マンション管理士試験の合格者発表がありました
以前から申し上げていますが、今回の主戦場は区分所有法 特に そのうちの
合否を分けたのは 問7・8・9 あたりでは、と、自身には思われます。
法令系問題のホトンドの決め手は、なんといっても条文理解力といえますが・・・
問7 の ポイントは、平成2年11・26判決に概ねなりとも触れていたかどうか
主要な基本書には登場している判例です。
問8 については、7条2項にあるヒッソリとある文言に触れることがあったかどうか
それと
59条にある 赤字のあたりで、悩んだことがあったかどうか・・
(区分所有権の競売の請求)
第五十九条第五十七条第一項に規定する場合において、第六条第一項に
規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法
によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有
者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の
全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行
為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求すること
ができる。
問9 については 《暴力団が実質上拠点である事務所として使用している場合のように
57条の請求による裁判をしても実効性が無いだろう場合は、57
条の請求を経なくとも可であること》という知識にふれていたか
肢1は
概ねを理解していたなら、〔一発〕を活用して、すぐさま、次問へ移動できた
肢でした。肢2~4は、時間が余って、未・不安に対応できるならそれにかか
り、それでも時間があるなら触れる肢でした(自身ならば、そうする、という
ことです)
※〔一発〕とは、自身が受験者さんと懇談するとき、話題とする
おおよその国家試験受験上の手法(手法とまで言うこともな
いことでしょうが、
問題用紙の空き部に 未・不安・一発 との三区分を設けて
おいて、〔一発〕と思える回答ができたときは、以後の肢に
ついての判定はせず次問へ飛んで行く、ということ。
未とは、未だ答えていない問題。不安とは、答えてはいるが
検討を要する問題、ということ、各々問題番号をメモしておく)
実は、《令和6年度管理業務主任者試験問1》についても、
自身が関与させてもらっている受験者のなかには、これを用
いた方もいます。
肢1のみに接しているだけで、以後2~4の肢には触れてい
ないのです。マンション管理士試験令和5年問8で学んでい
ることであるし、
おおよその国家試験では、法改正が続き施行後サッソク出題
などということが増えている ので、とにかく、法改正後に
は注意して、トニモカクニモ主要法令科目改正部分を注視す
ることとの約束をしていたので、
〔一発〕で肢1が最も不適切だと判断したのでした。試験後
肢1か4か などの答え割れなどある状況にあることなど、
ゼンゼン
知らなかったのでした(自身も、問1の答えは、肢1と判断
していますが)。
※ 一発を用いた場合は特に、試験後、他の肢の
検討をもしておくべきことは、大事ですが。
肢4 は [間接強制]のことを問うていると思います・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
令和6年度 マンション管理士試験
試験問題
公式正解
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
令和l6年度 マンション管理士試験
〔問 7〕
管理組合の法人化を検討しているマンションの管理者に対する次の助言の
うち、区分所有法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1 理事に事故があり理事会に出席できないときはその配偶者に限って理事会に
代理出席させることができる旨の規約を定めることができます。
2 理事が数人選任された場合に、別段の定めがないときは、どの理事も管理組
合法人を代表することができます。
3 理事の代理権は集会決議や規約によって制限することができ、登記していれ
ば善意の第三者にもその制限を対抗することができます。
4 携帯電話基地局(アンテナ)設置のためにマンションの屋上について賃貸借
契約を締結した場合、設置料収入については普通法人並みに課税されます。
〔問 8〕
甲マンションの区分所有者Aは、長期間にわたって管理費等を滞納し、管理組合
の運営に重大な支障が生じている。この場合に関する次の記述のうち、区分所有
法及び民法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。
ア Aが区分所有権をBに譲渡した場合、甲マンションの管理組合は、Aに対し
てのみならずBに対しても滞納金の支払を請求することができる。
イ 他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えを
もって、Aの区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができるが、当
該決議をするには、あらかじめ、Aに対し、弁明する機会を与えなければなら
ない。
ウ 滞納金に係る債権を担保するためにAが建物に備え付けた動産の上に先取特
権が発生し、この先取特権は動産保存の先取特権と同等の優先順位を有する。
エ 区分所有法第7条に基づく先取特権の実行によってその債権の満足を得るこ
とができるとしても、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有法
第 59 条に基づく競売請求をすることができる。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
〔問 9〕
マンション内で共同の利益に反する行為を行っている者に対する他の区分所有
者全員からの専有部分の使用禁止の請求に関する次の記述のうち、区分所有法、
民法及び民事執行法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 共同の利益に反する行為を行う区分所有者に対する専有部分の使用禁止の請
求は、共同の利益に反する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著し
く、行為の差止めを請求されても区分所有者が任意に従わない場合にはじめて
認められる。
2 共同の利益に反する行為を行う区分所有者に対して専有部分の使用禁止を請
求する訴えが提起され、専有部分の使用禁止を命じる判決が確定した場合で
も、使用禁止を命じられた専有部分の区分所有者は、専有部分を第三者に賃貸
することができる。
3 専有部分を賃借している占有者が区分所有者の共同の利益に反する行為を行
い、その行為のために生じる共同生活上の障害が著しいとしても、当該占有者
に対して専有部分の使用禁止を請求することはできない。
4 確定判決によって専有部分の使用禁止が命じられたにもかかわらず命令に従
わない区分所有者に対する強制執行は、命令に従わない期間に応じて一定の額
の金銭を他の区分所有者全員に支払わせるという方法によって行うことができ
る。
合格の方 おめでとうございます
おそらく 一点不足であった方 などなど・・
せめて 今晩は お酒でも ドウデショウ・・か・
自身の示した合格予想点は36点でした(スミマセン)