囲碁きちの独り言 Ⅱ

趣味の旅行、うたごえ、囲碁の事や日常の出来事を記録する。

本「戦争しない国が好き!」を読む

2015-09-05 18:11:43 | 囲碁きちのつぶやき
友人にいただいた「戦争しない国が好き!」という本を読みました。



1870年創立の東京の私立の中・高一貫教育の「女子学院」の生徒の戦争体験をした方から聞き取った作文集でした。
女子学院では、1980年から夏休みの国語科の宿題として、「身近な人から戦争体験を聞き、400字詰め原稿用紙10枚程度にまとめ、9月1日に提出する」ことが、中学3年生全員に課せられているそうです。この聞き取り学習は、35年間かけることなく続いているそうです。

その中学生たりが綴った文章から、22編選んで今回出版したそうです。編纂したのはこの学校で40年間、国語科の教諭を勤めた おのだめりこさんでした。

生徒たちが一緒懸命書いたレポートを

1 子どもたちの受難ー疎開・食糧難
2 学徒動員
3 空襲
4 原爆
5 戦場の悲惨
6 敗戦

に分けて掲載しています。執筆した時は、中学3年生でしたが、年長の方は還暦を迎える歳になり、3代の世代をまたぐような聞き取りの記録になっています。一編、一編が心に迫る内容です。

私が一番心を動かされたのは、おのだ めりこ さんの冒頭の文章です。

虹立つや戦争しない国が好き

の俳句に始まる部分です。この作品は、2014年度国民文化俳句大会で文部科学大臣賞を受賞をした茨城県の高校生の作品だそうです。
この句に対比するように

梅雨空に「九条守れ」の女性デモ

をあげています。1940年生まれの埼玉県の女性の作品で、公民館の公報に掲載を断られたことで問題になりました。

おのださんは、作品の内容もさることながら、10代の高校生から70代の方たちまでの思いが、文集の中には詰まっている と言いたいようです。

そして、最後に 本書に寄せてー として作家の早乙女勝元さんが

いつまでも「戦後の」のままに として一文を寄せています。

本書の中身はぜひ、本の中で読んでいただきたいと思います。

私は、最初の句 「虹立つや戦争しない苦にが好き」 が文部科学大臣賞を受けていることに驚きました。今の政権は、「戦争する国が好き」のようにも思えます。2014年と2015年のたった1年で国の姿勢が大きく変わりました。
そして、「戦後」から脱却して、戦前のように、「国のやることに文句を言うな!」、「アメリカと一緒に世界中どこででも、武器をもって戦え」のような国にしようとしています。

この本は、高文研 から 1,400円+税 で発売されてます。

興味をお持ちの方は、ぜひ、読んでみてください。
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