「民意踏みにじるな」飛び交う怒号
「沖縄の民意を踏みにじるな!」−−。米軍北部訓練場(沖縄県東村、国頭村)の返還に伴うヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)の移設工事を政府が再開させた東村高江のゲート前で22日、工事車両の行く手を阻もうと座り込みを続ける移設反対派の数百人の住民らと、それを排除しようと全国から集まった機動隊が早朝から激しいもみ合いを繰り広げた。
「いよいよ歴史をかけた県民の闘いが始まる。絶対にこの場所を守り抜きましょう」。午前3時半過ぎ、沖縄平和運動センターの山城博治議長がゲート前に集まった住民らを前に声を張り上げた。ゲート前の県道には車数十台を約100メートルにわたって駐車し、バリケードを築いた。
「危ないから暴れないでください!」。空が明るくなり始めた午前5時半過ぎに機動隊員が動きだし、ゲート前から住民を押し出そうとすると、あちこちから怒声が上がった。住民らは道路に寝そべって「沖縄から出て行け!」「機動隊は帰れ!」などと叫んだが、県道をふさいでいた車は一台ずつ撤去されていった。
ゲート前に駐車した車の上で抵抗した住民らも機動隊員たちから一人ずつ両手足を持たれて、次々と引きずり下ろされた。その際に数人がぐったりした様子で救急車で搬送された。地元消防によると、けいれんを起こした20代女性など男女3人を運んだという。
工事が始まった2007年7月から抗議を続けてきた東村の伊佐真次村議は前夜から泊まり込み、「これだけ大勢の機動隊が高江に来たのは初めて。ありったけの権力を見せつけて沖縄の民意をつぶそうとしている。きょうは長い一日になりそうだ」と話した。
沖縄本島北部の本部町で7〜11歳の3人の子供を育てる知念沙織さん(36)は、経営する飲食店を休んで前日昼から泊まり込みで抗議した。「高江にヘリパッドができれば、米軍オスプレイが飛び交い、穏やかなやんばる(沖縄本島北部)の森は変わってしまう。そんな環境を子供たちに残したくない。私たちの生活を犠牲にしてまで造らなくてはいけないものなのか」と涙を浮かべた。
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設問題を巡り、政府が県を相手取った訴訟も22日に起こしたことを踏まえ、沖縄本島中部のうるま市から駆け付けた新里紹栄(しょうえい)さん(64)は「こんな手荒いやり方ではなく、話し合いを続ける道はなかったのか。沖縄の声には耳を傾けなくてもいいと言わんばかりだ」と声を震わせた。
学生時代から京都市で暮らす沖縄県浦添市出身の自営業、矢ケ崎(やがさき)響さん(41)は「元海兵隊員の男による女性暴行殺害事件にショックを受けて、基地が集中する沖縄の現状を本土に伝えないといけないと思って来た。こんな小さな集落にもヘリパッドが建設されようとしている。沖縄はいつまで我慢し続けるのでしょうか」と、やるせなさをにじませた。【川上珠実】
これは今朝の中国新聞社説。人々の意思を踏みにじり、なんとしてでも押さえ込もうという政権おやり方に批判をもっともっとしていかないといけないと思う。
沖縄・高江7/22「ぜひ現地の声が届くような報道をして頂ければありがたい」山城博治IWJ中継