し、本年4月にその結果を公表しました。
 調査研究で取り組んだ各施策について、利用者から肯定的な評価をいただいた一方、ひとり親にとって身近な存在である地方自治体を起点とした支援の取組を進めるに当たり、法律家への更なるアクセス向上の重要性が明らかになりました。
 法務省では、厚生労働省とともに構成する「不払い養育費の確保のための支援に関するタスクフォース」において、養育費の確保に向けた取組を進めているところであり、この度、厚生労働省との連名で、日本弁護士連合会に対し、地方自治体における取組への弁護士の更なる協力を依頼する通知を発出しました。
 弁護士の方々からも一層の協力を得て、養育費の不払いに困っている方々が、より広く法的支援を受けることができる体制が広がっていくことを期待しています。」

cf. 養育費の不払い解消に向けた自治体における法的支援及び紛争解決支援の在り方に関する調査研究報告書の公表について
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00297.html

不払い養育費の確保のための支援に関するタスクフォース
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00091.html
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親権者の変更と家事調停手続

2022-05-11 20:20:57 | 家事事件(成年後見等)
 離婚の際に未成年の子どもがいる場合には,父母の合意で親権者を定めることができる(民法第819条第1項)が,離婚後の親権者の変更は,必ず家庭裁判所の調停又は審判によって行う必要がある(家事事件手続法第167条,第244条,第257条)。

cf. 裁判所
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_07_10/index.html


家事事件手続法
 (管轄)
第百六十七条 親権に関する審判事件は、子(父又は母を同じくする数人の子についての親権者の指定若しくは変更又は第三者が子に与えた財産の管理に関する処分の申立てに係るものにあっては、そのうちの一人)の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

 (調停事項等)
第二百四十四条 家庭裁判所は、人事に関する訴訟事件その他家庭に関する事件(別表第一に掲げる事項についての事件を除く。)について調停を行うほか、この編の定めるところにより審判をする。

 (調停前置主義)
第二百五十七条 第二百四十四条の規定により調停を行うことができる事件について訴えを提起しようとする者は、まず家庭裁判所に家事調停の申立てをしなければならない。
2 前項の事件について家事調停の申立てをすることなく訴えを提起した場合には、裁判所は、職権で、事件を家事調停に付さなければならない。ただし、裁判所が事件を調停に付することが相当でないと認めるときは、この限りでない。
3 裁判所は、前項の規定により事件を調停に付する場合においては、事件を管轄権を有する家庭裁判所に処理させなければならない。ただし、家事調停事件を処理するために特に必要があると認めるときは、事件を管轄権を有する家庭裁判所以外の家庭裁判所に処理させることができる。


 ただし,いわゆる婚外子の場合(親権者は,当然に母である。)に,父がその子を認知するときは,父母の協議で父を親権者と定めることができる(民法第819条第4項)。

民法
 (親権者)
第八百十八条 成年に達しない子は、父母の親権に服する。
2 子が養子であるときは、養親の親権に服する。
3 親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。

 (離婚又は認知の場合の親権者)
第八百十九条 父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と定めなければならない。
2 裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める。
3 子の出生前に父母が離婚した場合には、親権は、母が行う。ただし、子の出生後に、父母の協議で、父を親権者と定めることができる。
4 父が認知した子に対する親権は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り、父が行う。
5 第一項、第三項又は前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、父又は母の請求によって、協議に代わる審判をすることができる。
6 子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができる。
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