マンション管理関連試験等サポート オリジナル問題です
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各肢について、最新民法等による、YES/NO を 答えなさい。
1.
A、B、C、D、E共有(持分各5分の1)の砂利道につき、A・Bが
アスファルト舗装をすること(軽微変更=管理)について他の共有
者に事前催告をしたが、D・Eは賛否を明らかにせず、Cは反対し
た。この場合には、裁判所の決定を得た上で、AとBは、アスファ
ルト舗装をすることができる。
YES
A、B、Cの持分の過半数である3分の2の決定で可能である。
(共有物の管理)
第二百五十二条
共有物の管理に関する事項(次条第一項に規定する共有物の管理者の選任及び解任を
含み、共有物に前条第一項に規定する変更を加えるものを除く。次項において同じ。)
は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。共有物を使用する共有者が
あるときも、同様とする。
2 裁判所は、次の各号に掲げるときは、当該各号に規定する他の共有者以外の共有
者の請求により、当該他の共有者以外の共有者の持分の価格に従い、その過半数で共
有物の管理に関する事項を決することができる旨の裁判をすることができる。
一 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。
二 共有者が他の共有者に対し相当の期間を定めて共有物の管理に関する事項を決する
ことについて賛否を明らかにすべき旨を催告した場合において、当該他の共有者がその
期間内に賛否を明らかにしないとき。
(共有物の変更)
第二百五十一条
各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用
の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができ
ない。
2.
共有物に管理者を選任し、管理を委ねることができれば、共有物の円滑な管理の観点か
らして有用なことである。
選任・解任は、共有物の管理のルールに従い、共有者の持分の過半数で決定し、共有者
以外を管理者とすることも可能である。
管理者は、管理に関する行為(軽微変更を含む)をすることができる。軽微でない変更
を加えるには、共有者全員の同意を得なければならない。
YES
(共有物の管理)
第二百五十二条
共有物の管理に関する事項(次条第一項に規定する共有物の管理者の選任及び解任を含み、
共有物に前条第一項に規定する変更を加えるものを除く。次項において同じ。)は、各共
有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。共有物を使用する共有者があるときも、
同様とする。
(共有物の管理者)
第二百五十二条の二
共有物の管理者は、共有物の管理に関する行為をすることができる。ただし、共有者の全
員の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを
除く。次項において同じ。)を加えることができない。
3.
越境された土地の所有者は、竹木の所有者に枝を切除させる必要があるという原則がある
のだが、次のいずれかの場合には、枝を自ら切り取ることができる。
① 竹木の所有者に越境した枝を切除するよう催告したが、竹木の所有者が相当の期間内に
切除しないとき
② 竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき
③ 急迫の事情があるとき
竹木が数人の共有に属するとき、各共有者は、その枝を切り取ることができるか否かにつ
いては、竹木が共有物であるのだから、越境している枝を切り取ることは変更行為として
共有者全員の同意が必要と考えられるので、各共有者のみにて行うことはできない。
NO
233条2項に、明文があり。
竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取ることができる。
(竹木の枝の切除及び根の切取り)
第二百三十三条
土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝
を切除させることができる。
2 前項の場合において、竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取
ることができる。
3 第一項の場合において、次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ることが
できる。
一 竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間
内に切除しないとき。
二 竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。
三 急迫の事情があるとき。
4 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。
4.
共有物に変更を加える行為であっても、形状又は効用の著しい変更を伴わないもの(軽微変更)
については、持分の過半数で決定することができる。
以下の〔〕内の期間を超えない短期の賃借権等の設定については、持分の過半数で決定するこ
とはできないとされている。
⑴ 樹木の植栽又は伐採を目的とする山林の賃借権等〔10年〕
⑵ ⑴に掲げる賃借権等以外の土地の賃借権等〔5年〕
⑶ 建物の賃借権等〔3年〕
⑷ 動産の賃借権等〔6か月〕
NO
(共有物の変更)
第二百五十一条
各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更
を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。
(共有物の管理)
第二百五十二条
共有物の管理に関する事項(次条第一項に規定する共有物の管理者の選任及び解任を含み、共
有物に前条第一項に規定する変更を加えるものを除く。次項において同じ。)は、各共有者の
持分の価格に従い、その過半数で決する。共有物を使用する共有者があるときも、同様とする。
4 共有者は、前三項の規定により、共有物に、次の各号に掲げる賃借権その他の使用及び収
益を目的とする権利(以下この項において「賃借権等」という。)であって、当該各号に定め
る期間を超えないものを設定することができる。
一 樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃借権等 十年
二 前号に掲げる賃借権等以外の土地の賃借権等 五年
三 建物の賃借権等 三年
四 動産の賃借権等 六箇月
5.
共有物に変更を加える行為であっても、形状又は効用の著しい変更を伴わないもの(軽微変更)
については、持分の過半数で決定することができ、「形状の変更」とは、その外観、構造等を
変更することをいい、「効用の変更」とは、その機能や用途を変更することであり、具体的事
案によるのだが、例として、砂利道のアスファルト舗装・建物の外壁・屋上防水等の大規模修
繕工事は、基本的に共有物の形状又は効用の著しい変更を伴わないものに当たり、持分の過半
数によって申請が可能と考えられるが、共有土地の分筆等の登記については、持分の過半数に
よって申請が可能とは考えられていない。
NO
共有土地の分筆等の登記についても、持分の過半数によって申請が可能と
するのが、法務省民事局の見解。
6.
所在等不明共有者(必要な調査を尽くしても氏名等や所在が不明な共有者)がいる場合には、
その所在等不明共有者の同意を得ることができず、共有物に変更を加えることについて、共有
者全員の同意を得ることができない。
また、管理に関する事項についても、所在等不明共有者以外の共有者の持分が過半数に及ばな
い場合などでは、決定ができないことにもなるが、これらのことについても改正があり手当て
がなされたので、次のような処置ができることとなった。
例 A、B、C、D、E共有の土地につき、必要な調査を尽くしてもC、D、Eの
所在が不明である場合に、裁判所の決定を得た上で、AとBは、第三者に対し、
建物所有目的で土地を賃貸すること(変更)が可能(A・Bの「全員同意」)。
例 V.W.X.Y.Z共有(持分各5分の1)の建物につき、必要な調査
を尽くしてもY.Zの所在が不明である場合には、裁判所の決定を得た上で、
VとWは、第三者に対し、賃借期間3年以下の定期建物賃貸借をすること
(管理)ができる(V.W.Xの持分の過半数での決定)。
YES
(共有物の変更)
第二百五十一条
各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を
伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。
2 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、裁判
所は、共有者の請求により、当該他の共有者以外の他の共有者の同意を得て共有物に変更を加え
ることができる旨の裁判をすることができる。
(共有物の管理)
第二百五十二条
共有物の管理に関する事項(次条第一項に規定する共有物の管理者の選任及び解任を含み、共有
物に前条第一項に規定する変更を加えるものを除く。次項において同じ。)は、各共有者の持分
の価格に従い、その過半数で決する。共有物を使用する共有者があるときも、同様とする。
2 裁判所は、次の各号に掲げるときは、当該各号に規定する他の共有者以外の共有者の請求に
より、当該他の共有者以外の共有者の持分の価格に従い、その過半数で共有物の管理に関する事
項を決することができる旨の裁判をすることができる。
一 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。
(共有物の管理者)
第二百五十二条の二
2 共有物の管理者が共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、
裁判所は、共有物の管理者の請求により、当該共有者以外の共有者の同意を得て共有物に変更
を加えることができる旨の裁判をすることができる。
3 共有物の管理者は、共有者が共有物の管理に関する事項を決した場合には、これに従って
その職務を行わなければならない。
4 前項の規定に違反して行った共有物の管理者の行為は、共有者に対してその効力を生じな
い。ただし、共有者は、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
7.
相続又は遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により土地の所有権又は共有持分を取得した者
等が申請人となり、相続又は遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により取得した土地を手放
し、国庫に帰属させることができる制度が創設され施行されている。
この相続土地国庫帰属制度において、その土地が次の各号のいずれかに該当するものであると
きは、通常の管理・処分をするに当たり過分の費用・労力を要すると扱われるものなので承認
申請はすることができない(いずれかに該当する場合には、法務大臣は、承認申請を却下しな
ければならない)。
1 建物の存する土地
2 担保権又は使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地
3 通路その他の他人による使用が予定される土地(墓地、境内地、現に通路・水道用地・用
悪水路・ため池の用に供されている土地)が含まれる土地
4 土壌汚染対策法上の特定有害物質により汚染されている土地
5 境界が明らかでない土地その他の所有権の存否、帰属又は範囲について争いがある土地
YES
(帰属法2Ⅰ、Ⅱ)(帰属法2Ⅲ、帰属政令2)(帰属法2Ⅲ、5Ⅰ)(帰属法4Ⅰ②)等
8.
共有物を使用する共有者がいる場合に、その共有者の同意がなくても、持分の過半数で
共有物の管理に関する事項を決定できるかは明確でなかったし、各共有者はその持分に
応じて共有物を使用することができるが共有物を使用する共有者は、他の共有者との関
係でどのような義務を負うのかも明確ではなかった。
現行条文には、これらについても、明文がある。
YES
(共有物の管理)
第二百五十二条
共有物の管理に関する事項(次条第一項に規定する共有物の管理者の選任及び解任を含み、
共有物に前条第一項に規定する変更を加えるものを除く。次項において同じ。)は、各共
有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。共有物を使用する共有者があるときも、
同様とする。
3 前二項の規定による決定が、共有者間の決定に基づいて共有物を使用する共有者に特
別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
(共有物の使用)
第二百四十九条
各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。
2 共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己
の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。
3 共有者は、善良な管理者の注意をもって、共有物の使用をしなければならない。
9.
共有に関する規定は、持分の割合に応じたルールを定めているが、相続により発生
した遺産共有では、法定相続分・指定相続分・寄与分や生計の資本の贈与を受けた
等のことの特別受益が絡む具体的相続分のいずれが基準となるのか不明確であるが、
遺産共有状態にある共有物に共有に関する規定を適用するときは、法定相続分(相
続分の指定があるケースは、指定相続分)により算定した持分を基準とする。
例えば、 遺産として土地があり、A、B、Cが相続人(法定相続分各3分の1)であ
る場合においては、その土地の管理に関する事項は、具体的相続分の割合に関係な
く、A・Bの同意により決定することが可能である。
YES
(共同相続の効力)
第八百九十八条
相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。
2 相続財産について共有に関する規定を適用するときは、第九百条から第九百二条
までの規定により算定した相続分をもって各相続人の共有持分とする。
(法定相続分)
第九百条
同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分
の一とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、
直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、
兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものと
する。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じ
くする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。
(代襲相続人の相続分)
第九百一条
第八百八十七条第二項又は第三項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、そ
の直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。ただし、直系卑属が数人あると
きは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従って
その相続分を定める。
2 前項の規定は、第八百八十九条第二項の規定により兄弟姉妹の子が相続人となる
場合について準用する。
(遺言による相続分の指定)
第九百二条
被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又は
これを定めることを第三者に委託することができる。
2 被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを
第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、前二条の規定により定める。
10.
相続により不動産が遺産共有状態となったが相続人の中に所在等が不明な者がいるケース
でも、所在等不明相続人との不動産の共有関係を解消するため、その持分の取得・譲渡を
可能とする必要はあるといえようが、このことについては、条文化されていない。
NO
新条文が登場している。
(所在等不明共有者の持分の取得)
第二百六十二条の二
不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又は
その所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、当
該他の共有者(以下この条において「所在等不明共有者」という。)の持分を取得させる旨
の裁判をすることができる。この場合において、請求をした共有者が二人以上あるときは、
請求をした各共有者に、所在等不明共有者の持分を、請求をした各共有者の持分の割合で按
分してそれぞれ取得させる。
2 前項の請求があった持分に係る不動産について第二百五十八条第一項の規定による請求
又は遺産の分割の請求があり、かつ、所在等不明共有者以外の共有者が前項の請求を受けた
裁判所に同項の裁判をすることについて異議がある旨の届出をしたときは、裁判所は、同項
の裁判をすることができない。
3 所在等不明共有者の持分が相続財産に属する場合(共同相続人間で遺産の分割をすべき
場合に限る。)において、相続開始の時から十年を経過していないときは、裁判所は、第一
項の裁判をすることができない。
4 第一項の規定により共有者が所在等不明共有者の持分を取得したときは、所在等不明共
有者は、当該共有者に対し、当該共有者が取得した持分の時価相当額の支払を請求すること
ができる。
5 前各項の規定は、不動産の使用又は収益をする権利(所有権を除く。)が数人の共有に
属する場合について準用する。
(所在等不明共有者の持分の譲渡)
第二百六十二条の三
不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、又は
その所在を知ることができないときは、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に、当
該他の共有者(以下この条において「所在等不明共有者」という。)以外の共有者の全員が
特定の者に対してその有する持分の全部を譲渡することを停止条件として所在等不明共有者
の持分を当該特定の者に譲渡する権限を付与する旨の裁判をすることができる。
2 所在等不明共有者の持分が相続財産に属する場合(共同相続人間で遺産の分割をすべき
場合に限る。)において、相続開始の時から十年を経過していないときは、裁判所は、前項
の裁判をすることができない。
3 第一項の裁判により付与された権限に基づき共有者が所在等不明共有者の持分を第三者
に譲渡したときは、所在等不明共有者は、当該譲渡をした共有者に対し、不動産の時価相当
額を所在等不明共有者の持分に応じて按分して得た額の支払を請求することができる。
4 前三項の規定は、不動産の使用又は収益をする権利(所有権を除く。)が数人の共有に
属する場合について準用する。
(裁判による共有物の分割)
第二百五十八条
共有物の分割について共有者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、
その分割を裁判所に請求することができる。