嘘を
誰にも迷惑にはならない
誰も困ったりしない
ほんの小さな
ほんの細やかな
寧ろ頬笑ましい
嘘を吐く
曰く
僕はまだ二十歳!の真っ赤な詐欺を
僕はまだ還暦!の年齢詐称を
僕にはいつでも恋人がいるの強がりを
大きな夢ではち切れんばかり・・
何の心配もない心身の頑強
縁の絲に雁字搦めの幸せよ
哀しみが胸にな~んもない軽快さ・・
如くに
他愛ない嘘を振り撒いて
軽くなった分だけ
そうでもない
自分の時間に塗して
切羽詰まらぬようバランスを保つ
所謂
可愛げのある嘘を吐き
こころの遊びを創造し
余裕という豊かさを抱いて・・
幾行の
僕が辛うじて書き留める
その幾倍も幾百倍もの量が
感情の河に溶けだす
心情の海に紛れ込む
僕が捉えて離さないものなど
ごく些少の水滴のひとつ
けれど
大河も大海も
そういう想いの粒粒を集めて
永遠の揺蕩いを得るのだ
価値の有無、注視無視は論外にして
僕が書く
この幾行のkotobaたちの群生が
もしかしたら
瑞々しい一滴を産み出す塒に成れればと・・
晩成の
古今東西の著名な詩人には
早熟の天才が多く
その感性は眩しく
その心情は
ガラスの破片のように鋭く
その語らいは
讃歌と虚無と矛盾の魅力に
満ち満ちているけど
偶には
晩成のuta詠みが存在してもいい
含蓄と老練と習熟を奏でる
その音韻が
やがて来る人たちの幾許の
inochiの謎解きになればいい
手土産に
生きた証拠に飢えるhitoは
イノチの手応えが欲しいhitoがいたら
その日ごとに
その時間ごとに
足跡を残さねばならない
オリジナルなscheduleを立て
失敗があっても
後悔が生まれても
それこそが紛れもなく
イノチの歴史に成る
そこに行が設えられ
そこにページが誕生する
そうして
継続する物語に節が派生し
章が創られ
軈て自分史の
雄大な一巻の書物に成るのだ
内容は二の次にしても
評価は他人の思惟に任せるとして
その一冊こそが
胸張って携えてゆく
彼の岸に待つヒトへの手土産に成る