挽歌.Ⅴ-織れと-
師は、今のまま、書けと言う
書く意欲が、途切れるまでは、
此のまま、書いてゆけ、と言う
私のために、筆を折るなと
書くことの、自在を、極めよと
半世紀結んだ、糸を、ただ、織れと
私は、何時でもその動作を、見守っていると
そうして、ときどき、頷きを、送付すると
僕は再び、penを握って、
出す宛名のない、手紙と、知りつつ
鋭い、分析眼は、既に遠ざかった、と感じつつ
僕の言葉を、拾い集めて、
紙片を、埋めてゆく
05/11 20:30 万甫