おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

2024-12-27 | ■ 生涯学習

 

本年も、いろいろとお世話になりました。

ありがとうございました。

2025年も、どうか、よろしくお願いいたします。

 

2024年12月は、実務上で、学習上で、出会う人ごとに、『管理業務就任者試験の問1の扱いは、

つまるところ、どうなるのでしょうね?』という話題が登場し、一応?プロとしての意見をと言わ

れると、「ブログで表明させていただいているとおりです。」と再三伝えているのですが、『著名

な受験塾などは、ヤハリ1と4だとか、肢1の問題文には誤植があるのでは、とかと述べている講

師もいる』とか、本日27日も、そうした件の感想を求められたり、それについての見解・説明に

2時間も要してしまったようなことで・・・

受験者さんにとって、いかに影響の大きい事柄であることかと、あらためて痛感した次第です。

 

 

 

令和5年度 《マンション管理士試験》に、次の出題がありましたね。


〔問 8〕 
マンション 101 号室はAが所有し、同室に隣接する 102 号室はBが所有
して居住しているところ、101 号室の室内には段ボール、空ペットボトル、
ビニール袋に詰めたゴミなどがため込まれてこれらが積み上がった状況とな
り、悪臭などによってBを含むマンションの居住者に著しい迷惑が及んでい
る。この状況のもとで、甲マンションの管理者又はBが講ずることができる
措置に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、誤って
いるものはどれか。

1 甲マンションの管理者は、管理規約に訴訟の提起についての定めがあったと
しても、集会の決議がなければ、Aに対して、101 号室の室内のゴミなどの除去
を求める訴えを提起することはできない。

2 甲マンションの管理者は、Aの所在を知ることができない場合には、裁判所
に対して、101 号室の専有部分と共用部分の共有持分を対象として、所有者不明
建物管理人による管理を命ずる処分を求めることができる。

3 Bは、Aによる 101 号室の管理が不適当であることによって自らの健康を害
して通院、治療が必要となった場合には、Aに対して損害賠償を請求することが
できる。

4 Bは、Aによる 101 号室の管理が不適当であることによって自らの権利が害
されている場合であっても、裁判所に対して、101 号室の専有部分と共用部分の
共有持分を対象として、管理不全建物管理人による管理を命ずる処分を求めるこ
とはできない。

            ※ 本試験問題には、太字部はありません。


誤植があったのではないか?・・・というあたりの感想を述べるのは、さすがに

受験者さんにとっては??とビックリしてしまうような見解でしょうから、いか

がなものか・・・と、自身も唖然としてしまいました が・・・ほんとうに、そ

のような発言が某講師さんからあったとは信じられないほどです。
所有者不明建物管理人 が  管理不全建物管理人 と 誤植された出題 とい
う意 なのでしょうか ? ??

2023年度の上記問題の正解は 肢2 と公表されています。

参照すべき条文 

肢1 区分所有法26・57

肢2 区分所有法6     民法 第二百六十四条の八

     (区分所有者の権利義務等)
    第六条
   4民法(明治二十九年法律第八十九号)第二百六十四条の八及び第二百六十四条の十四
    規定は、専有部分及び共用部分には適用しない

肢3 民法709

肢4 区分所有法6    民法 第二百六十四条の十四






     みなさまにとって すてきな年末・年始でありますことを 祈念いたしております

 

  

                         

     よろしくお願いいたします - おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑 

                  


配慮が足りませんでした。スミマセン

2024-12-25 | ◆ 業 務 参 考( 総 合 )

 

おかげさまで、このブログを見てくださる方は、多方面の方々であり、国家試験受験者

さんのみではありません。

そのことからして、前回のブログは、相応しくないものでした。

試験問題自体を載せないままでの記事は、ナンノコトデスカ?とお叱りをいただいてし

まって当然でした。お詫び申し上げます。

 

さて、今回の〈管理業務主任者試験〉において、自身に対する一番多い質問は、問一の

肢4について、でした(自身は、何度かブログにも記しているように、肢1が最も不適

切であると考えていますが)。

前回のブログのなかから、肢4に関して参照していただけるかな、と思える部分をより

抽出して、載せてみました。疑問点の解消に少しでも役に立つのであればサイワイです。

実務にも関する知識、であることですし、再度、周辺知識も含めた出題がなされないと

も限りませんので。

以前から申し上げていますが、施行後、すぐに、出題ということも、国家試験において

以前より目立つことです。

 

 


2024年度 管理業務主任者試験

【問 1】 共有に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も不適切なものはど
れか。

1  裁判所は、共有者やその所在が不明な共有建物について、必要があると認めるとき
は、利害関係人の請求により、その請求に係る建物又は共有持分を対象として、管理
不全建物管理人による管理を命ずる処分をすることができる。

2  共有者が、持分に応じた管理の費用の支払を 1 年以内に履行しないときは、他の共
有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる。

3  共有物が分割された場合、各共有者は、他の共有者が分割によって取得した物につ
いて、売主と同じく、その持分に応じて担保の責任を負う。

4  共有物の全部又はその持分が相続財産に属する場合において、共同相続人間で当該
共有物の全部又はその持分について遺産の分割をすべきときは、相続開始の時から10
年を経過しなければ、当該共有物又はその持分について裁判による分割をすることが
できない。

             ※ 本試験問題では、太字とはしてありません。



令和3年改正で新たに作られた民法258条の2の第1項には原則が規定されている。
原則とは、
共有物分割遺産共有の解消をすることはできないというもので、昭和62年最判が示
した解釈(遺産相続により相続人の共有となった財産の分割について、共同相続人間に
協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、「家庭裁判所審判によ
ってこれを定めるべきものであり、通常裁判所判決手続で判定すべきものではない。)

1項は、改正前の扱いと同じ。
2項で例外を定めることになったので、前提として原則を示した

肢4は、原則とともに例外についてのことをも含ませて双方並べて示しているので、仮
に、いわゆる反対解釈など考慮すると、グレー部分が表出しそうかもしれないが、問い
方は《共有に関する次の記のうち、民法の規定によれば、最も不適切なもの》として
あり、とにもかくにも10年を経過しないことには、当該共有物又はその持分について、
例外であるところの裁判による分割(258条裁判による共有物の分割)をすることは
できないのであるから、明文に反している内容を含む肢1と比較して、最も不適切とは
いえない(例外の適用はとにかく10年を経過してからのことであるのだから)のでは、
と、自身は考えるのです。





一番多い質問は、『全部 とか 持分 とか、どのような場面を想定してのことなのか、混乱してしま
っていて、試験講評をなさる方や塾講師さんの説明も、そのあたりのことがアイマイ?で・・・』
というあたりですので、そのあたりがハッキリしない方は、例となるような具体的場面を想起しながら、
よければ、参考にしてみてください。

//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

第二百五十八条の二 
共有物の全部又はその持分相続財産に属する場合において、共同相続人間で当該共有物の全部又は
その持分について遺産の分割をすべきときは、当該共有物又はその持分について前条の規定による
割をすることができない。

2 共有物の持分相続財産に属する場合において、相続開始の時から十年を経過したときは、前項
の規定にかかわらず、相続財産に属する共有物の持分について前条の規定による分割をすることがで
きる。ただし、当該共有物の持分について遺産の分割の請求があった場合において、相続人が当該共
有物の持分について同条の規定による分割をすることに異議の申出をしたときは、この限りでない

3 相続人が前項ただし書の申出をする場合には、当該申出は、当該相続人が前条第一項の規定によ
る請求を受けた裁判所から当該請求があった旨の通知を受けた日から二箇月以内に当該裁判所にしな
ければならない。

//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

 

共有者の1人が亡くなり、当該共有持分権を複数の相続人(共同相続人)が承継すると、被相続人が
有していた共有持分権をさらに共有(複数人で所有)するということになる。
物権共有の中に遺産共有が含まれている状態となる。

一般的な共有=物権共有であった  その後、共有者の1名に相続が生じた ⇒ 物権共有と
遺産共有の両方が含まれる状態になる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《例》

共有者=A・B・C
Cが死亡した(Cの相続人C1・C2・C3

共有者=   A ・ B ・ C1・C2・C3
遺産共有と物権共有が混在している(相続人以外の共有者もいるのだ、ということ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

全体遺産共有であるとはいえない状態なので、分割手続として遺産分割を使えない。
共有物分割の手続を用いることになる。
共同相続人(相続人グループ)の有する持分遺産共有なので、遺産分割によって分割
することになる。具体的には、共有物分割の中で、共同相続人全体が得た財産を、改め
て(次の手続として)遺産分割によって分割する、ということになる。

 

(1項とは違って2項では)条文上「持分が」(相続財産に属する)という文言になっ
ている
「共有物の全部(が)」は除外されている
遺産共有と物権共有が  混在している  ことを意味している

 

民法258条の2のメインは2項〔原則(改正前の判例)に対する例外を新たに作った条文〕。
例外とは、共有物分割訴訟の中で遺産共有の解消をする(できる)という処理のこと。

例として、
AB共有の甲土地があり、Aが亡くなった。その結果、Aの相続人A1A2Bの共有となるが、
このうちA1A2」の持分は遺産共有(分割未了)となっている。
相続から10年経過後に、A1が甲土地について共有物分割の訴訟の提起をした。
A2の立場で考えてみると、地裁から訴状の送達があって初めて訴訟が提起されたことを知る。
この場面で2つの選択肢が想定される。
まず、そのまま、甲土地についての共有物分割を進めるという選択肢。この場合は特別な手続
をすることはない。通常の共有物分割として、分割方法の希望を答弁書として裁判所に提出す
ることになる。
もう1つは、他の遺産(たとえば乙土地や預貯金、金融資産)を含めた遺産分割の調停(また
は審判)を家裁に申し立てて、地裁の共有物分割について異議を出すというもの。
異議を出した場合は、例外は発動することなく、原則(改正前と同じ)の扱いになる。
具体的には、共有物分割の中ではA1・A2持分の解消はできず、遺産分割の中で甲土地のA持分
(A1・A2持分)も含めて分割することになる。

異議を出しても(出さなくても)、共有物分割訴訟が却下や棄却になって終了する、というわ
けではなく、2つの分割手続が同時に進行する(並走する)ことになる。
(詳細を知りたい方は、専門書・インターネットなどにある参照すべきもの、などで充たして
 ください)。



〈参考・・・とばしてもよいのですが、知識欲がありそうなら読んでみてください〉

例外が発動した状況、は2つに分けられます。共有物分割訴訟だけが進行する(単独進行)の状況と、
共有物分割訴訟と遺産分割調停(か審判)が並走する状況です。並走するとは、被告が異議を出せる
のに意図的に出さないという状況です。
この例外発動、かつ、2つの分割手続並走の状況では、遺産共有の持分については、どちらの手続で
も解消できる、ということ〔当然ですが、一方の手続で解消した場合は(すでに共有ではなくなった
ので)他方の手続で解消することはできませんが〕。
先ほどの具体例でいえば、A1・A2は異議を出していない状況です。相続人全員(A1・A2)が、甲土
地のA1・A2持分共有物分割訴訟で解消したいと考えているといえる場合。そうだとすると、遺産
分割(家裁)としては、甲土地のA1・A2持分の共有解消は共有物分割訴訟(地裁)に委ねる(それ
以外の遺産だけを分割する)ことが想定される。
さらに、共有物分割訴訟の原告A1自身が、例外発動を望まない(甲土地のA1・A2持分は共有物分割
訴訟では分割せず、並走している遺産分割手続の中で解消したい)と表明している時は、共有物分割
訴訟の裁判所(地裁)は希望どおりにA1・A2持分は共有を残存させるのが妥当と考えられよう。


 

               

〔共有物分割訴訟の提起が相続から10年後であれば例外発動となる。この時点で、遺産
分割の手続が進行中(2つの分割手続の並走)というケースもあれば、進行中ではない(共有
物分割訴訟のみ単独進行)ケースもあります。〕
(詳細を知りたい方は、専門書・インターネットなどにある参照すべきもの、などで充たしてください)。



ところで、
遺産分割では、令和3年改正後は、相続から10年後には特別受益と寄与分を無視することに
なりました(民法904条の3)。逆にいえば、相続から10年以内は特別受益と寄与分の適用を保障す
るということ。
ここで、遺産共有を共有物分割で解消する手続(例外発動)では、特別受益と寄与分を無視することにな
ります(民法898条2項、前述)。
そこで
相続から10年以内では例外発動を認めない、という設計になっている




〈参考・・・とばしてもよいのですが、知識欲がありそうなら読んでみてください〉

遺産共有に共有の規定を適用する場合の共有持分割合のルールは、民法898条2項として新設されました。
条文には、900条から902条までの規定により算定した相続分(を適用する)と記述されています。
民法900〜902条には、法定相続分と遺言による指定相続分が規定されておりこの2つが適用されると
いうことになる。
民法903条と904条の2には、特別受益と寄与分が規定されていますが。

令和3年改正で、遺産分割の手続では、「相続開始から10年経過後」の場合だけ、(原則として)特別受益
と寄与分を反映させない
扱いとなる。(民法904条の3)




  (期間経過後の遺産の分割における相続分)
第九百四条の三 
前三条の規定は、相続開始の時から十年を経過した後にする遺産の分割については、適用しない。ただし、

次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 相続開始の時から十年を経過する前に、相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。
二 相続開始の時から始まる十年の期間の満了前六箇月以内の間に、遺産の分割を請求することができない
やむを得ない事由が相続人にあった場合において、その事由が消滅した時から六箇月を経過する前に、当該
相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。

(特別受益者の相続分)第九百三条  ・  第九百四条   
(寄与分)第九百四条の二
共有の規定の適用の場面では、この「10年制限」はなく、相続開始直後でも特別受益と寄与分を反映させ

ない扱いが発動することになる。




令和3年改正で新設されたルールをまとめると、遺産共有に共有の規定を適用する場面では、原則として
法定相続分を使い、遺言で相続分が指定されている場合には、その割合(指定相続分)を使う、というこ
とになる。

令和3年改正の前でも後でも、2つの分割手続(遺産分割と共有物分割)が同時に進行する(並走する)
ことは生じます。この場合には、連携することになる。
(詳細を知りたい方は、専門書・インターネットなどにある参照すべきもの、などで充たしてください)。


以上で説明してきた「例外発動」の中身を再確認すると、共有物分割訴訟の中で遺産共有の解消ができる
というものです。条文上「できる」という表現になっています。「しなくてはならない」という表現では
ありません。
裁判所の裁量であり、具体的には、例外発動のケースでも、裁判所は原則どおりに遺産共有は解消しない
(共有の状態で残す)ということも可能。
法改正とは関係なく、もともと、共有物分割訴訟で裁判所が一部の共有を残存させることは可能
(もちろんそれが妥当である状況は限られているけれど)。

(詳細を知りたい方は、専門書・インターネットなどにある参照すべきもの、などで充たしてくださる
ようおねがいいたします。)

 

 

〈参考・・・とばしてもよいのですが、知識欲がありそうなら、マトメとして読んでみてください〉
判例は、遺産相続により相続人の共有となった財産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、
又は協議をすることができないときは、「家庭裁判所が審判によってこれを定めるべきものであり、通常
裁判所が判決手続で判定すべきものではない」としていた(最高裁昭和62・9・4)。
共有物について遺産共有持分と他の共有持分とが併存する場合においては、遺産共有持分権者を含む共有
権者
が遺産共有持分と他の共有持分との間の共有関係の解消を求める方法として裁判上採るべき手続は

258条に基づく共有物分割訴訟であり、さらに、共有物分割の判決によって遺産共有持分権者に分与
された財産は遺産分割の対象になるとし、この財産の共有関係の解消について907条に基づく遺産分割
によらなければならない、としていた
                      (最高裁平成25・11・29)。   
けれども、事案によっては、共有物分割の中で、相続人間の分割を実施した方が、共有物に関する帰属が
迅速に定まり、相続人にとっても便宜であるケースもあると考えられる
改正法は、原則として、上記判例法理に従い、遺産共有の解消は遺産分割の手続によらなければならない
としつつ(本条1項)、例外的に、相続開始時から10年を経過したときは、裁判所は相続財産に属する共有
物の持分について258条の規定による共有物分割をすることができると規定している(本条2項本文)。
ただし、相続人の遺産分割上の権利も考慮し、相続人が異議の申出をした場合には、共有物分割による処理
によることはできないものとしている(本条2項ただし書)


本条2項本文に基づき、共有物分割請求訴訟の中で相続人間の分割もすることを前提に審理が進められてい
た場合に、たとえば弁論の終結間際に相続人から異議の申出がされると、それまでの審理が無駄となってし
まう事態も考えられる。
そのような事態を防止するということから、相続人が異議の申出をすることができる期間は、共有物分割請
求を受けた裁判所から当該請求があった旨の通知を受けた日から2箇月以内とされている(本条3項)



 

相続の相談はサマザマな事柄が絡むことがあります
繰り返しになりますが、実務上でも重要なこと、なので・・・
遺産分割では、令和3年改正後は、相続から10年後には特別受益と寄与分を無視することになりました
(民法904条の3)。逆にいえば、相続から10年以内は特別受益と寄与分の適用を保障するということ。
遺産共有を共有物分割で解消する手続(例外発動)では、特別受益と寄与分を無視することになる
(民法898条2項)。そこで相続から10年以内では例外発動を認めない、という設計になっている。

(共同相続の効力)
第八百九十八条 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。
2 相続財産について共有に関する規定を適用するときは、第九百条から第九百二条までの規定により算定
した相続分
をもって各相続人の共有持分とする。

        ※ (特別受益者の相続分)第九百三条  ・  第九百四条   
          (寄与分)第九百四条の二

 



                                   
                                      

                                  はたけやまとくお事務所


参考になればよいのですが・・・

2024-12-23 | ◆ 国家試験受験サポート 〔 全 般 〕

おおよその国家試験が終了しているといえるでしょう。

再学習をスタートしている方も多い時季になりましたでしょうか?

 

さて、次の条文は、特に不動産関連試験の受験者さんから、

本試験後も、質問が多い条文です。

 

今年度の〈管理業務主任者試験〉の問一 についての質問が続いているので、以下に参照すべきことの
概略を記しておきます。

一番多い質問は、全部 とか 持分 とか、どのような場面を想定してのことなのか、混乱してしま
っていて、試験講評をなさる方や塾講師さんの説明も、そのあたりのことがアイマイ?で・・・』
というあたりですので、そのあたりがハッキリしない方は、例となるような具体的場面を想起しながら、
よければ、参考にしてみてください。

//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

第二百五十八条の二 
共有物の全部又はその持分相続財産に属する場合において、共同相続人間で当該共有物の全部又は
その持分について遺産の分割をすべきときは、当該共有物又はその持分について前条の規定による分
割をすることができない

2 共有物の持分相続財産に属する場合において、相続開始の時から十年を経過したときは、前項
の規定にかかわらず、相続財産に属する共有物の持分について前条の規定による分割をすることがで
きる。ただし、当該共有物の持分について遺産の分割の請求があった場合において、相続人が当該共
有物の持分について同条の規定による分割をすることに異議の申出をしたときは、この限りでない

3 相続人が前項ただし書の申出をする場合には、当該申出は、当該相続人が前条第一項の規定によ
る請求を受けた裁判所から当該請求があった旨の通知を受けた日から二箇月以内に当該裁判所にしな
ければならない。

//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

 

 

 

共有者の1人が亡くなり、当該共有持分権を複数の相続人(共同相続人)が承継すると、被相続人が
有していた共有持分権をさらに共有(複数人で所有)するということになる。
物権共有の中に遺産共有が含まれている状態となる。

一般的な共有=物権共有であった  その後、共有者の1名に相続が生じた  物権共有と
遺産共有の両方が含まれる状態になる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《例》

共有者=A・B・C
Cが死亡した(Cの相続人C1・C2・C3

共有者=   A ・ B ・ C1・C2・C3
遺産共有と物権共有が混在している(相続人以外の共有者もいるのだ、ということ)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

全体遺産共有であるとはいえない状態なので、分割手続として遺産分割を使えない。
消去法的に共有物分割の手続を用いることになる。
共同相続人(相続人グループ)の有する持分遺産共有なので、遺産分割によって分割
することになる。具体的には、共有物分割の中で、共同相続人全体が得た財産を、改め
て(次の手続として)遺産分割によって分割する、ということになる。

 

(1項とは違って2項では)条文上「持分が」(相続財産に属する)という文言になっ
ている
「共有物の全部(が)」は除外されている
遺産共有物権共有が  混在している  ことを意味している

 

民法258条の2のメインは2項〔原則(改正前の判例)に対する例外を新たに作った条文〕。
例外とは、共有物分割訴訟の中で遺産共有の解消をする(できる)という処理のこと。

例として、
AB共有の甲土地があり、Aが亡くなった。その結果、Aの相続人A1A2とBの共有となるが、
このうちA1A2」の持分は遺産共有(分割未了)となっている。
相続から10年経過後に、A1が甲土地について共有物分割の訴訟の提起をした。
A2の立場で考えてみると、地裁から訴状の送達があって初めて訴訟が提起されたことを知る。
この場面で2つの選択肢が想定される。
まず、そのまま、甲土地についての共有物分割を進めるという選択肢。この場合は特別な手続
をすることはない。通常の共有物分割として、分割方法の希望を答弁書として裁判所に提出す
ることになる。
もう1つは、他の遺産(たとえば乙土地や預貯金、金融資産)を含めた遺産分割の調停(また
は審判)を家裁に申し立てて、地裁の共有物分割について異議を出すというもの。
異議を出した場合は、例外は発動することなく、原則(改正前と同じ)の扱いになる。
具体的には、共有物分割の中ではA1・A2持分の解消はできず、遺産分割の中で甲土地のA持分
(A1・A2持分)も含めて分割することになる。

異議を出しても(出さなくても)、共有物分割訴訟が却下や棄却になって終了する、というわ
けではなく、2つの分割手続が同時に進行する(並走する)ことになる。
(詳細を知りたい方は、専門書・インターネットなどにある参照すべきもの、などで充たして
 ください)。




〈参考・・・とばしてもよいのですが、知識欲がありそうなら読んでみてください〉

例外が発動した状況、は2つに分けられます。共有物分割訴訟だけが進行する(単独進行)の状況と、
共有物分割訴訟と遺産分割調停(か審判)が並走する状況です。並走するとは、被告が異議を出せる
のに意図的に出さないという状況です。
この例外発動、かつ、2つの分割手続並走の状況では、遺産共有の持分については、どちらの手続で
も解消できる、ということ〔当然ですが、一方の手続で解消した場合は(すでに共有ではなくなった
ので)他方の手続で解消することはできませんが〕。
先ほどの具体例でいえば、A1・A2は異議を出していない状況です。相続人全員(A1・A2)が、甲土
地のA1・A2持分共有物分割訴訟で解消したいと考えているといえる場合。そうだとすると、遺産
分割(家裁)としては、甲土地のA1・A2持分の共有解消は共有物分割訴訟(地裁)に委ねる(それ
以外の遺産だけを分割する)ことが想定される。
さらに、共有物分割訴訟の原告A1自身が、例外発動を望まない(甲土地のA1・A2持分は共有物分割
訴訟では分割せず、並走している遺産分割手続の中で解消したい)と表明している時は、共有物分割
訴訟の裁判所(地裁)は希望どおりにA1・A2持分は共有を残存させるのが妥当と考えられよう。


 

                 シンプルなメモ
令和3年改正で新たに作られた民法258条の2の第1項には、原則が規定されている。原則の中身は、
共有物分割遺産共有の解消をすることはできないというもので、昭和62年最判が示した解釈。
1項は、改正前の扱いと同じ。
2項で例外を定めることになったので、前提として原則を示した

民法258条の2において主要なのは2項です。原則(改正前の判例)に対する例外を新たに作った条文。
例外とは共有物分割訴訟の中で遺産共有の解消をする(できる)という処理のこと。
例外が発動する要件は3つにまとめることができる。3つのうち1つでも当てはまらない場合には、例外
は発動しない(原則どおりになる)。原則どおり、とは、共有物分割訴訟の申立ができない、という意味
ではありませんが。
(詳細を知りたい方は、専門書・インターネットなどにある参照すべきもの、などで充たしてください)。


例外の適用(遺産共有の解消を認める)の要件の整理

遺産共有と物権共有の混在

繰り返しになりますが、

(1項とは違って2項では)条文上「持分が」(相続財産に属する)という文言になっている
「共有物の全部(が)」は除外されている
遺産共有と物権共有が混在していることを意味している

・相続から10年後の提訴

相続開始から10年を経過した後に共有物分割訴訟の申立がなされた

・共有者による異議がない

共有者(被告)が異議を出した場合には例外(遺産共有の解消を認める)は適用されない
異議を出すには、遺産分割調停・審判の申立が必要。

 

 

〔共有物分割訴訟の提起が相続から10年後であれば例外発動となる。この時点で、遺産
分割の手続が進行中(2つの分割手続の並走)というケースもあれば、進行中ではない(共有
物分割訴訟のみ単独進行)ケースもあります。〕
(詳細を知りたい方は、専門書・インターネットなどにある参照すべきもの、などで充たしてください)。



ところで、
遺産分割では、令和3年改正後は、相続から10年後には特別受益と寄与分を無視することに
なりました(民法904条の3)。逆にいえば、相続から10年以内は特別受益と寄与分の適用を保障す
るということ。
ここで、遺産共有を共有物分割で解消する手続(例外発動)では、特別受益と寄与分を無視することにな
ります(民法898条2項、前述)。
そこで
相続から10年以内では例外発動を認めない、という設計になっている




〈参考・・・とばしてもよいのですが、知識欲がありそうなら読んでみてください〉

遺産共有に共有の規定を適用する場合の共有持分割合のルールは、民法898条2項として新設されました。
条文には、900条から902条までの規定により算定した相続分(を適用する)と記述されています。
民法900〜902条には、法定相続分と遺言による指定相続分が規定されておりこの2つが適用されると
いうことになる。
民法903条と904条の2には、特別受益と寄与分が規定されていますが。

令和3年改正で、遺産分割の手続では、「相続開始から10年経過後」の場合だけ、(原則として)特別受益
と寄与分を反映させない
扱いとなる。(民法904条の3)




  (期間経過後の遺産の分割における相続分)
第九百四条の三 
前三条の規定は、相続開始の時から十年を経過した後にする遺産の分割については、適用しない。ただし、

次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 相続開始の時から十年を経過する前に、相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。
二 相続開始の時から始まる十年の期間の満了前六箇月以内の間に、遺産の分割を請求することができない
やむを得ない事由が相続人にあった場合において、その事由が消滅した時から六箇月を経過する前に、当該
相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。

(特別受益者の相続分)第九百三条  ・  第九百四条   
(寄与分)第九百四条の二
共有の規定の適用の場面では、この「10年制限」はなく、相続開始直後でも特別受益と寄与分を反映させ

ない扱いが発動することになる。




令和3年改正で新設されたルールをまとめると、遺産共有に共有の規定を適用する場面では、原則として
法定相続分を使い、遺言で相続分が指定されている場合には、その割合(指定相続分)を使う、というこ
とになる。

令和3年改正の前でも後でも、2つの分割手続(遺産分割と共有物分割)が同時に進行する(並走する)
ことは生じます。この場合には、連携することになる。
(詳細を知りたい方は、専門書・インターネットなどにある参照すべきもの、などで充たしてください)。


以上で説明してきた「例外発動」の中身を再確認すると、共有物分割訴訟の中で遺産共有の解消ができる
というものです。条文上「できる」という表現になっています。「しなくてはならない」という表現では
ありません。
裁判所の裁量であり、具体的には、例外発動のケースでも、裁判所は原則どおりに遺産共有は解消しない
(共有の状態で残す)ということも可能。
法改正とは関係なく、もともと、共有物分割訴訟で裁判所が一部の共有を残存させることは可能
(もちろんそれが妥当である状況は限られているけれど)。

異議を出すには、遺産分割調停・審判の申立が必要。

(詳細を知りたい方は、専門書・インターネットなどにある参照すべきもの、などで充たしてくださる
ようおねがいいたします。)

 

 

〈参考・・・とばしてもよいのですが、知識欲がありそうならマトメとして読んでみてください〉
判例は、遺産相続により相続人の共有となった財産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、
又は協議をすることができないときは、「家庭裁判所が審判によってこれを定めるべきものであり、通常
裁判所が判決手続で判定すべきものではない」としていた(最高裁昭和62・9・4)。
共有物について遺産共有持分と他の共有持分とが併存する場合においては、遺産共有持分権者を含む共有
権者
が遺産共有持分と他の共有持分との間の共有関係の解消を求める方法として裁判上採るべき手続は

258条に基づく共有物分割訴訟であり、さらに、共有物分割の判決によって遺産共有持分権者に分与
された財産は遺産分割の対象になるとし、この財産の共有関係の解消について907条に基づく遺産分割
によらなければならない、としていた
                      (最高裁平成25・11・29)。   
けれども、事案によっては、共有物分割の中で、相続人間の分割を実施した方が、共有物に関する帰属が
迅速に定まり、相続人にとっても便宜であるケースもあると考えられる。
改正法は、原則として、上記判例法理に従い、遺産共有の解消は遺産分割の手続によらなければならない
としつつ(本条1項)、例外的に、相続開始時から10年を経過したときは、裁判所は相続財産に属する共有
物の持分について258条の規定による共有物分割をすることができると規定している(本条2項本文)。
ただし、相続人の遺産分割上の権利も考慮し、相続人が異議の申出をした場合には、共有物分割による処理
によることはできないものとしている(本条2項ただし書)。


本条2項本文に基づき、共有物分割請求訴訟の中で相続人間の分割もすることを前提に審理が進められてい
た場合に、たとえば弁論の終結間際に相続人から異議の申出がされると、それまでの審理が無駄となってし
まう事態も考えられる。
そのような事態を防止するということから、相続人が異議の申出をすることができる期間は、共有物分割請
求を受けた裁判所から当該請求があった旨の通知を受けた日から2箇月以内とされている(本条3項)。



 

相続の相談はサマザマな事柄が絡むことがあります
繰り返しになりますが、実務上でも重要なこと、なので・・・

遺産分割では、令和3年改正後は、相続から10年後には特別受益と寄与分を無視することになりました
(民法904条の3)。逆にいえば、相続から10年以内は特別受益と寄与分の適用を保障するということ。
遺産共有を共有物分割で解消する手続(例外発動)では、特別受益と寄与分を無視することになる
(民法898条2項)。そこで相続から10年以内では例外発動を認めない、という設計になっている。

(共同相続の効力)
第八百九十八条 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。
2 相続財産について共有に関する規定を適用するときは、第九百条から第九百二条までの規定により算定
した相続分
をもって各相続人の共有持分とする。

        ※ (特別受益者の相続分)第九百三条  ・  第九百四条   
          (寄与分)第九百四条の二

 



                                   
                                      

                                  はたけやまとくお事務所


お喋り ではなく お話 の場

2024-12-14 | ■ サマザマな おはなし

 

恋を育んでいく途のほとんどの場 というか 心をかよわしていく場面は いつも

といっていいほど《喫 茶 店》という 空間 だった

私ら(と言ってはいけないな・・・極く私的な感慨を述べさせていただくのだから

私(自身)の場合は と述べなければならないが)の頃は おおよその街(ときには村

にも) その 《喫 茶 店》 というものが 一 二 店はあったような・・

付き合っていく途のスタートからゴールまで ほぼ 《喫 茶 店》での おしゃべり

そして  お 話

今は おしゃべりなら なんとかできそうな ファミレス という類のものがあるが

お 話 となると ナカナカ   進めるのにはトラブルが起きそうで 言葉も落ち

着かなくなってしまう ことが ホトンドだ(実務の場合には 特に 繊細な表現を

聴き落としたりしては大変なことになってしまったりするので・・・)

今の方々は 恋の会話も おしゃべり で上手にできるのかもしれない?が 自身など

には できそうもない(もっとも 結婚後に恋の会話のための場が設定されそうな艶め

かしいあだごとなどにはお目にかかりそうもない自身なのですが)

 

実務においての この〈お話の場〉 の設定にはサマザマ検討を要する場合があります

ご存じのように ごく一部地域を除いて いわゆるコーヒー類のみ喫茶店のようなお店

は ごく少数 ですし ファミレス系は 実際のところ 〈お話の場〉 には向いてい

なーとの実感が どう工夫しても 多いですからね

《喫 茶 店》時代には お店の都合もあるでしょうから おおむね1時間を超える利用

の場合は 追加注文にてコーヒーのおかわりを2度ばかりするのを自身の慣例とさせてい

ただいていました が・・

 

というようなことで 最近は 貸スペースなどでの相談実務 も自身の場合は選択肢に

させていただいています

なにしろ ジックリと おしゃべり お話 ができますので(もっとも どの地域ででも

というわけにはいかない弱点もありますが・・・)

事務所内会話も モチロン 基本的な手法なのですが 来所がタイヘンな方も増えていま

す・・・

 

 

 

この時期は 大気乾燥による不都合が 自身の場合などは特に 眼 にきたりします

加湿器など利用しているのですが 天気予報だけでは特定地点でのことは判明しないので

湿度計で 事務所内の状況を確認するようにしています

当地は そうとうに湿度が下がることがありドライアイっぽいので 情報取得に助かります

 

さて 目薬の力も借りながら 調べもの 再開

 

 

そういえば JAZZ喫茶 は 絶滅っぽい感さえしますね(極く一部で なんとか営業中と

いうお店もありますが・・・音量を気にせずにモダーンjazzz を聴きたくて ジックリ学習

本と格闘したくて通ったりした店があったりしましたが・・今は そういった専門店に出

会えるのが奇跡?みたいな思い ばかりで・・・)


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一応載せていただきます

2024-12-09 | マンション管理関連試験等サポート   

 

一問の差で 合否が決まるという場面だとして その問題の正解に対する扱いによって運命が

ということなら 当然 気になって気になってしかたがない という心境の毎日で なんとも

やりきれない でしょうから お付き合いをいただいている受験者さんには 自身の見解を
ハッキリと

述べさせていただいているのですが・・・・

 

本年度の 《管理業務主任者試験問1》についての アーダコーダの議論ですが

前提として ハッキリとしておかないといけないこととして

問われ方が 

【問 1】
共有に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も不適切なものはどれか

と してあること

次の

【問 2】
マンションに関する次の記述のうち、民法区分所有法及び判例によれば、最も
適切なものはどれか。

と比較してみてください

 ※ 判例によれば などの文言は問1には登場していないのに、判例からして
   肢4が適切ではない、などとの解説をなさっている塾講師さんがいるよう
   ですが当該肢についての試験解説としてはいかがなものか、と思われるの
   ですが・・・判例からするとどうなのか、などと問われていないでしょ・・



そして、次の注意が問題用紙に明記されていました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

注意事項
1  問題は、 1 ページから33ページまで50問です。
2  試験の開始の合図と同時に、問題のページ数を確認してください。 
 落丁や乱丁があった場合は、直ちに試験監督員に挙手して申し出ください。
3  解答は、別紙の解答用紙に記入してください。 
 解答用紙の注意事項に従い、所定の要領で記入してください。 
 複数の解答をしたもの、判読が困難なものは、正解としません。
4  正解は、各問題とも 1 つだけです。
5  問題中の法令等は、令和6年4月1 日

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


上記からして、また、最も不適切なものという表記からして、正解として
選択すべき肢はただ一つ、と理解すべきは当然のことなのですから、受験
者の方々への解説として、肢1 あるいは 肢4 などという説明だとす
ると、プロとして、いかがなものかな、と思えてしまいます。

以上のことから、自身は、質問された場合には『本年度問題問1における
最も不適切な肢はです。』と説明させていただいているのです(先日
のブログにあるとおり)。



意見を交わし合って結論を探究する場合に最も肝要なことは、議論におけ
る[前提]を、ハッキリと認識し合うことだと、常々思っているのです。

    記述のうち民法の規定によれば、最も不適切なもの

における議論なのです。
私自身は、選択される肢が二つでも可であるかもしれない、などという
前提には立っていない、のです。 


 

さて、これから、〔契約不適合責任〕について、再学習です。

何十年と、改正前の民法で実務をしてきた者にとって、以前の知識を前提

の思考になってしまってはいないかどうか、マダマダ 不安いっぱい、です。

                        
                 

    よろしくお願いいたします - おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み           


さっそく、自身も挑戦。

2024-12-02 | マンション管理関連試験等サポート   

 

 

管理業務主任者試験問題の公開がありましたので、さっそく、事務所内で

13時から15時まで、挑戦してみました。

 

第一問目から、シッカリと条文にあたってなかったとしたなら、アタフタしそうな

ものが、さっそく登場。

問題には、〔民法によれば〕とあるだけであって、区分所有建物を前提とした問ではないのであ

り、区分所有法6条4項の特則の存在などが決め手ではないと解されるのだけれど・・・・

肢1を答えとした受験生さんが多かった?かな・・・
そのことを理由にしての回答だとすると、理由付けとしては妥当でなかったのだが、結果として
ラッキー、というところか・・・

所有者不明建物管理人 とすべきを 管理不全建物管理人 とされていて、 明文に反し
ているので、最も不適切なものとなる、と、自身は解釈したのだけれど・・・
最も不適切なものは、と問われているので一個の答えであるべきなので、肢4と比較して肢1が
最も不適切で、これが答えだと考えます(最も、という文言からして通常の理解は唯一の答えが
妥当、答えが1か4と並立しては、最も不適切にならない)ので、仮に肢4に不適切な箇所があ
るのだと解釈したとしても、条文に明らかに反するほうを、明確に、唯一の答えとすべき、と、
自身は考えます。

数人の受験者さんからなのだが、『肢1と4が、答えだとしている解説があるのですが ?』

と、その疑問を問われた。


 問題 肢4 
  共有物の全部又はその持分が相続財産に属する場合において、共同相続人間で当該
  共有物の全部又はその持分について遺産の分割をすべきときは、相続開始の時から
  10年を経過しなければ、当該共有物又はその持分について裁判による分割をするこ
  とができない。

 条文 第二百五十八条の二 
  共有物の全部又はその持分が相続財産に属する場合において、共同相続人間で当該
  共有物の全部又はその持分について遺産の分割をすべきときは、当該共有物又はそ
  の持分について前条の規定による分割をすることができない。
 2 共有物の持分が相続財産に属する場合において、相続開始の時から十年を経過し
  たときは、前項の規定にかかわらず、相続財産に属する共有物の持分について前条
  の規定による分割をすることができる。



   

 

(所有者不明建物管理命令)
第二百六十四条の八 
裁判所は、所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない建物
(建物が数人の共有に属する場合にあっては、共有者を知ることができず、又は
その所在を知ることができない建物の共有持分)について、必要があると認める
ときは、利害関係人の請求により、その請求に係る建物又は共有持分を対象とし
て、所有者不明建物管理人(第四項に規定する所有者不明建物管理人をいう。以
下この条において同じ。)による管理を命ずる処分(以下この条において「所有
者不明建物管理命令」という。)をすることができる。

4 裁判所は、所有者不明建物管理命令をする場合には、当該所有者不明建物管
理命令において、所有者不明建物管理人を選任しなければならない。

 

(管理不全建物管理命令)
第二百六十四条の十四 
裁判所は、所有者による建物の管理が不適当であることによって他人の権利又は
法律上保護される利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において、
必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、当該建物を対象として、
管理不全建物管理人(第三項に規定する管理不全建物管理人をいう。第四項にお
いて同じ。)による管理を命ずる処分(以下この条において「管理不全建物管理
命令」という。)をすることができる。
3 裁判所は、管理不全建物管理命令をする場合には、当該管理不全建物管理命
令において、管理不全建物管理人を選任しなければならない。

 

第二百五十八条の二 
共有物の全部又はその持分が相続財産に属する場合において、共同相続人間で当
該共有物の全部又はその持分について遺産の分割をすべきときは、当該共有物又
はその持分について前条の規定による分割をすることができない。
2 共有物の持分が相続財産に属する場合において、相続開始の時から十年を経
過したときは、前項の規定にかかわらず、相続財産に属する共有物の持分につい
前条の規定による分割をすることができる。ただし、当該共有物の持分につい
て遺産の分割の請求があった場合において、相続人が当該共有物の持分について
同条の規定による分割をすることに異議の申出をしたときは、この限りでない。

   (裁判による共有物の分割)
    第二百五十八条 
    共有物の分割について共有者間に協議が調わないとき、又は協議をする
    ことができないときは、その分割を裁判所に請求することができる。

 ※ 〔相続人の共有財産の分割について〕
     共有物の全部が相続財産に属する場合には、遺産分割手続きによらなければ
     ならなく、共有物分割手続きによることはできない(258の2Ⅰ)。
     〈遺産の分割は一切の事情を考慮し公平に行う必要があるので(906)、
      通常裁判所の判決よりも家庭裁判所の審判によるべきだから〉

 

 

問1がスタートであったので、本年は、昨年よりテゴワイかな? という感覚だった

のですが、総体としてはヤヤ取り組みやすいかも、と、自身は思いました。

案の定、知己の受験者さんから、どうしても合格予想点をとのことでしたので、38点

と、答えさせていただきました(当然ですが、あくまで、自身の感覚によるものです)。

 

 

本日の事務所内受験は順調に終えていたのですが、その後、実務上の事務が重なって

つながって 発生し、ようやく、今、ひと段落で、記事を書いているところです。

 

本日の記事、少々アタフタした状況で、記しています。

万が一、不適切すぎる記述があった場合、どうぞ、ご一報ください。

調査を尽くし、説明のやり直しに、速やかにかかりますので、どうぞ、ご容赦ください。

もうしわけありませんが。

 

問1は、《最も不適切なもの》を選ぶのですよね ?

なんだか、トンデモナイ 記事を書いているのかな と、不安になってしまいました。

いろいろな塾で、異なっている表明をしているとか?なんとか? ナゼカな?

自身がおかしいのかな ?

 

この、不適切なもの という表現 ナントモ グレーっぽい 

最も不適切 という表現があるからには、そのレベルではない不適切というものもある

のだろうなー・・なにを重要視すべきなのだろう・・・やはり法条規文言に明らかに反

しているものが 最も不適切 なのだろう ・・・と考えられるけれど・・・?

以前にも記した記憶があるが、不適切というのではなく、『正しい・誤り  違法・適法』

という規準のほうが、よりスッキリすると考えてしまう。

 

 

さて、やり残しの資料調査実務にかかろうかな・・・


 

                              

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