おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

実務にも直結の改正の連続

2024-09-26 | 〔法規 ・ 法制〕

 

『早速 改正部分が出題された』

というような感想をお持ちの受験者さんも 多いことでしょう。

『まさかこれほど早く新条文が国家試験に登場するとは ゼンゼン 思っていなかった』

以前より そうした思いをすることが 多くの試験において 感じられることでは ?

と考えられます。

めまぐるしく変わる という表現が相応しい法律範囲も たしかに ありますね。

日常に密着する範囲のことでは 実務においても特にメマグルシサを実感します。

 

 

受験者の方たち向けのことだけではなく 実生活に直接影響する知識であることも

そのメマグルシサに含まれていること 多し・・・

 

 

 

民法 にしても

長期間経過後の遺産分割に関するルールの見直しがされています
特別受益 や 寄与分 を 反映した具体的相続分による遺産分割について
原則として相続発生後10年という期限が設けられています

 相続開始から10年経過後は具体的相続分による遺産分割が原則不可

相続開始の時から10年を経過すると、特別受益と寄与分に関する民法の規定が原則として適用されなく
なりました
(民法904条の3)。

相続開始から10年を経過した場合、具体的相続分ではなく、法定相続分(900・901)または
指定相続分(902)によって遺産分割が行われることになります。

 (期間経過後の遺産の分割における相続分)
第九百四条の三 
前三条の規定は、相続開始の時から十年を経過した後にする遺産の分割については、適用しない
ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 相続開始の時から十年を経過する前に、相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。
二 相続開始の時から始まる十年の期間の満了前六箇月以内の間に、遺産の分割を請求することができ
ないやむを得ない事由が相続人にあった場合において、その事由が消滅した時から六箇月を経過する前
に、当該相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。


※ 共同相続人の1人は、他の相続人が取得した特別受益(例えば、婚姻の時に多額の贈与を受けたなど)
または自身の寄与分を主張することで、法定相続分を基準とした分割割合よりも多い分割割合である
具体的相続分に基づいて遺産分割をすることができる、が、相続開始から10年を経過してしまうと
具体的相続分の算定の基礎となる特別受益や寄与分の主張が制限されてしまう。
この制限を避けるため、長い期間が経過することなどなく早期の遺産分割が行われることが期待される。

※ 特別受益(特に生前贈与)や寄与分に関しての証拠が散逸などすると、具体的相続分の算定それを基
準とした遺産分割を実施することに支障が生じたりしてしまう。なので、10年を経過した場合は、
法定相続分または指定相続分の割合とすることで、遺産分割協議や遺産分割調停・審判などを円滑に
進めることが増えることになるだろう。

 

 

「具体的相続分」とは、特別受益および寄与分を反映した相続分のこと。

相続人が被相続人から特別に受けた贈与または遺贈です。
概して言うと、特別受益のある相続人の相続分は減り、その他の相続人の相続分は増えるはず、
というルール。

(特別受益者の相続分)
第九百三条 
共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の
資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額に
その贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算
定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈
者は、その相続分を受けることができない。
3 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思に従う。
4 婚姻期間が二十年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供
する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与
について第一項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。

第九百四条 前条に規定する贈与の価額は、受贈者の行為によって、その目的である財産が滅失
し、又はその価格の増減があったときであっても、相続開始の時においてなお原状のままである
ものとみなしてこれを定める。

寄与分(民法904条の2)
寄与分とは、事業の手伝いや介護などによって、相続財産の維持または増加に貢献した相続人に認められ
るものです。

(寄与分)
第九百四条の二 
共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の
方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続
開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相
続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもっ
てその者の相続分とする
2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定す
る寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、
寄与分を定める。
3 寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超
えることができない。
4 第二項の請求は、第九百七条第二項の規定による請求があった場合又は第九百十条に規定する場合
にすることができる。

 

 

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これらの改正は、なぜされたのかというと、所有者不明土地等の発生予防と利用の円滑化の両面から
総合的に民事基本法制を見直さなければならない、ということが主な理由です。
できるだけ早期の遺産の分割を進めるという目的(遺産分割の促進)、書証などの散逸により具体的相続
分の算定が困難となってしまうなどの懸念があることについての対策(長期間経過後の遺産分割処理の
簡便化)が必要だからです。
多くの相続人の数次の相続が積み重なったりしたままだと、所有者不明土地等が増加してしまいます。

 

  上記の改正は、改正相続法の施行日より前に生じた相続についても適用されますが、施行日
  から5年間の経過措置が設けられています。

相続開始の時から10年経過時、または改正法施行日から5年経過時のいずれか遅い時までに、
家庭裁判所へ遺産分割を請求すれば、具体的相続分による遺産分割ができる、というような
ことです。

 

 

本日のブログ は

001401146.pdf (moj.go.jp)

46・47・48ページ あたりのことです

『自分は 親から生計の資本などの援助など受けたことがない
 だけど・・・ 他の兄弟は 結婚するから とか 学業をやりなおしたい とか 事業をしたい
 とか   どうにも納得できなかったなー』
『自分だけはオヤジの事業にあれほど力を貸したのに なんの恩恵もないのかな
 他の兄弟は ナンニモしないで財産を減らしただけなのに・・・』 
 などとの思いを抱きそうな方は 特に密接な重要な事柄のことです
(遺産分割などを放っておいても いつまででも 安心さ いざとなれば
 と ノホホンとしているのにも今までの制度とはチガッテ限度がありますよ ということです 
 言いたいことを主張できなくなることさえありますよ ということなどのこと です

 

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                    よろしくお願いいたします   
                   


親と子のこと

2024-09-20 | 〔法規 ・ 法制〕

 

 

親と子のこと についての とても大切な新しい規準 が 

施行されています

 

 

民法(親子法制)等の改正に関する法律

001395211.pdf (moj.go.jp)

 

 

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                          はたけやまとくお の 守備範囲 

                    


国の土地とすること

2024-06-10 | 〔法規 ・ 法制〕




相続登記の申請義務制度が施行されています

 

法務省ホームページに 以下のようなことが示されています
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相続(遺言を含む。)により不動産の所有権を取得した相続人は、自己のために相続の開始が
あったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続
登記の申請をすることが義務付けられました(不動産登記法第76条の2第1項)。
 また、正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、10万円以下の過料の適用対象とな
ることとされました(同法第164条第1項)。
 この相続登記の申請義務化の施行日は令和6年4月1日ですが、施行日より前に開始した相
続によって不動産を取得した場合であっても、相続登記をしていない場合には、相続登記の申
請義務化の対象となり、令和9年3月31日まで(不動産を相続で取得したことを知った日が
令和6年4月以降の場合は、その日から3年以内)に相続登記をしていただく必要があります
(民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)附則第5条第6項)。

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法務省:相続登記の申請義務化特設ページ (moj.go.jp)





次の法律も 施行されています

令和三年法律第二十五号
相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律

法務省:所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し
(民法・不動産登記法等一部改正法・相続土地国庫帰属法) (moj.go.jp)

 

この制度のことを知りたいという方のために 法規・法制相談をうけることもあります

 

新しい制度ができた場合 パンフレットなどで 概要などを知ることができるのでしょう

確実で 整理されたものを知るには 当然のことですが つまるところ 条文につきる 
と 思われます
条文は それ以上シンプルには整理し得ないというレベルで それ以上それ以下ではない
必須のものがまとめられているのですから 


令和三年法律第二十五号
相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律
 
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、社会経済情勢の変化に伴い所有者不明土地(相当な努力を払ってもなおその所有者の全部又は一部を確知することができない土地をいう。)が増加していることに鑑み、相続又は遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)(以下「相続等」という。)により土地の所有権又は共有持分を取得した者等がその土地の所有権を国庫に帰属させることができる制度を創設し、もって所有者不明土地の発生の抑制を図ることを目的とする。

第二章 相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属の承認に係る手続
(承認申請)
第二条 土地の所有者(相続等によりその土地の所有権の全部又は一部を取得した者に限る。)は、法務大臣に対し、その土地の所有権を国庫に帰属させることについての承認を申請することができる。
2 土地が数人の共有に属する場合には、前項の規定による承認の申請(以下「承認申請」という。)は、共有者の全員が共同して行うときに限り、することができる。この場合においては、同項の規定にかかわらず、その有する共有持分の全部を相続等以外の原因により取得した共有者であっても、相続等により共有持分の全部又は一部を取得した共有者と共同して、承認申請をすることができる。
3 承認申請は、その土地が次の各号のいずれかに該当するものであるときは、することができない
一 建物の存する土地
二 担保権又は使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地
三 通路その他の他人による使用が予定される土地として政令で定めるものが含まれる土地
四 土壌汚染対策法(平成十四年法律第五十三号)第二条第一項に規定する特定有害物質(法務省令で定める基準を超えるものに限る。)により汚染されている土地
五 境界が明らかでない土地その他の所有権の存否、帰属又は範囲について争いがある土地
(承認申請書等)
第三条 承認申請をする者(以下「承認申請者」という。)は、法務省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した承認申請書及び法務省令で定める添付書類を法務大臣に提出しなければならない。
一 承認申請者の氏名又は名称及び住所
二 承認申請に係る土地の所在、地番、地目及び地積
2 承認申請者は、法務省令で定めるところにより、物価の状況、承認申請に対する審査に要する実費その他一切の事情を考慮して政令で定める額の手数料を納めなければならない。
(承認申請の却下)
第四条 法務大臣は、次に掲げる場合には、承認申請を却下しなければならない。
一 承認申請が申請の権限を有しない者の申請によるとき。
二 承認申請が第二条第三項又は前条の規定に違反するとき。
三 承認申請者が、正当な理由がないのに、第六条の規定による調査に応じないとき。
2 法務大臣は、前項の規定により承認申請を却下したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、その旨を承認申請者に通知しなければならない。
(承認)
第五条 法務大臣は、承認申請に係る土地が次の各号のいずれにも該当しないと認めるときは、その土地の所有権の国庫への帰属についての承認をしなければならない。
一 崖(勾配、高さその他の事項について政令で定める基準に該当するものに限る。)がある土地のうち、その通常の管理に当たり過分の費用又は労力を要するもの
二 土地の通常の管理又は処分を阻害する工作物、車両又は樹木その他の有体物が地上に存する土地
三 除去しなければ土地の通常の管理又は処分をすることができない有体物が地下に存する土地
四 隣接する土地の所有者その他の者との争訟によらなければ通常の管理又は処分をすることができない土地として政令で定めるもの
五 前各号に掲げる土地のほか、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地として政令で定めるもの
2 前項の承認は、土地の一筆ごとに行うものとする。
(事実の調査)
第六条 法務大臣は、承認申請に係る審査のため必要があると認めるときは、その職員に事実の調査をさせることができる。
2 前項の規定により事実の調査をする職員は、承認申請に係る土地又はその周辺の地域に所在する土地の実地調査をすること、承認申請者その他の関係者からその知っている事実を聴取し又は資料の提出を求めることその他承認申請に係る審査のために必要な調査をすることができる。
3 法務大臣は、その職員が前項の規定により承認申請に係る土地又はその周辺の地域に所在する土地の実地調査をする場合において、必要があると認めるときは、その必要の限度において、その職員に、他人の土地に立ち入らせることができる。
4 法務大臣は、前項の規定によりその職員を他人の土地に立ち入らせるときは、あらかじめ、その旨並びにその日時及び場所を当該土地の占有者に通知しなければならない。
5 第三項の規定により宅地又は垣、柵等で囲まれた他人の占有する土地に立ち入ろうとする職員は、その立入りの際、その旨を当該土地の占有者に告げなければならない。
6 日出前及び日没後においては、土地の占有者の承諾があった場合を除き、前項に規定する土地に立ち入ってはならない。
7 第三項の規定による立入りをする場合には、職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
8 国は、第三項の規定による立入りによって損失を受けた者があるときは、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
(資料の提供要求等)
第七条 法務大臣は、前条第一項の事実の調査のため必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長、関係のある公私の団体その他の関係者に対し、資料の提供、説明、事実の調査の援助その他必要な協力を求めることができる。
(承認に関する意見聴取)
第八条 法務大臣は、第五条第一項の承認をするときは、あらかじめ、当該承認に係る土地の管理について、財務大臣及び農林水産大臣の意見を聴くものとする。ただし、承認申請に係る土地が主に農用地(農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第二条第一項に規定する農地又は採草放牧地をいう。以下同じ。)又は森林(森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第二条第一項に規定する森林をいう。以下同じ。)として利用されている土地ではないと明らかに認められるときは、この限りでない。
(承認の通知等)
第九条 法務大臣は、第五条第一項の承認をし、又はしないこととしたときは、法務省令で定めるところにより、その旨を承認申請者に通知しなければならない。
(負担金の納付)
第十条 承認申請者は、第五条第一項の承認があったときは、同項の承認に係る土地につき、国有地の種目ごとにその管理に要する十年分の標準的な費用の額を考慮して政令で定めるところにより算定した額の金銭(以下「負担金」という。)を納付しなければならない。
2 法務大臣は、第五条第一項の承認をしたときは、前条の規定による承認の通知の際、法務省令で定めるところにより、併せて負担金の額を通知しなければならない。
3 承認申請者が前項に規定する負担金の額の通知を受けた日から三十日以内に、法務省令で定める手続に従い、負担金を納付しないときは、第五条第一項の承認は、その効力を失う。
(国庫帰属の時期)
第十一条 承認申請者が負担金を納付したときは、その納付の時において、第五条第一項の承認に係る土地の所有権は、国庫に帰属する。
2 法務大臣は、第五条第一項の承認に係る土地の所有権が前項の規定により国庫に帰属したときは、直ちに、その旨を財務大臣(当該土地が主に農用地又は森林として利用されていると認められるときは、農林水産大臣)に通知しなければならない。

第三章 国庫帰属地の管理
(土地の管理の機関)
第十二条 前条第一項の規定により国庫に帰属した土地(以下「国庫帰属地」という。)のうち、主に農用地又は森林として利用されている土地(国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第四条第二項に規定する国有財産の所管換がされたもの又は他の法令の規定により農林水産大臣が管理することとされているものを除く。)は、農林水産大臣が管理し、又は処分する。
2 前項の規定により農林水産大臣が管理する土地のうち主に農用地として利用されているものの管理及び処分については、農地法第四十五条、第四十六条第一項、第四十七条及び第四十九条の規定を準用する。この場合において、同条第一項中「農林水産大臣、都道府県知事又は指定市町村の長」とあるのは「農林水産大臣」と、「この法律による買収その他の処分」とあるのは「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律第十二条第二項において準用する第四十六条第一項の規定による売払い又は同法第十二条第二項において準用する第四十七条の規定による売払い、所管換若しくは所属替」と、同条第三項中「農林水産大臣、都道府県知事又は指定市町村の長」とあるのは「農林水産大臣」と、同条第五項中「国又は都道府県等」とあるのは「国」と、「場合には、政令で定めるところにより」とあるのは「場合には」と読み替えるものとする。
3 前項において準用する農地法第四十六条第一項又は第四十七条の規定による農用地の売払いを原因とする所有権の移転については、同法第三条第一項本文の規定は、適用しない。
4 第一項の規定により農林水産大臣が管理する土地のうち主に森林として利用されているものの管理及び処分については、国有林野の管理経営に関する法律(昭和二十六年法律第二百四十六号)第二章(第七条を除く。)の規定を準用する。

第四章 雑則
(承認の取消し等)
第十三条 法務大臣は、承認申請者が偽りその他不正の手段により第五条第一項の承認を受けたことが判明したときは、同項の承認を取り消すことができる。
2 法務大臣は、国庫帰属地について前項の規定による承認の取消しをするときは、あらかじめ、当該国庫帰属地を所管する各省各庁の長(当該土地が交換、売払い又は譲与(以下この項及び次項において「交換等」という。)により国有財産(国有財産法第二条第一項に規定する国有財産をいう。次項において同じ。)でなくなっているときは、当該交換等の処分をした各省各庁の長)の意見を聴くものとする。
3 法務大臣は、第一項の規定による承認の取消しをしようとする場合において、当該取消しに係る国庫帰属地(交換等により国有財産でなくなっている土地を含む。以下この項において同じ。)の所有権を取得した者又は当該国庫帰属地につき所有権以外の権利の設定を受けた者があるときは、これらの者の同意を得なければならない。
4 法務大臣は、第一項の規定により第五条第一項の承認を取り消したときは、法務省令で定めるところにより、その旨を同項の承認を受けた者に通知するものとする。
(損害賠償責任)
第十四条 第五条第一項の承認に係る土地について当該承認の時において第二条第三項各号又は第五条第一項各号のいずれかに該当する事由があったことによって国に損害が生じた場合において、当該承認を受けた者が当該事由を知りながら告げずに同項の承認を受けた者であるときは、その者は、国に対してその損害を賠償する責任を負うものとする。
(権限の委任)
第十五条 この法律に規定する法務大臣の権限は、法務省令で定めるところにより、その一部を法務局又は地方法務局の長に委任することができる。
2 この法律に規定する農林水産大臣の権限は、農林水産省令で定めるところにより、その全部又は一部を地方農政局長又は森林管理局長に委任することができる。
3 前項の規定により森林管理局長に委任された権限は、農林水産省令で定めるところにより、森林管理署長に委任することができる。
(政令への委任)
第十六条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のために必要な手続その他の事項については、政令で定める。

第五章 罰則
第十七条 第十二条第二項において読み替えて準用する農地法第四十九条第一項の規定による職員の調査、測量、除去又は移転を拒み、妨げ、又は忌避したときは、その違反行為をした者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の罰金刑を科する

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ということで まったくのところ めまぐるしく 

巷の日常生活においても アチラコチラで 改め 

が 続いていますね

                   

                             
                    
                         よろしくお願いいたします
 
 


政令での制定・指定

2024-01-12 | 〔法規 ・ 法制〕

 

今までの

被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法第二条の災害を定める政令

に関しての 公布・施行 に関することです

 

 




平成七年政令第八十一号
被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法第二条第一項の災害を定める政令
内閣は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(平成七年法律第四十三号)第二条第一項の規定に基づき、この政令を制定する。
被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法第二条第一項の災害として、阪神・淡路大震災定める。
附 則
この政令は、公布の日から施行する。
 
 
 
平成二十五年政令第二百三十一号
被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法第二条の災害を定める政令
内閣は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(平成七年法律第四十三号)第二条の規定に基づき、この政令を制定する。
被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法第二条の災害として、東日本大震災平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいう。)を定める。
附 則
この政令は、公布の日から施行する。
 
 
平成二十八年政令第三百二十五号
被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法第二条の災害を定める政令
内閣は、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(平成七年法律第四十三号)第二条の規定に基づき、この政令を制定する。
被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法第二条の災害として、平成二十八年熊本地震による災害を定める。
附 則
この政令は、公布の日から施行する。
 
 
 
平成七年法律第四十三号
被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法
目次
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、大規模な火災、震災その他の災害により、その全部が滅失した区分所有建物の再建及びその敷地の売却、その一部が滅失した区分所有建物及びその敷地の売却並びに当該区分所有建物の取壊し等を容易にする特別の措置を講ずることにより、被災地の健全な復興に資することを目的とする。

第二章 区分所有建物の全部が滅失した場合における措置
(敷地共有者等集会等)
第二条 大規模な火災、震災その他の災害で政令で定めるものにより建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第三項に規定する専有部分が属する一棟の建物(以下「区分所有建物」という。)の全部が滅失した場合(その災害により区分所有建物の一部が滅失した場合(区分所有法第六十一条第一項本文に規定する場合を除く。以下同じ。)において、当該区分所有建物が第十一条第一項の決議又は区分所有者(区分所有法第二条第二項に規定する区分所有者をいう。以下同じ。)全員の同意に基づき取り壊されたときを含む。)において、その建物に係る敷地利用権(区分所有法第二条第六項に規定する敷地利用権をいう。以下同じ。)が数人で有する所有権その他の権利であったときは、その権利(以下「敷地共有持分等」という。)を有する者(以下「敷地共有者等」という。)は、その政令の施行の日から起算して三年が経過する日までの間は、この法律の定めるところにより、集会を開き、及び管理者を置くことができる。
 
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参考までに

じん災害 という言葉は 次の法律にも登場しています

 

昭和三十七年法律第百五十号
じん災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律
目次
第一章 総則
(趣旨)
第一条 この法律は、災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)に規定する著しく激じんである災害が発生した場合における国の地方公共団体に対する特別の財政援助又は被災者に対する特別の助成措置について規定するものとする。
(激じん災害及びこれに対し適用すべき措置の指定)
第二条 国民経済に著しい影響を及ぼし、かつ、当該災害による地方財政の負担を緩和し、又は被災者に対する特別の助成を行なうことが特に必要と認められる災害が発生した場合には、当該災害をじん災害として政令で指定するものとする。
2 前項の指定を行なう場合には、次章以下に定める措置のうち、当該激じん災害に対して適用すべき措置を当該政令で指定しなければならない。
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   ハタケヤマトクオ事務所     


特定承継人 と 一般・包括承継人 など

2023-09-13 | 〔法規 ・ 法制〕

 

法規法制相談 ということも業務にしており

コロナに関しての諸々のことの知識吸収のために

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 | e-Gov法令検索

を眺めてみたのでした

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  人類は、これまで、疾病、とりわけ感染症により、多大の苦難を経験してきた。
  ペスト、痘そう、コレラ等の感染症の流行は、時には文明を存亡の危機に追い
  やり、感染症を根絶することは、正に人類の悲願と言えるものである。
  医学医療の進歩や衛生水準の著しい向上により、多くの感染症が克服されてき
  たが、新たな感染症の出現や既知の感染症の再興により、また、国際交流の進
  展等に伴い、感染症は、新たな形で、今なお人類に脅威を与えている。
  一方、我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染
  症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け
  止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。
  このような感染症をめぐる状況の変化や感染症の患者等が置かれてきた状況を
  踏まえ、感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適
  切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ適確に対応することが求められて
  いる。
  ここに、このような視点に立って、これまでの感染症の予防に関する施策を抜
  本的に見直し、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する総合的な
  施策の推進を図るため、この法律を制定する
 
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関し必要な措置
を定めることにより、感染症の発生を予防し、及びそのまん延の防止を図り、もって
公衆衛生の向上及び増進を図ることを目的とする。
(基本理念)
第二条 
2 国及び地方公共団体は、地域の特性に配慮しつつ、感染症の予防に関する施策が
総合的かつ迅速に実施されるよう、相互に連携を図らなければならない。
 
(国民の責務)
第四条 国民は、感染症に関する正しい知識を持ち、その予防に必要な注意を払うよ
努めるとともに、感染症の患者等の人権が損なわれることがないようにしなければ
ならない。
(医師等の責務)
第五条 医師その他の医療関係者は、感染症の予防に関し国及び地方公共団体が講ず
る施策に協力し、その予防に寄与するよう努めるとともに、感染症の患者等が置かれ
ている状況を深く認識し、良質かつ適切な医療を行うとともに、当該医療について適
切な説明を行い、当該患者等の理解を得るよう努めなければならない
2 病院、診療所、病原体等の検査を行っている機関、老人福祉施設等の施設の開設
者及び管理者は、当該施設において感染症が発生し、又はまん延しないように必要な
措置を講ずるよう努めなければならない
(獣医師等の責務)
第五条の二 獣医師その他の獣医療関係者は、感染症の予防に関し国及び地方公共団
体が講ずる施策に協力するとともに、その予防に寄与するよう努めなければならない
 
(定義等)
第六条 この法律において「感染症」とは、一類感染症、二類感染症、三類感染症、
四類感染症、五類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症を
いう。
6 この法律において「五類感染症」とは、次に掲げる感染性の疾病をいう。
一 インフルエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く。)
 
7 この法律において「新型インフルエンザ感染症」とは、次に掲げる感染性の疾
病をいう。
 新型コロナウイルス感染症(新たに人から人に伝染する能力を有することとなっ
たコロナウイルスを病原体とする感染症であって、一般に国民が当該感染症に対する
免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なまん延により国民の
生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう。)
四 再興型コロナウイルス感染症(かつて世界的規模で流行したコロナウイルスを病
原体とする感染症であってその後流行することなく長期間が経過しているものとして
厚生労働大臣が定めるものが再興したものであって、一般に現在の国民の大部分が当
該感染症に対する免疫を獲得していないことから、当該感染症の全国的かつ急速なま
ん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるもの
をいう。)
                            ※ 省略部分アリ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 
 
 
自身は 医療関係者に近い という立場 などでは マッタクない のですが
アレコレ 関連する相談を受ける場合 まずもって気になるのは やはり日頃
の業務の クセ というか習慣 というか 〔 言葉の意味 定義 〕 とい
うことです
法文を眺めると ナゼカ ジックリと椅子に座っていての相談に集中できる心
持ちになれる・・・
とでもいうような気がしました

 
以前にも 記させていただいたことがありますが 法的な相談を受ける場合 
相談者の方の使用なさっている言葉の主旨を 自身の先入観念 や いくつか
の解釈ができるという言葉についての自身の固定観念のようなものを使いとお
してしまうことで 誤解したままで終えることの危うさなどあり ギクッとし
た経験の記憶が ふと 注意をしてくれたりしてくれるものですから・・・・
 
 
 
以前に 一時 集中的にあった相談は 《努力義務》 とは どういうこと ?
ということでした〔 コロナ関係に限りませんけれど 〕
 
努力義務のよくある定め方は
「・・・するよう努めなければならない
「・・・するよう努めるものとする  
といったもの
ですね

努力義務を定める条項のことを努力義務規定といいますが 労働関係法規にそし
て 社会保険関連法規 にも 〔・・・に努める〕 という言葉が登場している
と トテモ 相談の際 緊張してしまうことが多かったです
ズバリ という説明が 困難 というか アイマイナ表現でもっての解釈ものが
多いので というか 中途半端な?説明では 自身の業務を全うしていないよう
な気になってしまい どうしても クドイ説明になってしまうから でした
〔 説明すべき対象が ソモソモ ボヤーン としているような表現の言葉
 なので ピリッと 鋭く定められているものより 解釈が難しくて・・・
 なにしろ 〇〇〇するよう努めるものとする というような表現なので 掴み
 ヅライ というか 広がりが大きくて姿をとらえきれない というか・・・〕
 
 

法律に定められた義務規定については違反した場合の罰則が合わせて定められる
ことも多くありますし 義務規定の重要性に応じてですが行政による注意指導や

勧告などもありますし 重大な義務では過料などの行政罰や刑事罰さえ科せられ
ることもあったりします
義務違反によって 損害を受ける被害者から損害賠償請求を受けるリスクもあり
ます
損害賠償請求は法律上の義務違反が不法行為(民法709条)に該当する場合や契
約上の義務違反が債務不履行に該当する場合に 法にある要件に基づいて請求す
権利が発生し 賠償の際には義務違反があったことは重要な事情として考慮さ
ます
違反した場合の責任は 義務規定のほうが努力義務よりも 重く評価される と
いえるでしょう

  〔配慮義務 というものも契約や法律に登場することがありますが 「配慮
   として一定の行為を義務付けられるということで 努力義務 とは差異が
   あるといえましょうが 通常一般での< 義 務 >ほどには内容がハッ
   キリと定まっているわけでもないといえるでしょう〕

 
一方 義務違反 とは異なっていて
努力義務の場合には違反に対し法律上は制裁が明文化されていません

しかし これはあくまで法的な制裁が定められていないというだけのこと
違反に対して制裁が定められていないからといって「努力義務を守らなくて
もよい」「努力義務に違反するリスクは全くない」というわけではありませ

努力を不注意から怠っていたり努力義務の趣旨とは正反対の行為をしたりす
ると リスク があるともいえます

努力義務違反の行為によって損害を受けた被害者がいると 損害賠償請求を
受けてしまうかもしれない という危険はあるのです
違法そのものではなくても 常識やマナーを守って行動すべきが妥当なので

特に 企業の経営においては 組織としての会社の責任は個人よりも重いと
いえ より節度を持った行動が求められる と いえます
法律の趣旨にそぐわない場合には 監督官庁からの行政指導を受ける可能性
もあります
行政指導も努力義務と同じく法的な拘束力はない というのが一般的な解釈

であるともいえそう ですが・・・
しかし 強制力のない行政指導といえども従わなくてもよいというわけでは
ないのであって 行政の意向に反してしまっての事実上の不利益を受けるリ
クというものはある ともいえるでしょう

それと 努力義務による制裁は法的なものに限るわけでもありません
努力義務にあえて反する行動をとるということは社会的な評価が下がるおそ
れがあるといえます
努力義務違反による社会的な制裁というものを受けてしまうのです

 というような類の説明が クドイ という印象を連れて 
 続いてしまうのが 努力義務 についての説明の 自身の
 場合の 常 です

 (自身の力不足からくるものでもあるのでしょうが
  それこそ 努めて 相談者さんの質問主意をシッ
  カリと掴んでから 話をスタートさせねば と
  ・・・するよう努めなければならない ことを
  意識することと・・・するよう努めるものとし
  なければなりませんネ)

 

 

 

さて ガラリと変わって

本日の マンション管理士試験過去問学習 です

 

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                    ※ 〔問い方を変え利用させていただいている場合があります
                      法令等改正があった場合に内容を現行のものと整合させ
                      るため 出題当時の問題を改めていることもあります〕

甲マンションの101号室は、次のア~ウのとおり区分所有権が移転されているが、A及び
Bは、管理費を滞納している。
管理組合法人が、平成25年4月に滞納管理費を請求する場合に関する次の記述につき、
区分所有法及び民法の規定による正誤を答えなさい。

ア 平成22年4月、Aが101号室を購入
イ 平成23年10月、BがAから101号室を受贈
ウ 平成24年10月、Cが抵当権の実行による競売で101号室を取得


1 Aは、管理費に係る債権の引当てである区分所有権をBに贈与しているので、管理
  組合法人は、Aに対して、Aの滞納管理費を請求することができない。


2 Bは、贈与を受けた中間取得者であり、特定承継人ではないので、管理組合法人は、
  Bに対しては、Bの滞納管理費のみを請求することができる。


3 Cは、担保権の実行としての競売による買受人であるが、管理組合法人は、Cに対
  して、A及びBの滞納管理費を請求することができる。


4 管理組合法人は、規約に別段の定めがない限り、Cに対して、A及びBの滞納管理
  費に係る遅延損害金を請求することができない。
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1 について                        誤 り

 区分所有権を譲渡したとしても そのことにより債務負担していること
 に影響があるわけではないのであり管理費債務を負担し続けるのである
 から AがBに区分所有権を贈与した後もAに対しAの滞納管理費の請
 求ができます
 AとBはAの滞納管理費につき連帯債務として負担します
                   (東京地判平成25・4・15)

下記 7条 ・  8条 を 参照ください
 
 
 
 
2 について                       誤 り
 
 区分所有権を現には有していない中間取得者であるBであるが 特定
 承継人の責任を負う(大阪地判平成11・11・24)ので 管理組
 合法人は Bに対してAとBとの双方の滞納管理費の請求ができる
 
 
 
 
3 について                       正しい
 
 〔特定承継人〕とは 売買での譲受人・贈与の受贈者など区分所有権を
  個々の原因に基づいて承継取得する者をいい 担保権の実行としての
  競売による買受人も含まれます(東京地判平成9・6・26)
  特定承継人であるCであるので 第8条によりAとBの滞納管理費を請
  求されることになる  

下記 8条 を 参照ください
 

 
 
 
 
4 について                      誤 り

 特定承継人が引き継ぐ債務には 遅延損害金も含まれます
                  (東京地判平成25・12・6)
 
 
 
        【問題文には 判例によれば という文言が登場していません
         が
         判例を 説明・参考に 利用させていただいています】
 
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
                記            ※ 条文等に省略部もアリ
 
 
(先取特権)
第七条 
区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の
区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対
して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を
含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。管理者又は管理組合法人が
その職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権についても、同様とする。
 
(特定承継人の責任)
第八条 
前条第一項に規定する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対して行うことが
できる。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


本日の 過去問は
2013年度
問 4   でした
 
                                            
 
 

紛らわしい 改正 も あったりする

2023-08-05 | 〔法規 ・ 法制〕

 

相談者さんとの 先日の会話 の 一部 です

同じような質問がありましたので 参考までに 記させていただくことにしました

たしかに マギラワシイ ことです ね

 

 

「 相続人が無い人のための看護に努めた方に その亡くなった方の財産を

 分与することができる というような仕組みは なくなったのですか ? 」

 

『 そんなことはありませんよ 相続法の改正後でも 特別縁故者さんへの財産

  の分与をする仕組みは残っていますよ 』

 

「 でも 相続財産の管理人 と呼ばれていた人が 相続人が存在しない場合

 での役目を果たす仕組みがなくなったのだ・・・ とか ? 」

『 相続財産の清算人 という役目の方が これまで相続財産の管理人と呼ば

 れていた方がなさっていた役目もすることになっています

 役目の内容にも 少し変化がありますけれど 名称を変えて登場しています 』

「 そうすると 相続財産の管理人 という言葉は 民法にはないことになった

 のですね ? 」

『 実は 今までと違う条文に 役目も相続財産の保存に関したことをするこ

 とに変わったりしたのですけれど 同じ名前を使って 残っています 』

「 そうすると 相続財産の管理人 と 相続財産の清算人 とが 民法には

 登場しているのだ ということですね ?」

 

『そのとおりです』

 

 

というような会話を 先日 相談者さんとしました

たしかに 紛らわしいことですね

 

改正で 
とりあえずの相続財産の保存や利用の場面には 相続財産管理人相続財産管理人)
誰も相続人がいない場合の清算には 相続財産清算人
と 使い分けるようなことになったということです

新相続財産管理人は不在者財産管理人と同じように管理できますので 相続財産の保存や利用や
場合によっては処分もできるようになります
相続財産の保全という役割が与えられるので グレーゾーン(相続人のあることは明らかだけど
管理する人がいるのかどうかハッキリシナイというような)のような場合を補足できるようにな
りました

 

それにしても

(旧民法952条1項)  相続人がいることが明らかでないときは利害関係人または検察官の請求で選任
(旧民法952条2項)  選任の公告
(旧民法957条1項)  2ヶ月待って相続人がいなければ相続債権者(亡くなった方に請求したい方)
             および受遺者(遺言で相続財産をもらえることになっている方)に2ヶ月以内
             に請求を申し出るよう公告

(旧民法958条)    まだ相続人が判明しない場合 相続人に6ヶ月以内に名乗り出るよう公告
(旧民法958条の3)  なお相続人が名乗り出なければ 特別縁故者が請求するまで3ヶ月待つ
 その後 国庫帰属

でした が

(改正民法952条1項) 相続人がいることが明らかでないときは利害関係人または検察官の請求で選任
(改正民法952条2項) 選任の公告
(改正民法952条2項) 2ヶ月待たずに同時に相続人に6ヶ月以内に名乗り出るよう公告
(改正民法957条1項) また同時に、相続債権者(亡くなった方に請求したい方)および受遺者(遺言で
             相続財産をもらえることになっている方)に2ヶ月以内に請求を申し出るよう公告
(改正民法958条の2) 6ヶ月待って相続人が名乗り出なければ特別縁故者が請求するまで3ヶ月待つ
 その後 国庫帰属

となりました ので 時間も短縮されてはいます


 

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[ 上記の相談に関連の条文です(参考までに 載せておきます)]


第五編 相続

第3章 相続の効力

(相続財産の保存)
第八百九十七条の二 
家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、いつでも、相続財産の管理人の選任
その他の相続財産の保存に必要な処分を命ずることができる。
ただし、相続人が一人である場合においてその相続人が相続の単純承認をしたとき、相続人
が数人ある場合において遺産の全部の分割がされたとき、又は第九百五十二条第一項の規定
により相続財産の清算人が選任されているときは、この限りでない。

2 第二十七条から第二十九条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所相続財産の管
理人を選任した場合について準用する。


 
第6章 相続人の不存在
 
(相続財産法人の成立)
第九百五十一条 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする

(相続財産の清算人の選任)
第九百五十二条 
前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の清算人
選任しなければならない。

2 前項の規定により相続財産の清算人を選任したときは、家庭裁判所は、遅滞なく、その旨
及び相続人があるならば一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければならない。
この場合において、その期間は、六箇月を下ることができない。

(不在者の財産の管理人に関する規定の準用)
第九百五十三条 
第二十七条から第二十九条までの規定は、前条第一項の相続財産の清算人(以下この章において
単に「相続財産の清算人」という。)について準用する。

相続財産の清算人の報告)
第九百五十四条 
相続財産の清算人は、相続債権者又は受遺者の請求があるときは、その請求をした者に相続財産
の状況を報告しなければならない。

(相続財産法人の不成立)
第九百五十五条 
相続人のあることが明らかになったときは、第九百五十一条の法人は、成立しなかったものとみ
なす。ただし、相続財産の清算人がその権限内でした行為の効力を妨げない。

相続財産の清算人の代理権の消滅)
第九百五十六条 
相続財産の清算人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に消滅する。
2 前項の場合には、相続財産の清算人は、遅滞なく相続人に対して清算に係る計算をしなけれ
ばならない。

(相続債権者及び受遺者に対する弁済)
第九百五十七条 
第九百五十二条第二項の公告があったときは、相続財産の清算人は、全ての相続債権者及び受遺
者に対し、二箇月以上の期間を定めて、その期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなけれ
ばならない。この場合において、その期間は、同項の規定により相続人が権利を主張すべき期間
として家庭裁判所が公告した期間内に満了するものでなければならない。

2 第九百二十七条第二項から第四項まで及び第九百二十八条から第九百三十五条まで(第九百
三十二条ただし書を除く。)の規定は、前項の場合について準用する。

(権利を主張する者がない場合)
第九百五十八条 
第九百五十二条第二項の期間内に相続人としての権利を主張する者がないときは、相続人並びに
相続財産の清算人に知れなかった相続債権者及び受遺者は、その権利を行使することができない。

(特別縁故者に対する相続財産の分与)
第九百五十八条の二 
前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、
被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これら
の者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。

2 前項の請求は、第九百五十二条第二項の期間の満了後三箇月以内にしなければならない。

(残余財産の国庫への帰属)
第九百五十九条 
前条の規定により処分されなかった相続財産は、国庫に帰属する。
この場合においては、第九百五十六条第二項の規定を準用する。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 
                          
                        
 
 
                        
 はたけやまとくお  事 務 所    
               

相談できる相手の存在

2022-12-02 | 〔法規 ・ 法制〕

 

3時過ぎに布団を離れ 試合開始を待った

早い時点での失点に ヤハリそうなのかな と  正直落胆した のだ けれど 諦めたという思い

は 全然なかった

案の定 というか 後半に入っての 連続の2得点 

感動する という心を置き去りにしてしまうほどの出来事に 歓喜に向き合うにも いろいろな形が

あるものなのだな と 人生において初めてとも思える心の色を見ることができたのだった

 

 

 

 

このまま この ゲームの薫りに酔っていたいのだけれど 

それこそ 心の色を入れ替えて 仕事に向かって GO!!

今 8時20分

 

 

 

 

 

法規・法制の相談 を受けることも 自身の業務のひとつ

 

高齢者の方が多いこともあるのでしょうが 生活の場の整理整頓が必要となって・気になって ? に 

関しての相談が 以前と比べて 確かに増えている 感があります

自身の業務については 特に最近は 
配偶者への配慮として自身が為しておくべきことなど〕 とでもいうべきこと についての 
アレコレ

〔墓〕の始末・整理等 とでもいうべきこと についての 
アレコレ

〔遺言内容の選択について アドバイス・メニューを増やすための知識の点検のお手伝い〕

そうしたことに関しての 相談相手となって イロイロ考えさせられました

 

気になることを 相談する相手が身近にいると 不安感も薄いのでしょうが ナンデモ デキルカギリ

自身で事を進めるのが当然

周囲に イロイロと頼ることは 可能な限り避けたい

という信条をお持ちの方も 意外に 多く ? おられるみたいですね

『他人の助力』というものは デキルカギリ避けながら生きるのが正しい道なのだ と思う性分

というのか 律儀すぎ とでもいうのか 几帳面すぎるとも思える ような・・・

よくもまぁ そこまで自身で調べあげられるものなのか と 相談を受けた側として ビックリしてし

まうこともあります

まったくのところ 相談をしていただくことは 自身にとっても貴重な学習のチャンスをいただいてい
ることなのだ ということを実感させられるわけです

 

 

[健康保険法] 関連の規則 として <健康保険法施行規則> というものがあります

介護保険の仕組み
健康保険との間柄
事業主が届出すべきこと
自分で行動しての届出の必要な場合
総じて 社会保険などを筆頭に サマザマな制度・仕組みにおいての 自分自身の立場と役割のこと

などなど 先々の 気になっていることが おおよそ数事項は あるようでして・・・

 

そうとう高齢でおられるのに 生涯学習しながらともみえる生活をなさっていて
その真摯さに オドロキさえ感じさせられました

ただ・・・極く近くの周辺の方々とも もっと気楽に触れあいがもてないものだろうか と 気になっても

しまいましたのです が・・・

 

(介護保険第二号被保険者に該当しなくなった場合の届出)

第四十条 被保険者は、被保険者又はその被扶養者が介護保険第二号被保険者(介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第九条第二号に該当する被保険者をいう。以下同じ。)に該当しなくなったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した届書を事業主を経由して厚生労働大臣又は健康保険組合に届け出なければならない。ただし、被保険者又はその被扶養者が六十五歳に達したときは、この限りでない。
 
3 第一項の場合において、事業主の命により被保険者が外国に勤務することとなったため、いずれの市町村又は特別区の区域内にも住所を有しなくなったときは、当該事業主は、被保険者に代わって同項の届書を厚生労働大臣又は健康保険組合に届け出ることができる。

 
 
(介護保険第二号被保険者に該当するに至った場合の届出)

第四十一条 被保険者は、介護保険第二号被保険者に該当しない被保険者又はその被扶養者が介護保険第二号被保険者に該当するに至ったときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した届書を事業主を経由して厚生労働大臣又は健康保険組合に届け出なければならない。ただし、被保険者又はその被扶養者が四十歳に達したときは、この限りでない。
 
3 第一項の場合において、事業主の命により被保険者が外国に勤務しないこととなったため、いずれかの市町村又は特別区の区域内に住所を有するに至ったときは、当該事業主は、被保険者に代わって同項の届書を厚生労働大臣又は健康保険組合に届け出ることができる。
 
介護保険法
(被保険者)
第九条 
次の各号のいずれかに該当する者は、市町村又は特別区(以下単に「市町村」という。)が行う介護保険の被保険者とする。
一 市町村の区域内に住所を有する六十五歳以上の者(以下「第一号被保険者」という。)
二 市町村の区域内に住所を有する四十歳以上六十五歳未満の医療保険加入者(以下「第二号被保険者」
  という。)
 
 
 
そこまで詳細に先のことアレコレ知っておくべきまではさぞやタイヘンであろう
無駄ではモチロンないのだが さすがにそこまでの徹底は無用かも ともいえそうなことでも
その相談者さんは 気になる様子でした
インターネットなどで 知ろうとすれば専門家の力など不必要 ? というような時代でもありましょうが
知識蓄積も ホドホドに ということもありそうな気がします
そのときがきたなら 自力で可能なら事を済ませ でも 自分の体調も考え 無理のないように としか言いようがありませんが・・・ときには 助力を乞う 場合によっては頼るということだって関係当事者のこともあるのだから タイセツ なのでは と 思うのです が・・・まことに性分というものはナカナカ手ごわい
 
 
というような 超高齢社会での相談者の方の ひとつのタイプ のお話でした

 
 
ちなみに 相談が増えている
《 墓地、埋葬等に関する法律 》 の 第10条 までを載せてみます    ※ 省略部アリ

第一章 総則
第一条 この法律は、墓地、納骨堂又は火葬場の管理及び埋葬等が、国民の宗教的感情に適合し、且つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることを目的とする。

第二条 この法律で「埋葬」とは、死体を葬ることをいう。
2 この法律で「火葬」とは、死体を葬るために、これを焼くことをいう。
3 この法律で「改葬」とは、埋葬した死体を他の墳墓に移し、又は埋蔵し、若しくは収蔵した焼骨を、他の墳墓又は納骨堂に移すことをいう。
4 この法律で「墳墓」とは、死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設をいう。
5 この法律で「墓地」とは、墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事(市又は特別区にあつては、市長又は区長。以下同じ。)の許可を受けた区域をいう。
 
 
第二章 埋葬、火葬及び改葬
第三条 埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後二十四時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。但し、妊娠七箇月に満たない死産のときは、この限りでない。
第四条 埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。
 
第五条 埋葬、火葬又は改葬を行おうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)の許可を受けなければならない。
2 前項の許可は、埋葬及び火葬に係るものにあつては死亡若しくは死産の届出を受理し、死亡の報告若しくは死産の通知を受け、又は船舶の船長から死亡若しくは死産に関する航海日誌の謄本の送付を受けた市町村長が、改葬に係るものにあつては死体又は焼骨の現に存する地の市町村長が行なうものとする。
 
第八条 市町村長が、第五条の規定により、埋葬、改葬又は火葬の許可を与えるときは、埋葬許可証、改葬許可証又は火葬許可証を交付しなければならない。
第九条 死体の埋葬又は火葬を行う者がないとき又は判明しないときは、死亡地の市町村長が、これを行わなければならない。
 
第三章 墓地、納骨堂及び火葬場
第十条 墓地、納骨堂又は火葬場を経営しようとする者は、都道府県知事の許可を受けなければならない。
2 前項の規定により設けた墓地の区域又は納骨堂若しくは火葬場の施設を変更し、又は墓地、納骨堂若しくは火葬場を廃止しようとする者も、同様とする。
 
 
 
 

ヤハリ 改正に対しては そうとうなエネルギーを費やします

2022-11-13 | 〔法規 ・ 法制〕

 

改正の余韻 というか 民法改正の影響をひしと感じることの多い自身の実務 力不足

マダマダ不安感いっぱいの説明になってしまい 学習不足を痛感することが多いです

 

受験者の方にとっても 新法の理解 タイヘンデショウ が 何十年と 旧法になじん

できてしまっていた者にとっては ある意味 より緊張感を覚えざるを得ない 厳しい

契約書改定業務なととの格闘があったりします

先日も 未だに [短期賃貸借] という言葉が フト 浮かんでしまったりで

新旧395条の歴史に溺れてしまっていたりで 恥ずかしく 自身にガッカリ でした
〔平成25年度マンション管理士問題に少しだけだけど関連を想起させるような(抵当
 建物使用者の引渡しの猶予)問題がありましたね〕

ということで 自身などは 未だにビクビク状態の実務が 恥ずかしいことですが 
(今回改正に限らず その以前の改正にさえ 未だ 詳細の理解を終えられないでいる
 ところさえ
 あったりしています)

 


実務では ” 将来 仮にですよ・・・ ” という言葉と共に 実にサマザマな疑問が

フツフツと 当事者さんにわいたりするものですね

《XはYから 1000万円を令和5年1月に借りる予定です

 その契約に Zが連帯債務者(負担部分二分の一)として加わる予定になっています

 将来のことで 仮にですが Yの債務の消滅時効が完成した場合にYがそのことを援用

 しようとしない場合〔債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示していない

 場合で〕ZはYのその消滅時効を援用できるものでしょうか ? 

 それらの情況での結末は どんなことになると想定されますか ? ・・・》


受験学習者の方 答えてみてください

 

(時効の援用)
第百四十五条 
時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。
 
(相対的効力の原則)
第四百四十一条 
第四百三十八条、第四百三十九条第一項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。
 
新法による帰結
<Yの時効の完成の効力はZに及ばない(新441)
 XはZに対して全額の1000万円の請求ができる
 Yが自らの時効を援用しない場合には ZはYの時効を援用してその負担部分500万円について債務を
 免れること(旧439)ができない
 Zは 自分自身の債務について時効が完成してこれを援用する場合には 1000万円の債務を免れる>

旧法では
<連帯債務者の一人のために時効が完成すると その者の負担部分について他の連帯債務者も債務を免れ
 た(旧439)
 他の連帯債務者も 時効援用の「当事者」に当たると理解されていたので Yが援用していなくてもZ
 はYの時効を援用して Yの負担部分500万円分について債務を免れることができた>

 
 
 
 
第四款 連帯債務
(連帯債務者に対する履行の請求)
第四百三十六条 
債務の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。
 
ということで 連帯債務には
債務者間に相互の認識さえないようなものなども含まれることになったので 
絶対的効力事由は 弁済・代物弁済・供託 のほか 明文の相殺(439①)
更改(438)混同(440)と新法では少なくなっていて 履行の請求さえ 
相対的効力事由<旧法だと434で一人に対する履行の請求は他の者に対して
もその効力を生じるものとなっていた>となっている(441本文)
当事者間でのサマザマな情況にそなえては 債権者と各連帯債務者との間での
合意によって 必要とされる調整が可能になっている(441ただし書)
当事者の思惑に反するような影響をし合うようなことになってしまうことにつ
いては それなりの対応で 各々の合意で 適切な処理が可能となるようにな
っている

 
 
 
 
というようなことで 受験者の方には 特に のことですが

以前に載せてあるものの 一部 です が 参考になりそうなら 眺めてください

連帯債務など - おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み (goo.ne.jp)

 

これも 気になるもの です - おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み (goo.ne.jp)

売買 の 新規定の一部 - おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み (goo.ne.jp)

改正の 気になる条文を いくつか - おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み (goo.ne.jp)

 

 

試験日が近いです ので 学習スケジュールからみて許されるようならば 

条文だけでも 眺めてみてください

 

 

 

                  はたけやま・とくお事務所(goo.ne.jp)   

 

 

 


わかりやすさへの配慮

2022-07-25 | 〔法規 ・ 法制〕

 

 

災害 と いっても サマザマな規模があります

政令で指定された災害ばかりでないのは 当然のこと(あえて 申し上げました)

『  建替え という言葉は ケッコウ 聞きますが 復旧 という説明を聞くのは初めてです 』

という マンション住民さんが 多いですね

復旧 ということについては 自身の感覚では 「建替え」に比し より身近なようなことと

思えるのです が

 

地震や火災や爆発など 偶発的な事故で 区分所有建物が部分的に消滅することを 滅失と呼び

ます(全部滅失なら 敷地だけの関係が残り 「復旧」の対象にはならないことになります) 

管理をほったらかしにして耐用を超え自然に朽ち果てる(朽廃)場合は 滅失ではありませんが

(この 朽廃 の場合の扱いについては 対応の根拠について 18条適用・61条類推適用等

 イロイロな説があります)
 

例えば 建築後そうとうな年月を経過し 専有部の価値も そうとうに下落しているマンションの

屋上にある 設置にそうとうな費用を要した共同施設類も 震度6に近い地震にて滅失(効用を失

った)し マンション総体の時価(共用部・専有部総体の価値)の二分の一をわずかにでも超える

回復費用が発生してしまう というような状況(大規模滅失) 

 

・自分の専有部分も滅失し 一日も早い復旧あるいは建替えを望む者
              (建替・復旧 制度の差異に関心を持つようになること だろう)

・自分の専有部分の被害が僅少の者は 緊迫感なくしばらくは過ごせていく のかもしれない

・費用をかけるのも仕方ないことで復旧を などが話題にのぼると この際 マンション生活から

 離れようと決心する者   (「買取請求」の知識を 知ったりする だろう)

というような 思いを持つ方も サマザマ

それぞれの思案が絡む日々となります

というような情況も含んでの 「 復 旧 」 の根拠の規定が 区分所有法 61条
(建物の一部が滅失した場合の復旧等) です


 

※ 建物の価格の二分の一 以下に相当する部分が滅失した場合を小規模滅失といいますが
  この場合には 管理組合の《規約》で 法律の条文にあるのとは異なるようにすること
  も可能になっています
 〔復旧のこと についても マンション管理組合の個性に合うように
検討を加え 独自の
  規定としておく必要があったりします・・・規約というものは
タイセツなものであるこ
  とを痛感することでしょう〕

  例えば 集会の決議について不要としたり 反対に すべてのことを集会決議でとする
  ことができます〔条文どおりだと 資力のある組合員一人だけで共用部分を原形に回復
  して
その費用を他の組合員に償還請求できたりします〕
  小規模滅失の場合は 区分所有者が区分所有関係から離脱することの規定は設けられて
  いません(買取請求権はない)

復旧に関連する場面でも 専有部分のことは自己責任でするべきことであり 他の区分所有者
の介入できることでもありません


 

 

以前から思っていたことですが 条文には ナンカしっくりこない というか オカシイナー

と思えることがあります

この頃の自身のブログにも 何度も登場 

 
(建物の一部が滅失した場合の復旧等)
第六十一条
8 第五項の決議の日から二週間以内に、決議賛成者がその全員の合意により建物及びその敷地に関する権利を買い取ることができる者を指定し、かつ、その指定された者(以下この条において「買取指定者」という。)がその旨を決議賛成者以外の区分所有者に対して書面で通知したときは、その通知を受けた区分所有者は、買取指定者に対してのみ、前項前段に規定する請求をすることができる。


9 買取指定者は、前項の規定による書面による通知に代えて、法務省令で定めるところにより、同項の規定による通知を受けるべき区分所有者の承諾を得て、電磁的方法により買取指定者の指定がされた旨を通知することができる。この場合において、当該買取指定者は、当該書面による通知をしたものとみなす。

 と ありますが

9 買取指定者は、前項の規定による書面による通知に代えて、法務省令で定めるところにより、同項の規定による通知を受けるべき区分所有者の承諾を得て、買取指定者の指定がされた旨を電磁的方法により通知することができる。この場合において、当該買取指定者は、当該書面による通知をしたものとみなす。

が 正しい というか より理解しやすい(判りやすい・解釈に悩まない)と考えるのですが 皆さんは

いかがですか      電磁的方法により の登場の位置が オカシイ のでは・・・

 

 

この類の疑問は 区分所有法に限らず 多々あるように思えます

飾る側 と 飾る対象 の文言 とが 離れている(離れすぎている)のでは と 考えられるものが

法条文に散見される と 思っているのです(立法部 担当者さんの意図でもあるのかな などと

思ってしまうのですが)

 

 

というようなことで 只今 午前8時の事務所 

室内にある 大きな温度計は もはや 31度になっていた

 

                      

 

                 はたけやまとくお事 務 所
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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デジタル改革関連法って ?

2022-07-24 | 〔法規 ・ 法制〕

 

昨日のブログに関し

『 条文が間違っているのでは ?
 61条は13項までではないのですか ? 』 という質問があったりしました

 

< デジタル改革関連法

デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律 >

デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律は
「デジタル社会形成基本法 に基づき 
デジタル社会の形成に関する施策を実施するため」 
関係法令の改正を行うことを目的とした法律

で 多くの法律に 変更点が生じているのですが

建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)でも

: 区分所有者の集会の議事録における押印の廃止
: 復旧決議に伴う買取請求に関する通知等の書面の電子化 

のことがあります

  1. 建物の区分所有等に関する法律

区分所有者の集会の議事録における押印の廃止

復旧決議に伴う買取請求に関する通知等の書面の電子化

 

それで

第八節 復旧及び建替え
(建物の一部が滅失した場合の復旧等)

第六十一条 建物の価格の二分の一以下に相当する部分が滅失したときは、各区分所有者は、滅失した共用部分及び自己の専有部分を復旧することができる。ただし、共用部分については、復旧の工事に着手するまでに第三項、次条第一項又は第七十条第一項の決議があつたときは、この限りでない。 
 
 前項の規定により共用部分を復旧した者は、他の区分所有者に対し、復旧に要した金額を第十四条に定める割合に応じて償還すべきことを請求することができる。    
 
 第一項本文に規定する場合には、集会において、滅失した共用部分を復旧する旨の決議をすることができる。 
 
 前三項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。   
 
 第一項本文に規定する場合を除いて、建物の一部が滅失したときは、集会において、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数で、滅失した共用部分を復旧する旨の決議をすることができる。 
 
 前項の決議をした集会の議事録には、その決議についての各区分所有者の賛否をも記載し、又は記録しなければならない。    
 
 第五項の決議があつた場合において、その決議の日から二週間を経過したときは、次項の場合を除き、その決議に賛成した区分所有者(その承継人を含む。以下この条において「決議賛成者」という。)以外の区分所有者は、決議賛成者の全部又は一部に対し、建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。この場合において、その請求を受けた決議賛成者は、その請求の日から二月以内に、他の決議賛成者の全部又は一部に対し、決議賛成者以外の区分所有者を除いて算定した第十四条に定める割合に応じて当該建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。  
 
 第五項の決議の日から二週間以内に、決議賛成者がその全員の合意により建物及びその敷地に関する権利を買い取ることができる者を指定し、かつ、その指定された者(以下この条において「買取指定者」という。)がその旨を決議賛成者以外の区分所有者に対して書面で通知したときは、その通知を受けた区分所有者は、買取指定者に対してのみ、前項前段に規定する請求をすることができる。

 買取指定者は、前項の規定による書面による通知に代えて、法務省令で定めるところにより、同項の規定による通知を受けるべき区分所有者の承諾を得て、電磁的方法により買取指定者の指定がされた旨を通知することができる。この場合において、当該買取指定者は、当該書面による通知をしたものとみなす。

10 買取指定者が第七項前段に規定する請求に基づく売買の代金に係る債務の全部又は一部の弁済をしないときは、決議賛成者(買取指定者となつたものを除く。以下この項及び第十五項において同じ。)は、連帯してその債務の全部又は一部の弁済の責めに任ずる。ただし、決議賛成者が買取指定者に資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、この限りでない。      
 
11 第五項の集会を招集した者(買取指定者の指定がされているときは、当該買取指定者。次項において同じ。)は、決議賛成者以外の区分所有者に対し、四月以上の期間を定めて、第七項前段に規定する請求をするか否かを確答すべき旨を書面で催告することができる。

12 第五項の集会を招集した者は、前項の規定による書面による催告に代えて、法務省令で定めるところにより、同項に規定する区分所有者の承諾を得て、電磁的方法により第七項前段に規定する請求をするか否かを確答すべき旨を催告することができる。この場合において、当該第五項の集会を招集した者は、当該書面による催告をしたものとみなす。

13 第十一項に規定する催告を受けた区分所有者は、同項の規定により定められた期間を経過したときは、第七項前段に規定する請求をすることができない。  
                     
14 第五項に規定する場合において、建物の一部が滅失した日から六月以内に同項、次条第一項又は第七十条第一項の決議がないときは、各区分所有者は、他の区分所有者に対し、建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。  
 
15 第二項、第七項、第八項及び前項の場合には、裁判所は、償還若しくは買取りの請求を受けた区分所有者、買取りの請求を受けた買取指定者又は第十項本文に規定する債務について履行の請求を受けた決議賛成者の請求により、償還金又は代金の支払につき相当の期限を許与することができる。
 
と 15項 まであることになったのです


 
                   はたけやまとくお事 務 所